第四期創造期

全てを語りし者。
言葉をもって力と成せ。
汝の使命は、言葉を伝える事である。
自由なる者に、自由の目を持たせる事である。

死の無き者。
全てを眺め、真を伝えよ。
汝の使命は、我が目となることである。
自由なる者に、節目を与える事である。

心優しき者。
光を以って、全てを導け。
汝の使命は、見極める事である。
自由なる者を、陰より導け。

ここは通過点に過ぎない。
アルカイよ、罪人よ、我が写し身よ。
汝らの使命は、我が問いに答える事である。


 第四期創造期は、これまでの創造期と異なりかなり特殊な創造期である。 これまでの罪を意識した物に比べ、アーの自己嫌悪を伺う事ができる。 いわば、救済を与えるための下準備である。使命と書いてあるが、 実際に救済の使命を与えられた者はステラ一人である。 フィニスファンタスマの両名は、 アーの失敗を学ぶために、自らの意思で地上へと降りた。

 アーの計画からすれば、 この第四時創造期は所詮通過点に過ぎない。アルカイの本来の使命。すなわち、 自由なる意志をもってアーの悩みを解決する糸口となる事は、 アーの手を離れる事により、初めて成立する物である。第四期創造期は、 その自由たる意志をより確固たる物にすることが主な目的である。

 使徒ステラは、より確かな結果を得るために作られた存在であり、 ステラ自体が象徴する物は何も無い。 世界を導く道しるべとなり、そのために、星を与えられた。その存在自体は、判らぬ物にはただ美しい物でしかないが、 分析する能力に長けた者は、その存在からありとあらゆる現象を導き出すであろう。 そのありとあらゆる存在を総括する者がステラである。

 死の無き者。すなわちフィニスである。 その使命は、アーに変わりその永遠の魂を持って人を導く事である。 他の全ての使徒が罪、或いは罰と何らかの関わりがあるのに対し、 唯一アーのみと直接関係を持つ使徒である。 故に、フィニスに選ばれる者は、歴史の表舞台には立たず、 裏方にも入らず微妙な立場より忘れ去られる存在になる。 すなわち。舞台裏から全てを操り、自らを影に葬るのである。

 ファンタスマは第四期の中でも、使徒の中でも最も特別な存在である。 その使命は、アーを糾弾する事にある。 彼女はアー自身の戒めでもある。 その彼女が地上に降臨した理由は2つ。一つは、アー自身の行いを知るため。 もう一つは、地上に生きる物に「神を非難する術」を与えるためである。

 第四期創造期は特別な創造期である。その創造の中には特に神の目的が見え隠れする。 アーの目的の為にかなり直接に作られた感はある。 自由たる物をより確固たる自由にするために。 神の業を、自力で受け継がせるために。