KBC映像労働組合ニュース・2004年4月5日 第236号
行き詰まるKBC派遣の実態
4月1日の新聞では、ベアと専門職社員問題についてお伝えしましたが、今日は前号でお伝えできなかった部分についてお伝えします。(回答書は1日の新聞に掲載)
派遣について
組合 |
派遣についてだが、派遣料が上がった人もいるが、減ったところもあるのでプラスマイナスゼロになるのでしたよね。
(注)3月まで派遣があった放送進行部は、週に一度応援があったため、派遣料は『1.2名』分でした。ここの派遣が今年度からなくなり(会社の表現では「辞めた」そうです)、テレビ編成部に『1名』派遣が増えたため『0.2名』分派遣料が減りました。この金額と、派遣料が上がった金額が相殺されるため、会社としての派遣収入の総額は昨年度と同じになってます。 |
会社 |
そうです。 |
組合 |
それならば、(昨年は122%伸びたが)今年の利益は、定昇で上がる分と年俸が上がった分で減るのですね。 |
会社 |
そうなります。 |
組合 |
時間外は、実費だから関係ないと。 |
会社 |
それは違います。時間外管理費で、派遣料の3分の2を基本給と考えて算出している。去年はそれで助かった。 |
組合 |
ならば、時間外についても今年は利益が減りますよね。 |
会社 |
そうなります。業務委託にしろ、派遣にしろ、これまでは証拠が残ってない。見積もりすらない。こちらで、定価表を作って「今年は値引きですよ」とした。これで少なくとも去年は値引きでしたという証拠にはなる。「これからはそうしよう」と部長たちと相談して出しています。 |
組合 |
派遣にはデスク業務までやっている人間もいる。この部分をどう取っていくのか。 |
会社 |
やっています。デスク業務はプラス10万としています。しかしKBCからは「かんべんしてくれ」といわれる。KBCの内部監査が去年あって、うちに有利な部分もあったが、10月・11月に交渉しないと。2月にやっても「予算はもう決まった」と言われてしまう。 |
会社はこのように「努力はしている」という姿勢を強調しました。しかしこの日の団交の中では「派遣はもうあがらない。やり方を考えないと」と発言しています。また以前の団交では「年齢が上がって赤字になりかけている社員を引き上げたい」「派遣料が上がった専門職社員は年俸を上げます。」と発言しています。
これらを総合すると「派遣職場は人件費が安い有期雇用者を増やしたい。」ということであり、「派遣料が上がらなければ有期雇用者の年俸も上げない」という解釈も成り立ちます。スキルアップを個人に押し付けて当然という発言をしておきながら、このような発言を行うことは「毎年同じ賃金でも、毎年努力する人しかいりません。」と言っていることであり、労働者の努力に報いない会社は、断固として抗議していくべきです。
夏期一時金の回答は・・・
夏期一時金について
一時金については団交の最後に会社のほうから話をはじめました。
会社 |
一時金は、いつ頃の支給でと思っていますか。 |
組合 |
7月にローンを組んでいる人も多いので、そこまでには、とは思うが。 |
会社 |
じゃあ、回答はどのくらいに |
組合 |
回答は出せるなら早く出してほしい。「支給日が」ではない。納得いくまで話し合えばいいこと。いい回答がでるなら妥結の時期は関係ない。 |
会社の言い方は「時間切れ調印を前提に回答を出す。」「回答は準備できているがタイミングを計っている。」と言っているような印象がもたれました。これは労使協議の大切さを軽視した発言と組合は考えます。
さらに、昨年度は純利益が600万円近く出た、我が社において近年まれにみる黒字を記録しています。この事も踏まえ、会社は労使で十分な協議を行うためにも、回答は一日でも早く行うべきです。全て現場の労働者の血と汗の結晶なのですから・・・
問題山積歪んだ雇用形態・・・
アルバイトについて
組合 |
アルバイトについてだが、年間契約でやっているのか。 |
会社 |
(不定期の人は別で)そうです。契約書を交わしている人は社会保険も入っています。時間外手当も年休も法律通りにやっています。 |
組合 |
アルバイトについては3年までですよね。 |
会社 |
そうです。ただ(年度の)途中で入ってくる人もいるので、そういう人は3年経過後の3月31日までで統一しています。これは「そこが変わりました」と強調して説明しています。 |
組合 |
4月から3年目にはいる人は「次回更新を行わない」と契約書に書いてあるのか? |
会社 |
はい、書いてあります。 |
アルバイトに対しての組合の要求「軽度な補助作業」という所に関して会社は「そのような方
向で」と改善を行う意志を見せていますが、現場はそれ以上の仕事を現在も要求しています。
これは、人員が切迫している証拠であり、アルバイトに対しても責任ある仕事をさせてきた事
実があります。そこを置き去りにして、3年間の雇用というだけで技術をおぼえた労働者を
切ってしまうのは我が社にとっても損出です。今後は制度の見直しと抜本的な人員配置の見直しを求めていきます。
疑問が残る昇進人事の基準・・・
昇進人事について
4月1日昇進人事では、組合執行部の昇進について疑問を投げてみました。
組合 |
今回の昇進人事に関してだがあまりにもおかしい。書記長は編集部門のチーフになる。管理する職につく人がなぜされていないのか。 |
会社 |
今年は必要最低限が考え方。部長は大体たくさん出す。 |
組合 |
昇進させる人数は決まっていたのか。 |
会社 |
人数ありきです。部内のことは私は知らなかった。 |
組合 |
知らなかったにしても、編集長になるのに主任でないのはおかしいと思わないのか。再調査しないのはおかしい。 |
会社 |
・・・・・・・。 |
組合 |
会社全体で組織的におかしいとおもわないのか。指導とかで責任も出てくるのに。 |
会社 |
・・・・・・・。 |
組合 |
副委員長についても同じでしょう。MAを一人で完成までやって、運用して。仕事もくるようになって。労担は全部見てきたでしょ。一人できりもりしてますよ。 |
会社 |
・・・・・・・。 |
組合 |
とにかく今回はおかしい。編集長につけるというのに。 |
会社 |
「以前はこっちにいたし、こっちの仕事もできるんじゃないですか。」と聞いていた。編集長なのに主任じゃないといけないんですか。 |
組合 |
主任の役職ってなんですか。 |
会社 |
(新しい)人事評定制度の中で提案されている。まだ作成中なので私は「今年は上げられないんじゃない」と言った。しかしどうしても必要と言うことで、最低限になった。これまではある意味曖昧。だから一年かけて作った。とりあえずできたが、まだ役員会を通っていない。 |
組合 |
昇進人事はどのような流れで行うのか。 |
会社 |
部長からは、多めにあがってくる。これは毎年のことです。それで役員会から各部長にそうだんして「もう一度検討を」と言うし、役員会から「この人はちょっと」という場合もある。 |
組合 |
組織図見てください。各部の長には、部長代理なり副部長なりついているでしょ。 |
会社 |
主任にする問題で、問題にしたことはありません。 |
組合 |
私が制作部の組織図を見せられたのは、昇進人事の発表より前ですよ。 |
会社 |
・・・・・・。 |
組合 |
組合攻撃と考えることもできる。 |
会社 |
組合攻撃という気持ちは全くありません。 |
組合 |
今回はとにかくおかしい。再調査をしてください。 |
今回は、部長の上申があったのかについてはあえて聞きませんでした。しかし、この日の団
交で労担は何度も沈黙するなど、普段とは明らかに違った反応を示しました。
この問題は、書記長個人の問題では無く、将来的な組合組織の運営にかかわる大きな問題と考え、役職のあり方、その責任と権利、それに見合う報酬など、まだ明らかでない「評定」という曖昧な会社の判断基準を明確なモノとするため、追及していきます。
復活!長浜電影隊長です。
いやぁ〜ご無沙汰しております。長浜電影隊長です。本当に久々(2年ぶり?)の登場で、何から書こうかと迷っております。しばらくいない間に、新しい組合員の方も増えましたので「組合」とはという事から書いてみましょうか・・・
そもそも、組合は労働者の権利を守るために法律で守られている団体です。中学生の時に必死で覚えたでしょう労働三権!!
「団結権」「団体交渉権」「団体行動権(争議権)」を行使できる権利を労働者に与える物なのです。じゃあ何でこんな物が憲法で保護されているのでしょうか?
それは、労働者が経営者よりもヒジョーに弱い立場であるからです。賃金の決定をはじめ、労働時間や労働条件を経営者が勝手に決めることが出来たら、それこそ地獄のような毎日が皆さんを待っていることでしょう。そういう事態を防ぐために労働者が団結して、会社と交渉をする権利を保障しているのです。
では、どのように守られているのでしょうか?例えば賃金や労働条件などを会社が一方的に切り下げて来たとしましょう。当然、組合は交渉を行い、やめさせるように働きかけます。しかし、それでもやめようとしない場合いくつかの手段で会社に指導をしてくれる機関があります。
1,労働基準監督署(労基署)
就業規則や賃金規定など主に労働基準法に基づく指導を行う機関で、最近で
は特に時間外未払いや定昇凍結など賃金に関わるところに、重点的に指導を
行っていて、2年前の西日本映像の定昇凍結問題の時には、労基署の指導が
入り、支払いが行われました。ちなみにKBC映像の時間外8時間を代休1
日とした時も労基署の指導を受けての苦肉の策だったのです。
2,地方労働委員会(地労委)
労働組合法に基づく指導、審判を行う機関で、労働組合と会社の紛争解決を
促す役割を持ちます。委員会のメンバーは使用者代表・労働者代表・公益代
表の3代表から構成されていて、社会通念上公正である判断を下します。形
式は裁判に似ていて、問題の真意を会社側・労働者側に審問等を行い解決へ
導きます。
3,職業安定所(ハローワーク)
実は職安は職業を斡旋するだけの機関ではないのです。主に職安法に基づく
指導などを行う機関で、最近では派遣の問題や有期雇用の問題などを多く
扱っています。
このように労働者を守るために、様々な関係機関が存在しています。しかし、まず労働者自らが会社と話し合う機会として認められた「組合」をちゃんと理解した上で労使が納得できる労働環境を作っていくこと、そこに強要や癒着が存在しないこと、それが憲法の精神なのです。
安定した雇用を勝ち取ることが
私たちの会社を守ることにつながる
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