KBC映像労働組合ニュース・2001年6月29日 第48号
・またもやゼロ回答
経営者は
指針を明確にせよ!
「良きパートナーとして・・・」
この言葉は組合が出来て最初の団交の時に聞いた言葉。
何の愛情も感じられない、単に執行部相手に吐き出された言葉でしか無かったのだろうか?
あれから一年が経ちました。
いまやそのようなセリフも聞けなくなり、耳にするのは“金”のこと、“自粛”のことばかり。
そして空構想の上に立つあの名言「ローコスト・ハイクオリティー」だ。
僕らは初めて「良きパートナー〜」を耳にしたとき、会社は組合の存在と組合が出来た背景を意識して、今までとは違った会社運営を図るのではないかと細やかながらも期待したところもありました。(自分だけだったのかな?)
でも結局は、経営能力の無さを露呈してしまう“人”を大切にしない、短絡的な金銭自粛に留まってしまいました。そして累積赤字は解消できず。そのツケは従業員の総意工夫に期待されちゃいました。
結局、これ以上私たちにどうしてほしいのですか?どう切りつめろというのですか?
教えてくださいよ社長!!!
もっとKBC映像の今後につながる団交をしましょうよ。
以前お教えしようとした「東京商工リサーチ」をお復習いとして掲載しておきます。社長として君臨したいのなら、よーく観てくださいね。
赤字会社の実体(この点に気をつけよう)−黒字会社になるために
東京商工リサーチ 情報事業統括本部・情報部長 黒田緑郎
(THE STRATEGIC MANAGER 平成11年7月号)
「黒字転換したいのなら、つまらぬプライドを捨てよ」
赤字経営脱出のための3つの心得
1.社内のルールを明確にし、社員間のわだかまりを解消する
2.ボトムアップのシステムを作り、市場の声を吸い上げる
3.独自の「強み」を作り、競争力を付ける
いまの時代、経営不振・赤字へと落ち込んだ企業が復活するには、大変なエネルギーが必要だ。とくに、本業の競争力がなくなり、営業損益段階で赤字となっている企業はなおさらである。
赤字から脱出できない企業を観察すると、共通する部分が見えてくる。大雑把に言うと、業態に「強味」がないのだ。
大手に見かける失敗の典型的な例はこうだ。
まず本業の売上が競争激化で落ち込む。これではいけない、と慌てて違う分野に進出し、穴埋めを試みる。しかし、手っ取り早く参入できる商売を選んだために、他社との競合に埋没して失敗---
メーンバンクとお得意先(固定客)に支えられて、景気の流れに身を委ねていると、自ら考える力を失ってしまう。これまでは本業が不振になっても、景気循環を信じていられたし、メーンバンクも支えてくれた。また、人と人とのつながりによってお得意先は保証され、躍起になって市場の声を吸い上げる必要もなかった。
ところが今回の不況はそんな甘っちょろいものでないことは明らか。さすがに経営者たちも本業を見切って他の業態への転換を進めたりもするが、いかんせん付焼刃である。すでに成熟した市場に、誰でもが思いつく商品を投入するのがせいぜい。それでは成功するはずもない。
不況でも元気な企業は常に、全エネルギーの三割くらいを新規顧客の獲得に振り向けているもの。
「赤字たる由縁」は社内体制にあり
基本的には、赤字になる前に対策を講じるのが企業経営の常道。が、不測にも赤字になってしまった企業経営者にまず考えて欲しいのは社内体制である。社内体制こそが、その企業の「赤字たる由縁」を雄弁に語っている場合が多い。
業績の悪い中小企業の社員は、大抵は不平不満の固まりである。一生懸命やっていても、売れないと叩かれ、もっと成績を上げろとせっつかれる。しかし、競争力のない商品が営業マンの力だけで売れるほど、甘い世の中ではない。取扱い商品の強みを創出するのはトップマネージメントの仕事なのに、経営者はその努力をしないで、社員の無能を罵るのだ。
社員の間に不満やわだかまりがあると、会社全体のパワーが出てこない。社員は余計なことをして怒られるのを避けるため、言われたことを最小限にしかやらない。
「業績の悪い企業は、圧倒的に指示待ち社員が多い」というのが私の実感だ。そのため、市場が求めているものが末端から社長へと伝わっていかない。トップダウンだけでボトムアップがないのだ。
そんな企業が業績を上向かせたいと思うなら、まず就業規則や社是をきっちりと作って公開し、社内のルールも明確にして社員菅のわだかまりを少しでも取り除くことから手を付ける必要があるだろう。
社員に対して責任、地位、身分保証などが明確にされることによって、社員の疑心暗鬼は減り、働きがいも出てくる。それからもちろん社外にも情報を開示する。資金調達のための増資をするにも情報開示が必要だからだ。
その結果、一気に風通しが良くなり、市場が求めている声がトップマネージメントに伝わるようになる。いま成長している企業を調査すると、ほぼ例外なく「本音で話し合える雰囲気」がある。つまり風通しの良い社内体制を作り上げているのだ。
赤字に落ち込むとどうしても余裕がなくなる。資金繰りで手一杯で新規事業どころではないのもわかる。しかし、そんな状況からは何も生まれないのも確かだ。経営者は「俺の会社だ」という自覚を持ち社内体制を見直し、一枚岩で効率の上がる体制作りに邁進する必要があるだろう。
その体制から吸い上げられた市場ニーズを咀嚼し、競争力のある商品開発へ結びつける努力をすることが、赤字体質脱却への経営者の責務なのである。
本日、組合大会です
先日からお知らせしていた、第4回KBC映像臨時組合大会を行います。
春闘に関することや、賃金未払い問題など重要な話し合いですので、組合員は必ず参加してください。
どうしても参加できない方は委任状を提出してください。委任状は執行委員または代議員が持っています。
6月29日(金)19時から
KBC会館4階6号会議室
某組合員が運転免許更新に行ったらしい。
そこで小冊子をもらったのだと。
タイトルは
「遅すぎた反省」
〜免許取消処分者からのメッセージ〜
内容は当たり前のことばっかり。
しかしその当たり前のことができないんだな。
うちの会社もそうならないようにここで
ちゃんと軌道修正しないと・・・
第20回民放労連制作技術研修会 参加報告
6月16日(土) |
テレビ東京天王洲スタジオ(品川区)集合〜
テレ朝・長谷川格氏の講演〜各セクション研修〜各班打ち合わせ |
6月17日(日) |
各班毎に15分番組制作実習〜講評〜懇親会 |
6月18日(月) |
在京局見学(希望者のみ・1局指定)〜帰途 |
初めて研修会に参加させていただきました。カメラ・VE・音声・照明と4つの選択肢があり、カメラが勉強になって面白いと聞いていたのですが、今回はVEとしての基礎的なスキルアップを目指してみることにしました。
今回の研修先のテレビ東京天王洲スタジオは、先々の放送界のHD化を見据えて1999年に作られたスタジオです。2つのスタジオ設備があり、基本的にHDで制作できるようにシステムが作られていました。地上波OA分はSDにダウンコンバートして使用する形態です。
この日、全国各地から集まった研修生は総勢21名。3班に分かれて番組制作実習を行うのですが、その前に座学ということで、ディレクター歴30余年、テレビ朝日の長谷川格さんによる「制作側から見た制作技術」というテーマでの講演がありました。
まず『最近の傾向として、制作者が持つそれぞれの「番組作りに対する思い」というところから「視聴者のご意見第一主義」になってきている。放送人は世論に過剰に動かされることのない姿勢をつらぬくのも大事ではないか、制作者自らの思いを第一に考えることが必要ではないか』・・という、阪神大震災報道の際の、長谷川氏自らの経験に基づいたお話がありました。
また『昔の技術スタッフは職人気質で怖いひとが多かったのに、最近は技術スタッフも外注化してしまい、社員ディレクターとの意見対立を避けるせいか遠慮がちになってやさしくなってしまった。しかしそれはディレクターを甘やかす原因になっている。一緒にモノを作る上での対峙は大事なことで、そういう意味では制作と技術のセッションをどんどんやってほしい。もちろんお互いの人間性の理解があってこその自己主張であってほしい』というお話もありました。その他にも「なるほど!」とうなずかせられる興味深い話が多く、ためになる講演でした。
その後、それぞれのセクションごとにミーティングがありました。VE研修生は琉球放送労組とサンテレビ労組と私の3名でしたが、3者それぞれにVE業務のキャリアや研修を受けたいポイントが違っていたので、その中でどのように研修を進めるのがベストなのか、担当のテレビ東京のVEさんは手探りの様子でした。
ミーティングのあとに1・2スタとそれぞれのサブの見学に行き、シンプルなレイアウトとゆとりと機能性に感動しました。こういう作りだったら便利だな、と参考になる点が多く、勉強になりました。この日の1スタでは「開運!なんでも鑑定団」の収録が行われていました。印象的だったのは、現場音に集中し、それ以外は時折笑い声が飛ぶ程度で余計な指示語もなく、静かに収録が進んでいる様子でした。それぞれのセクションのスタッフが寡黙に、しかも的確に仕事を進めている姿こそ、本来のプロの仕事だと思いました。見習わなくてはいけないなと思いました。
1サブは前述の通り収録が行われていたため、2サブでVE研修がスタートしたのですが、当然ですがいつも使い慣れている設備と勝手が違うためとまどいました。今回のVE研修のメインとも言えるカメラの調整方法や設定レベルの着目ポイントは、いつもやっているそれとかなりの開きがあり、こまごまとメモを取りながら研修を受けました。今後のオペレーションに役立てようと思います。各セクションとも熱の入った研修で、1日目は予定時間をかなりオーバーして終了しました。
2日目は早朝より集合し、15分番組の収録実習を行いました。歌あり新聞紙面ありトークありの構成で、カメラ担当は音素材を聞きながらカット割りを真剣に見つめ、VE担当は限られた時間でカメラ調整を行いました。ドライ・リハーサル・収録を3班分繰り返し、キー各局からの各セクションの講師陣による模範番組収録もあり、最後に研修生と講師陣みんなで、各班ごとに収録された素材を見ながら酷評会(!)があり、自分の班の番組が収録されているVHSテープを頂き、2日間のスタジオ研修を終えました。
3日目は自由参加の在京局見学ツアーでした。当初の予定を変更させていただき、お台場のフジテレビに行きましたが、キー局らしい巨大な設備に圧倒させられっぱなしでした。また、朝番組の「めざましテレビ」のセットはパーマネントでしたが、よく見ると遠近法をうまく利用して設計されているようで、コンパクトなのに奥行き感が出るようにうまく作られていました。
系列を越えた同志が集い、研修を受けるのは、新たな出会いや新技術の発見があり、いい勉強になりました。
次回はぜひ皆さんも参加してみてください。私もまた機会があれば参加させていただきたいです。
お世話になった皆さん、ありがとうございました。
(KBC制作技術部派遣 大森健壱)

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