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vol.6 「gui詩gui詩」 Poetry Reading



JOHN SOLT

ジョン・ソルト(JOHN SOLT)

 アメリカからシンプルな詩を送ってくれるジョン・ソルト。初めてお会いした。どうです。すてきな方でしょう。  

 ソルトさんは去年(1997年)北園克衛の詩選集「グラス・ベレー」(モーガン出版)を編訳、出版して、コロンビア大学ドナルド・キーン日本文化センターの日米友好委員会日本文学翻訳賞現代部門を受賞した。

新聞記事によると、授賞式の模様はこんなふう。



 ソルト氏は、受賞あいさつに加え、訳詩6編を時代順に朗読。さらに、ゲストに招かれた地唄の西松布咏さんが北園克衛の「BLUE」を日本語で演じたのに続き、その訳詩を三味線の伴奏で語った。
 ソルト氏は、ビート世代の代弁者で日本や中国の詩を米国に紹介した詩人・批評家ケネス・レクスロスを通じ、北園の詩業を知った。常に新しい実験を試みた前衛精神にひかれるという。




 さて、ちょうどこの地唄と三味線の前衛西松布咏さんのコンサートが、7月18日に日比谷公園内松本楼で開かれる。それにゲストとしてソルトさんが招かれている。コンサートの詳しい案内をいちばん下に載せました。興味のあるかたは予約のうえおいでください。

ソルトさんは上手なやわらかい日本語で、guiを読んだアメリカの学生たちの反応を話してくれた。










今晩は。ジョン・ソルトです。今、下で聴きまして、とても楽しかった。また、窮屈じゃなかったから、下におりました。森原さんもありがとう。

 ぼくは詩を朗読するよりも、guiについてちょっと話したいとおもっております。ちょっと自分の話ですが許してください。とにかくguiと関係あるから申しあげます。向こう(アメリカ)でぼくは、日本にもヨーロッパにもない科目を開いた。それは「二十世紀の前衛日本の詩と美術」ということで。その中で版画も油絵も写真も本の装丁も詩も散文も建築までも、いろいろ紹介いたしました。

 その中で、本の装丁のことでguiの本を学生たちに見せました。みんなすごく喜んでました。こういうすごい、ヴィジュアルな面から、もちろん皆さんの日本語の詩は読めない。読める人もちょっといたんだけれどもほとんど読めない人で、とにかくこういう雑誌はちょっとすごいですと、みんな言ってたんです。

 特に表紙の場合はまた違うことで、ぼくは七人の本の装丁の展覧会をハーバード大学とアマースト大学でやりました。そのとき山口謙二郎さんも高橋昭八郎さんもその七人の中にいますから、そのときもguiの雑誌を数冊並べてアメリカ人に見せました。

 もちろん表紙だけだから皆さんの仕事よく紹介できなかったんだけど、すごいリアクションがありました。こんなにすばらしいヴィジュアルなセンスとかね、また桑原さん(桑原伸之)のヴィジュアルとかね、まあいろんな方々のねちょっとおもしろい世界があって、こういうのはアメリカにはないということで。

 それで学生たちがいろいろguiについて聞いて。非売品だということをぼく言ったら驚きまして、なんでこんな宝物が現れて、非売品になるかということ。それで同人雑誌の制度をみんなに説明しました。これはアメリカにはない制度です。アメリカでは編集者が全部の経済的な負担を抱えて自分の出したいものを出す。昔からそういう制度です。ときどき大学が雑誌を出したりする。とにかくそういう同人雑誌の説明をしました。

 ま、それだけの話ですけども、みなさんはguiを読んでいらっしゃるけど、海外ではみんなの目に接触するとかなりセンセーションを起こしたというようなことで、また次の20年もがんばってください。



ジョン・ソルト(JOHN SOLT)

アムハースト大学助教授

<ご案内> 第一回「ニュアンスの会」
伝統=前衛 西松布咏 唄と三味線
ゲスト 藤富保男・松岡正剛・山口椿・若林淳・ジョン・ソルト
日時 7月18日(土)18:30−20:00コンサート 20:00−21:00カクテルバーティ
所  日比谷公園内松本楼
料金 10000円 限定70名
ご予約は美紗の会(03-3764-6096)へ



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