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vol.6 「gui詩gui詩」 Poetry Reading
山中 真知子
草笛コンサート
少年の
全身張り詰めた根から沸きたつ言葉が 血飛沫となった
地べたから発する草花
花粉をちらし
風に運ばれ
雲の マジックショーのはじまりはじまり
鳩が光と現れ
色とりどりの国旗は 花びらとなり 地上に注ぐ
テンキリンの丘?
切り株に腰かけて さあ みんなで 草笛コンサートや
おはなし会を ひらこうね
野うさぎも 針葉樹も ピーンと耳をたて 刻々と頷く
木々の群読
北風や南風の混声合唱
オバユリの一人語り
山々のテーブルに据えた 天上の紙芝居が
西陽色にめくれたなら とうとう おしまい
ペロペロキャンディーは 透きとおって 海の弧に蕩けた
唇をおしあて
暗がりの葉脈を 探し出そう
根っこのうなり
葉っぱのひるがえりが
少年の息から響く
五十年前の
白髪少年の草笛が…
語れない言葉は 内側ではらはら漂う
黒い紙に
綴ろうとして
しわくちゃにした夜
ヒリヒリ痛む 無数のけものの糸が ほつれそうだ
賢治さんの水仙月は隠れているから
神々を探す目は
雲に預けたミズを求め しみとなり 瞼にはりついている
野草の祈り
キノコ雲
(gui no.53 1998年より)
藤瀬恭子「ミッドナイト・カー・ガール・アローン」
飯田隆昭/ W.バロウズ「デッド・ロード」
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