決議文
我々は、現状の会社経営に対して、疑問や不振を少しでも取り除くべく二○○○年五月に民放労連ケイ・ビー・シー映像労働組合(以下KBC映像労組)を結成しました。その背景には、従業員の多くの者が現在の会社において、道理の通らない人事や、人並みとは言えない労働条件に不安を抱いていたからです。そして何よりも「会社を良くしよう」と言う前向きな愛社精神の現れでもありました。結成後の団体交渉においても、社長から「良きパートナーとして考えている」と、我々の趣旨に賛同するコメントを聞き、組合結成は間違っていなかったと確信していました。
しかし、その後の会社の対応は何ら変化することなく、一方的な予算削減案の発令や賃金規則の改定など、従業員に大きな影響を与える政策を組合に相談もなく勝手に行ってきました。そこには、社長の発言した「良きパートナー」としての組合は実在しませんでした。
その上に、十月人事においては二名の組合員に対して組合員であることを理由に部長代理への昇進を見送ると言う、不当労働行為事件まで発生させました。また、その事件に関しての団体交渉の中では、組合員資格の決定という本来なら組合の内部事項である所にまで「支配介入」を行ってきました。この行動は明らかに組合の弱体化を狙ったとしか言いようがありません。
会社経営においても、無計画な予算設定によって生じた赤字収支の連続、それに対して経費削減でしか対応することができない経営手腕の無さは、会社の弱体化をも引き起こしているのです。会社が立ち向かって行かなければならない相手は組合や会社内部ではなく、ライバル会社が凌ぎを削って生き残りを賭けている企業社会なのです。我々は経営陣に対して、声を高くして言いたい「あなた方がいる会社は大企業でもなければ、代々続く老舗の看板を持っているわけでもないたかだか従業員百人にも満たない中小企業なのです。だからこそ、従業員一人一人が大切な財産なのです」と…
BSデジタル放送の開始や地上波デジタル化の問題など来るべき二十一世紀はプロダクションにとって厳しい時代への突入を意味しているのです。社長はある雑誌のインタビューに「厳しい時代かもしれないが、逆にビジネスチャンスである」と熱い思いを語られていましたが、そのビジネスチャンスを掴むも逃すもそれは従業員の努力に掛かっているものなのです。今こそ労使が一体となって立ち向かって行かねばならない時期にさしかかっているのです。
我々KBC映像労組は会社に対し、対等な立場での前向きな労使交渉を求めると共に、今回の不当労働行為に関する諸要求の受け入れを強く求めます。
右決議する。
二〇〇〇年十一月十三日
民放労連ケイ・ビー・シー映像労働組合
第一回臨時大会
株式会社 ケイ・ビー・シー映像
代表取締役社長 石出 英明 殿 |