TYAGATSHI 2007.01.17
今ごろナニですが紹介しないといけない本でした。昨年の夏に発刊された強烈な写真集です。サブタイトルはズバリ「WW2のソ連製-装軌-砲兵-トラクター」で、内容もまさにそのとおりの怪著です!
ソ連に限らずとも「軍用トラクター本」なんてこれまでどれほど有ったでしょうか? つまり出版された事だけでも賞賛に値するのですが、車種と写真の豊富さや、紙質や写真の質といった品質面でも間違いなく高レベルの写真集で、今後このテの車両本が出版される際には必ず参照元として記される事になるでしょう。
かなり昔、フランスで出版されたロシアトラクター全般の個人誌的?なマニアック本が有りました。近年では、ブローネコレクツィヤ誌が3回特集し、スターリネッツS60のマニュアルを纏めた資料本も出ていました。いずれも入手しにくいのがネックでしたが、「WW2ソ連の軍用トラクター」に限定するなら、このTYAGATSHI一冊が全てを凌駕し、なおかつ最も入手しやすい本だと思います(S60に限定するならマニュアル本も持っていたい所ですが)。
内容は、基本的に車種毎にページが割り振られ、レンドリース物、代燃車、そして、通称ハリコフ、オデッサ等の急造戦車なんかも抜かりなく纏められています。おまけに、信頼度にばらつきがありそうですが1/35の図面やカラー図も非常に豊富で泣けてきます。
ちなみに、厳密に分けられませんが「農耕用装輪トラクター」は、マコーミック15/30のソ連版、SKhTZ-15/30が2ページ、ドイツ側の撮影による写真3枚が載っているだけでした。
「チャガーチ」、テキストは英語とドイツ語併記。359ペーシの大冊で、当時は七千円くらいで売っていました。1ページ当たり約20円はバーゲン価格と言い切って良い優良書です!高くなる前に是非!というか高くても是非!
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福島県の岩瀬牧場のフォードソンF 2006,11,22
「日本初の西欧式牧場」を謳う由緒ある観光牧場なので、案内看板くらい有るだろうと悠長に国道を走ってたら迷ってしまいました!(小岩井と比べたら酷ですが、岩瀬郡鏡石町のやる気を疑いますよ・・・。)なお、岩瀬村が離れた場所にあるので間違わないようにしましょう(つまり私は間違えた)。
とにかく、ここの展示状況がまるで分からずに来ました。オフシーズンの閑散とした園内をうろつき「農機具展示」とか書かれた旧牛舎へ行っても半ば物置きになっています。
「もう無いのかな?遅かったかなぁ」と不安に焦りながら、道路を隔てた資料館へ向かうと、途中に「トラクター展示舎」と書かれた藁葺きの建物を発見!
中にはトラクターが3台有りました。フォードソンとホルダーが2台。ホルダーは、アーティキュレート型とハンドトラクター(乗用4輪仕様)で、共に上富良野「土の館」の物と同型と思われます。
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さて、主題のフォードソンFですが、宮内省が大正末期にイギリスから輸入した最初の15〜16台のウチの1台だそうです。イギリスから直輸入、つまりアイルランド・コーク工場産のごく普通のフォードソンと思われます。
ディテール面で、ちょっと気になるグリルガードは、当時物のオプションでしょうか。取り付けはラジエターのボルトを利用しています。
ボンネット(本当は燃料タンク)を切り欠いて上に突き出した吸気管+エアフィルターは後年の改造でしょう。国産の気化器が付いていました。不要になった本来の水フィルターのタンクは取り除かれています(後に、この燃料タンクを切り欠く処理をアメリカの車両でも発見しました。いずれも素人溶接で鉄板を当て塞いでいる様にみえますが・・・)。また、現在では付いていませんが、以前は当時物のヘッドライトも付いていた様です。
ボディの塗色はグレーですが、剥がれた部分と資料室にあった写真から、比較的近年まで水色に塗られていた事が分かります。ホイールもそのころは明るいグレーでした。現在の雰囲気は随分と良くなっています。
ついに3台目のフォードソン(F)を肉眼で見ることが出来ましたが、吸気系のオリジナル度はともかく、全体の状態はこれが一番よいかも知れません。あとは、某農業大学にあるとウワサされる1台。これは全く情報がありません・・・。
※2011年再訪しました。「東北のフォードソン」 |
ファモール・レギュラー 2006,08,31

岩手県、小岩井農場「まきば園」に展示してある貴重な鉄車輪トラクタ−。 札幌から車で行ってきました(笑)
一見すると3輪車だし(正確にはナロー4輪)、ステアリングコラムはボンネット上を通ってラジエターの前に繋がってるしで、日本では馴染みのない形をしてます。このIHCファモールはファードソンのライバルでしたが、こちらはフレームに部品を載せていく「内骨格式」の構造なのが違うのでした。
(もっとも、メカニカルコンポーネンツを内包した「外骨格式」のファードソンこそが革新的で、多くのメーカーに真似され、後に標準的なスタイルになったと言えるのですが)
洗練されていないメカメカしさも古いトラクターの魅力なので、この辺のファモールらしい形を是非見たいと思っていました。その前に帯広で見てしまったのだけど・・・(笑)
展示場所
まきば園で入場料を払って入場、入り口で貰った地図には、園外に「農機具展示場」が載っていてビックリ。それでウッカリ外に出たりしたら展示場そのものが無くて2重にショックを受けるところでした。現在ではちゃんと園内に移設されています。
以前の農機具展示場にはプラウ等作業機も有ったらしいのですが現在は跡形もなくなっていて、このファモールだけが園内の「花の広場」に有ります。後ろにはもう一台分のスペースがあるので、そのうち作業機が付くかもしれませんね(2006年現在)。
状態
塗装したのも、移設したのも、近年(昨年?)な上、手入れの行き届いた花に囲まれ、とても清潔感のある空気を作り出してます。化粧直ししても違和感を感じないのは、保存状態がとても良い証拠だと思います。目立った欠品もなく実働車と言われても納得しそう。70年もの間、大農場のワンオーナー車であった事が良い方に働いているのでしょう。
本気かどうか分かりませんが、まきば園ではエンジンを掛ける事も考えているとか。もし、そんな日が来るならまた行ってみたいと思うのでした。
※2011年再訪しました。「東北のファモール」 |
B1bis!2006.6.28
えらい久しぶりにキットを作っています。
なんせタミヤがフランス戦車、それも1/35では初のインジェクションとなるB1
bisを出したのだからたまりません。「遅すぎなんじゃ〜!」と叫びたいのを我慢し、素直に喜んで組んじゃいます。
ストレート組みです。フェンダーは選択式になってますが、私は「隙間あり」がイメージなので何も考えずにそれにしました。
フランス戦車は1台1台独特で固有のマーキングが魅力的ですが、それぞれナンバーやニックネームが決まってるので、調べると結構ウルサイですね。ウルサイのイヤな方はドイツ仕様がお勧めです。
で、私はフランスらしく、トランプ・マークの付いた奴を、それもでっかく描き込まれた奴にしたいと思います。やっぱり202
ALGERIE号になるかな。洋書「MODEL」誌に載ってる、DESキットの「ほぼスクラッチ」の作例がこのマーキングで真似したくないんだけどね。 |
焦る・・・。 2006,3,31
第2次大戦前のドイツの農耕トラクター業界は、多数のメーカーが多種を生産する同国の自動車業界と似た状況にあったようです。それは戦時体制下では好ましい事でないので1939年6月に統制化する事が決まりました。
まず機関馬力で11種類に分類し、それらを、ランツ、KHDドイツ、ハノマーク、ファモ、MBA、の5社が該当するモデルを生産、20馬力クラスのみ複数の小メーカーが担当しました。それらは全てドイツ製ディーゼル及びセミディーゼルエンジンの機種ですが、例外的にガソリンエンジンの現地組み立てインターF12(アメリカ製、前回と似た物)を加えて全部で17種のみ認める体制になったようです。
と、珍しくアカデミックな事を書いてみましたが、この17種の何個かは、大戦ドイツのジオラマに欲しいアイテムだと思いません?
「1/35の農耕トラクターのキットを作る。」漠然としてるけど何時も頭の隅にある夢です。最も好きなランツ35hpは唯一レジンキット化されていますが、他にも欲しいのが人情。中でも、最も小型の「KHDドイツ11hp」は面白い存在です。
さて、そのKHDドイツ(Deutz F1 M414)ですが、気づくとなんと、最近高品質なトラクター・ミニカーを連発しているシュコーから出ていたではないの!それも1/43だけでなく1/18まで。さらにユニバーサル・ホビーからも1/16の精密なのが出ていて、しかも戦後型ではない1936年型らしい! うむむ、どれも立体資料として必要不可欠っぽい出来です。これ、どこかのレジンメーカーが気づいて出しそう。焦るなぁ・・。 |
これもビックリした一台。2006,3,15
先日、十勝に行ったので新たに写真を撮ってきました。場所は帯広のマコーミック
の販売店(正確にはインタートラクターサービス株式会社)。昨年偶然通りかかって、ファモールのスーパーMや、カブと並んで展示されていてビックリしたものです。
というのも、戦前のIHC系ナロートレッドの、しかも流線型ボディを持つ前の機種は、小岩井農場の「ファモール・レギュラー」と、小松メックに有るという物(詳細不明)*註の2台しか情報が無く、これは私にとっては全く未知の個体だったのです。
さて、ここの説明書きによるとマコーミック 10-20、導入年度は昭和2年、斜里郡マルキ農場で使用されたとの事。
これが事実ならば当時からずっと北海道に有った個体と思われます。ただ、マコーミック10-20はコレだから機種名は明らかに間違いでしょう。
また、導入年度が昭和2年だとすると、「マコーミック10-20」か「ファモール・レギュラー」であればどちらでも通用するのですが、この個体のディテールを見る限りファモール・レギュラーではなく、後のファモールF-20と思われ。それだと年代も合いません。こうなると丸々解説が間違っている・・・というより、別車両の説明ボードが間違って置かれているとしか思えません。残念です。それとも、どこかにマコーミック10-20も有るのでしょうかね?
前回のフォードソンは既知の戦前トラクターが公開され驚きました。また小松G25は、未知の、しかも未公開の戦前トラクターに遭遇して驚きました。そしてコレは公開されていたのに未知だった戦前トラクタ−です。昨年は有り得ないくらい当たり年でした。
これを書いた時点では詳細不明の「小松メック」のファモールと、同一車両の可能性は低いと思っていました。小松メックのそれは、大阪の製パン業者、水谷政治郎が昭和7年に小清水農場に導入したという物で、このインタートラクターサービスの車両の説明板(信用出来ませんが)とは何ら関連が無かった為です。
ところが、水谷政治郎の製パン会社が「マルキ号製パン」と云う名である事が分かり、この説明書きの「マルキ農場」の意味が分かったと共に、初めて強い関連性が見つかりました。う〜む。一体、どうなんでしょ。
水谷政治郎の農場経営規模はとても大きく、ある時点では道内トラクター数の10%を占める程の先進的農場経営を行っていたそうです。ならば、2台残っていたとしても不思議はないのかもしれせんが・・・。
2006,9,3
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後日更新・・・どうやらFarmall F-20のようです。 |
すごいすごい!2005.12.05
年末という事で、「2005年、トラクター・ネタ、10台ニュース(笑)」を選んでいたのですが(ほんとか?)、ある諜報部員からのネタで、ちゃぶ台をひっくり返されてしました。それは・・・
百年記念館「北海道開拓記念館だより」によると、北海道自動車短大のフォードソン(F)が「開拓の村」に寄贈され、展示されているらしい。
・・・というのです。 朝、メールを確認した私は、すぐ「開拓の村」へ向かったのは言うまでもありません。「開拓の村」の一番奥の建物へ真っ直ぐ向かうと、やっぱりここに有りました。
一見して、派手な塗装と新設されたマグネトー以外は、オリジナルを良く保っている事が分かります。まぁ、エアフィルタータンクの欠品、燃料タンクの凹み、ラジエターの穴、等のマイナスもありますが、これらは、資料性を損なう物ではないので個人的には修復されてなくて良かったと思います。
唯一とても残念なのは、自動車短大が塗ったであろう「らしくない」塗色です。所々剥がれた部分を見ると、オリジナルのグレーが残った結構良い肌をしていて、土の館の個体を思うと非常に「もったいない」事をしているのです。
自動車短大が所有していたフォードソン。憧れの機種が私の住む札幌市内にあるらしいというので、以前からとても気になっていました。ただ、卒業生に聞いても学内で展示している話も聞かないし、ネット上にも情報がなく、一時は学校に問い合わせようかと思ったくらいでした(笑)。それがこうして寄贈され、常設展示されてるのは感慨深い物があります。国内に4台存在するという噂のフォードソンですが、これで私の知る範囲で3台めが公開されました。あと一台、あと一台じゃよ。
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久々の完成品 2005,09,30
なんと、作りはじめたのが2003年の12月28日となってるので、1年10ヶ月かかってます(苦笑)。
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この2003年、日本ハム・ファイターズは、球団マスコット「ファイティー」が、その年限りで引退する事を発表しました。本拠地の北海道移転に合わせて、マスコットも代替わりする為です。しかし、それはファンによる引退反対の署名活動に発展するほど大きな拒否反応を巻き起こしました。
ただでさえ本拠地移転に落胆しているのに、皆に親しまれたマスコットまで奪われてしまうのです。ファン心理としては好意的に捉えられる筈はありませんでした。結局、球団は考えを改め、翌年以降も、『東京ドーム限定』でファイティーが活躍する事を決め、とりあえず一件落着となります。
一方で、ファイティーに替わる新マスコットの『熊』のイラストが発表された時、あまりにも下品で可愛くない事から、これまた別の騒動(?)へと発展していきました。そのイラスト自体も発表後に微修正が続くなど、球団も思わぬ不評に慌てている様にも見えました。(微修正とは、ユニフォームの着用、靴を履き、鼻の穴は消え、モヒカンの色が変わる等・・・)そして、運命の着ぐるみの発表&ネーミング発表の日を迎えます。 心配された着ぐるみはイラストと違って可愛く仕上がっていた為、これ以上の不評を買う事はありませんでした。この後、その「B.B」と名付けられた熊は、その魅せるパフォーマンスでファンを増やし、ネット上で積極的に発言するなど、マスコットに対する見方を多くの人に改めさせる事に成功しています。
思えば、過激なパフォーマンスで人気者だった阪神タイガースのマスコット「トラッキー」の中身が解雇され話題になったり、勝手に球団が合併して「バファローズ」を名乗りながら、牛ではなく海賊のマスコットを引き継いだり、一方でホークスは親会社が変わってもマスコットは変わらなかったり、新球団、楽天イーグルスの悪役(?)マスコットが旧トラッキーばり(笑)の激しく楽しいパフォーマンスで大受けしたり、交流戦の導入でこれまでなかったマスコット同士の交流も見られるなど、この2,3年の間で、球団マスコットに対する注目度は大きく変化しています。
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私はといえば、今年7月に東京ドームでファイティーとの対面を果たし、資料(脳内イメージとでも言いましょうか)を得て模型制作のスピードアップになりましたが、ファイティー君はその翌月に引退してしまいました。惜しまれながらも2年前の様な騒動にならなかったのは、B.Bの頑張りを見てきたファンの気持ちの変化も大きいのだと思います。
この模型の出来には必ずしも満足していないのですが、ほぼ「B.Bの登場からファィティーの引退まで」の期間に制作、完成に持ち込めた事は意義深くて良かったと思っています。マスコットの模型は作りたいキャラは沢山あるし、他にやる人のいないジャンルなので、ボチボチと続けていきたいと思っています。 |
ウソつきました!2005,09,30
前回、9月4日にイベントがある様な事を書きました。私も当日行ったんです。
でも、な〜んもやってなかった。
最近、上富良野に住む知人から聞いたのです。どうもその一週間前にイベントがあり、スチームトラクターを動かしたらしいのです。ま、私はその日は行けなかったのですが・・・ちゃんと告知して欲しいなぁ。まずいないと思いますが、もしこのHPを見て9月4日に行かれた方、本当に申し訳ありません。 |
毎年一度は参ります。 2005,08,03
さて、車の足回りを替えて道東を走り、帰りに上富良野『土の館』に行って参りました。昨年はフォードソンと帯広畜産大モノが入りビックリしましたが、今年はこの一台、1953年製のNTK4型の登場です。「NTK」=「日本特殊鋼車両」=「ニットク」という事で国産車両ですが、古い国産クローラーは非常に珍しく、土の館らしいニヤリとさせる逸品です。正直、この手の車両は土木建築系のイメージがあって私は詳しくないのですが、今後充実する様ならば新たな興味を引きそうですね。謎の多い戦前の国産クローラーなんか出てこないかな・・・
ここでニュース。偉そうなおじさんに聞きました。土の館では、9月4日に、スチーム・トラクターを運転するそうです! |
誰かの役に立つかな・・・ 2005,08,03
私の車(ユーノス500)の、すり減ったタイヤと、変形してる安物ホイールも替えようと調べていると、1インチアップでユーノス・コスモ用が合う事が判明しました。『んん?コスモとな?なんか、もやもや〜っと記憶が・・・ああ!あれか!』
その昔ユーノス・コスモが発売になった時、車はともかく、そのホイールが格好良いと思ったのです。一見何て事ない6穴だけど、よく見ると3本スポークが重なった微妙な形、たしかデザイナーは「ロータリーエンジンの滑らかさを表現した」とか言っていた気がしますが、ユーノス500も滑らかなデザインなのでピッタリ合いそうな気がします(ユーノスのマークが付いた数少ないホイールなのも良)。全く忘れていた記憶の扉がひとつ開きました。もういけません。デザインが好きで買った車だもの、ホイールも(かつて)気に入っていた物にしたい!
さて、オークションに出ていたホイールとタイヤをそれぞれ落札。サイズは問題なし!のつもりが・・・タイヤショップで現物見て気づいたのです。扁平率50のつもりで入札していたタイヤが60だったのです!!!ホイールに気を取られたか、完全に私のミスでした・・・。
ホントはこれからのドタバタを書きたかったけど、まぁ、いいでしょう。結論を言うとギリギリ干渉せずホイールハウスに収まりました。車高が2センチ近く上がって雰囲気変わってしまったけど、そして、やたら重いホイールだったけど、その時点では使えただけで満足という気分に(笑)。オフセット+50でなかったらフェンダーに干渉したかもしれません。誰かの役に立つかもしれないのでデータを。
車種=ユーノス500 ホイール=16-7JJ+50 タイヤ=205/60R16 |