Book Review 3

いぜんの ブックレビューです、

 


大人のための残酷物語
by倉橋由美子
新潮文庫
¥200-で購入(定価¥476)

「童話は心理描写をしない、夢も現実も、神も人も、生も死も境が曖昧だ、時空を超越して登場人物たちは変身を繰り返す(解説より)
以前、倉橋由美子の「スミヤキストQの冒険」読んで、なんじゃこりゃ!と思ったことがありました、でもこの本を読んでやっと理解できたような気が‥‥。
人間の無邪気の中に潜む残酷、因果応報自業自得の持つシンプルさ、作者の持つ毒の部分とよくシンクロしてませんか?」 byかずひこ


ゴルゴンー幻獣夜話ー
byタニス・リー
ハヤカワ文庫
¥300-で購入(定価¥640

「幻の生き物をモチーフにした短編集です、ファンタジー風からSF的味わいのものまでいろいろだけど‥‥苦いです。後味のにがい短編集です、途中までは”つまらん”と思っていても、どの話も最後にはちゃんと苦い味わいの落ちがあるから、苦くなりたい人はぜひどうぞ。一日一苦で11日これはお得?」BYかずひこ



ケルト妖精物語
by W・B・イエイツ(井村君江訳)
ちくま文庫
¥200-で購入(定価¥620
「キリスト教の教化にも負けずに生き残ったアイルランドの民間伝承集です。キリスト教の侵略にかかると土着の宗教て確実に駆逐されちゃうはずなのに、生き残ってるんですね〜。
作者の偉大な詩人イエイツの功績はこの民間伝承を集めて文学的価値を見いだし、体系的に整理したッてことでしょうかね。
さて中身はというと、バンシーやレプラホーンなど、RPGでおなじみの妖精たちのお話集、RPGが一層面白くなること確実。」  byかずひこ


リビエラを撃て(上・下)
by高村薫
新潮文庫
セット¥600-で購入(定価上下計¥1181)

「もう”高村薫”って名前だけで安心して読めちまいね、すっかりメジャーブランド化してるんだけど、この本は初期の評価を決定付けた一発です。
MI5(対テロ・内務=米国ならFBI)とMI6(海外諜報・外務=米国ならCIA)それとCIAのパワーゲームのまっただ中に放り込まれた警視庁外事課の公務員”手島”と、それら国際組織のお尋ね者で古巣のIRAからも追求される”モーガン”の人生は、各々のルーツを探すなかで二人の行動がほんのちょっと交差することで、事態を大きくして行くのだけど‥‥。 きっちり書込まれた人物像にただひきずりまわされるだけっす、は〜快感。」  BYかずひこ


シンプルプラン
byスコットスミス
扶桑社ミステリー
¥350-で購入(定価¥720)

「ハンクのように、誰にも知られず、誰にも迷惑のかからない大金が目の前に有ったらどうします?彼はシンプルな計画を立てました、ただ持って帰って隠しておくだけ。 だが仲間に対する不信感とわがままのために、すこしづつ言い訳をしながら方向修正をくり返すうちに、やがて悪夢のようなできごとが‥‥
これって結構有るよね、ちょっとだけスピード違反とか、ちょっとだけ欲張って割り込んでみるとか、でもその積み重ねって考えてみたこと有る?」   BYかずひこ


五霊闘士オーキ伝

殺しの儀式
byヴァル・マクダーミド(森沢麻里訳)
集英社文庫
¥400-で購入(定価¥860)

「ケッコウGOODですねー。拷問の痕跡の有る死体が発見された、そしてまた同じような死体が‥‥アーティスティックでサイコな犯人に挑む心理分析官トニーと女性警部補キャリー、この二人の関係の展開も面白いですな。ただし!サイコな犯人がサイコな犯罪をするのは普通です、なんにもびっくりするようなことじゃ有りません、そういう犯人像や心理分析官、コンピューターなんか使う捜査方法VSトラデショナルな肉体派刑事部長3との確執、登場人物のトラウマなどなど、道具立てだけ見ると有りがち〜ってかんじ?でもプロット自体や人間関係の有機的な絡まり方はなかなかです、っていうか唯一本線に絡まって無いように見えるやつが犯人だ!」  BYかずひこ

 

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