
vol.19
ことばのあやとり
四十肩はシジュウカラ
木村 恭子
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| 四十肩はシジュウカラ
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| トウネンとって五十五歳
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| 五十肩はゴジュウカラである
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| その頃は メジロにある
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| 誰もが廊下のカササギして盗み合うような
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| ア・バード荘というアパートに
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| 若いツバメと住んでいて
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| 楽しいかな みツグミの上
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| 誰が こワシタカ
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| カモいも ひずんで
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| ホトトギスギス襖も閉まらない
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| 五十肩で トキに耐え難い
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| ふシギな痛みを こオウムり
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| 一時アジサシゅっ勤もしてみたが
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| 痛みアヒルモズっと続き
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| えライチョウ長から
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| いガン退職をスズメられ
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| それカラス寒貧になった
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| 若いコガラなツバメと
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| 差し向カイツブリかえすのは
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| ウソでもいいから
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| どこかからのカワセミたいな贈り物
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| 見え見エナガん望である
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| けだるイカルい 年月の後
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| やがてツバメはトビ去って
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| 思い出すヒワ ホロホロと泣く
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| これはヒレンジャクよくよするな
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| 立ち直り可能!ノジコ分析
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| 本当は深いアイカモ知れないとも思う
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| 素なオナガく生と
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| 新年は福フクロウを買いに行く
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| しかし惨々にコンドル
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| 思案のゴイサギ良く大行列に並ぶ
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| 百貨店の役インコまりながらも
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| とクイナ弁舌をアビせ
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| 私等をあたカモメずらしげに見る
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| 通る人もこっちのホオジロっと見る
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| 私等はなりふりもカッコウも構わない
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| 痛む肩やセキレイに忘れて
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| 瞬クマゲラゲラ笑い出す
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| こういウコッケイも又
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| アイカモ知れない
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| フクロウの中には
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| ボールペンギン色の鞘が光り
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| シャープペンギン色の鞘がきらめいていた |
<ことばのあやとり>はやくちことば(木村恭子・関富士子)