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KBC映像労働組合ニュース・2004年2月19日 第210号

我々は不当な{解雇}絶対許さない


回答出されず!
団交に誠意のかけらも見えず!

昨日、再度要求に対する回答を求め、18時30分から団体交渉が開かれました。

労担は開口一番「あなた達勝手なこと言ったらいかんばい!」と声を荒げて言ってきました。しかし、会社は回答書と呼べる文書は出してきておらず、それを求めての団交だったにも関わらず、「回答は前回の文書に含まれてきている」とか「文書を見れば分かる」と主張してきました。

そこで、一つ一つの要求についての回答を求めました。

1: 4名に対する雇止めの通告を撤回したのか?

組合 雇止めの撤回はどうなんですか?
会社 ここ(昨日の文書)に書いてある通りです。4人とも契約しますと
組合 4人に対して、通告しましたよね。
会社 来年度の契約をしませんと、一旦言いました。文書も無しに
組合 3名は文書をもらってます
会社 いわゆる正式な文書はやっていない。メモを渡しました
組合 4名の雇止めは撤回されるのですか?
会社 撤回という言葉は使いません。雇止めはしません。組合が色々主張して会社としてとりあえず雇止めはやめようと

4名のうち3名は総務部長名の来年度契約を行わない旨の文書を受け取っているにも関わらず、一旦言っただけという会社の姿勢は許せません。その文書のために当該者は計り知れない苦痛を与えられたのです。それに対する答えが「一旦言った」という事だけとは、信じられない態度です。第一、団交で発言している事なのに、こんな曖昧な事で終わらせようとする態度を許せる訳がありません。

2: 専門職社員の社員化について

組合 専門職社員の社員化はどうなんですか?
会社 今回はありません。試験を受けなかった時点で終わっています
組合 4名の問題が解決していないのに試験をしようとするからじゃないですか
会社 4名の話は別で試験は受けさせて欲しいと言った
組合 評定の段階で労担は各部長に『社員化を視野に入れた形で評定をしてくれ』と言ってますよね
会社 それは更新で・・・
組合 少なくとも8名に関しては内規に載っている上申された者に該当すると考えるのが自然
会社 上申はされていない。試験を受ける資格を与えるだけ
組合 試験の事について組合と協議されていない
会社 社員採用試験は組合に言う必要はない
組合 しかし、今回の問題は組合が要求していた社員化のもの。第一、回答には制度の見直し中としか答えていなかった
会社 そうです。しかし、今回は社員採用試験ですから
組合 専門職社員の移行なので、採用試験も一般の試験と違うわけでしょう。
会社 だから、(会社は)試験を受けて下さいと。組合が言ったから強要もしていない

この問題に関して会社は、「試験を受けなかった」と言うところを強調してきていますが、組合の主張は「4名の問題の解決前に試験を行う会社の姿勢がおかしい」と言っており、会社が回答を延ばしたこと、試験前に4名の問題を解決に導こうとしなかった事は会社に責任があるはずです。

会社は組合が文書を出してこなかったから遅くなったと言うでしょうが、組合は要求書を提出し、その回答を待っていたのです。それ以上の文書を出す必要性も無かったと考えています。なぜなら文書を出さなくても事実、4名の雇止めが撤回されたわけですから。

3: 当事者と組合への謝罪

会社 先日も言ったが、謝罪はしません。
組合 謝罪はしないんですね。
会社 しません。

雇止めをしない以上、当該者たちには、苦痛を与えた事と通告の際に暴言を吐いたことには、会社は責任を取るべきであり、今回の問題を悪びれることなく簡単に雇止めを撤回し、それに対する謝罪も行わない態度は経営者としてあるまじき行為だと組合は考えます。

今回の団交で労担は「会社として譲歩した結果」と何度も団交で訴えてきました。これに対し組合は「譲歩とは思っていない。会社が正常になっただけ」と主張しました。社会的に間違っていることを指摘して、それを正したことを「譲歩」と言うのは、当該の4名に対してきわめて失礼な話で、それが本音であっても団交で発言すべき言葉では無いと組合は考えます。

労担は以前の団交で「今回の問題はベアや一時金のように回答するべき物では無い」と断言しています。しかし、今回の「譲歩」という言葉は、駆け引きを行って出た結果「歩み寄る」という態度であり、4名の生活を奪う恐怖を与えた会社が人権を無視し、ベアを100円上げるのと同じような扱いとしか考えていない事を物語っているのです。

そして労担は団交という場でありながら、執行部も絶句するとんでもない発言を行ってしまいます。

会社 資本主義なんてみんなを幸せにする制度ではない
組合 そんなに不幸になる制度でもないと思いますが・・・
会社 いや、会社は色々出してきます。だから組合が必要
組合 なら、4名の問題がこうなると分かっていて進めようとしたのか?
会社 スキルアップするためには仕方ない。人件費の工面もしなければならないし・・・
組合 その工面を労働者達に押しつけてばかりじゃないですか
会社 だったらそんなとこ入りなさんな、あんた達も
組合 はぁ!?あなたもそんな会社に入りなさんな。だいたいこんな会社にしているのはあなた達でしょう
会社 違います。私はちゃんとやっています

ちゃんとやっている会社に解雇問題が発生するでしょうか?もし仮にちゃんとしようとしていても、今向かっている方向は明らかに間違っています。スキルアップを目指すために、貴重な経験者を放出する会社がどこにあるのでしょうか?それを新卒などに切り替えてスキルアップは出来るのでしょうか?

やっぱり会社の向かおうとする方向は間違っています。何より、経営者たちにとって「そんなとこ」かもしれませんが、労働者は全身全霊をかけて働いている会社なんです。その苦労や努力を微塵も感じない経営者に何が分かると言うんですか?

そんな経営者に対して絶対に屈することなく、要求の全面解決を見るまで闘う意志を固めました。


専門職社員の存在を
もう一度考えよう!

我が社にとって専門職社員とは一体どういう存在なのでしょう?

社員と同じ仕事をして、同じような実力を持ち、独自でスキルを高め、会社に貢献してきた、社員と変わらない存在です。

変わっていることと言えば、会社の勝手な都合で、雇用形態を変えられているだけに過ぎません。

それにも関わらず、今回の様な問題が起これば、真っ先に解雇の対象となる存在に追いやられているのです。その責任は彼らにあるのでしょうか?

毎年契約の更新という手続きの中で、仕事の内容を見ずに人件費という大きな括りの中で、ただ単に調整の為だけの評価を突きつけられ、年俸も一方的に会社に決められ、それにもめげず一生懸命に自分の与えられた仕事を行ってきたのです。そこに社員との違いはないはずです。それどころか、社員より高いハードルを毎年越えてきたとさえ感じます。

皆さん、もう一度よく考えてください。一緒に仕事をしているときに、この人は社員で、この人は専門職社員とか感じたことがありますか?少なくとも書いている私は思ったことはありません。カメラマンはカメラマン。ディレクターはディレクター。美術は美術。編集は編集。ただそれだけです。その中にスキルの違いや感覚の違いは当然あるでしょうが、それも、社員だから優れている、専門職社員だから劣っているという判断にはならないはずです。

その線を引いているのは、現場で働く者ではなく会社なのです。

組合は考えます。これまでの制度がおかしいと会社が言うのであれば、その制度を変えるだけじゃなく、その制度に苦しめられた人間を救わなければ、問題は解決しません。そこに溝がある以上、今回のような問題は今後、専門職社員のみならず、社員にも及び、最後には会社崩壊を招くのです。

今、同じ仕事をしている仲間が、わずかな立場の違いだけで苦しんでいます。もう一度、専門職社員の立場をみんなで分かり合い、会社が間違っているという事を、勇気を出して訴えていかなければ、会社は変わらないのです。

会社の言うことが全てであるなら、組合は要りません。そこに疑問を抱き、間違いを正していく事が組合の使命です。今回の{解雇}問題を覆すことができたのも組合員の、特に専門職社員の結束力の賜物です。

ならば、社員と変わらぬ仕事をしている物達が、差別されて雇用されていることも大きな間違いなのです。

これを覆すことが、会社を正しい道へ導くことにもなるのです。



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