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vol.15

<雨の木の下で>

ポストマン 2000.3.24   関 富士子

(「今夜のおかず」2000.2.14を改稿)紙版「rain tree」 no.15 2000.2.25発行に掲載)

 仕事の原稿を宅配便で出すつもりで酒屋まで行って、うっかり封筒を店先のポストにすとんと入れてしまった。あっと思ったが後の祭り。ううん、いつものことだがドジなわたし。ところが、しばらく待つうちにやって来たポストマン、いちど投函された郵便物を渡すわけにはいかないのだと言う。無造作に大きな収集袋に放り込んでしまった。いずれ料金不足で戻ってくるだろうが、明日が締め切りの仕事なので何としても取り戻さなければならない。本局で身元を確認すれば返してくれるというので、自転車をこいで本局へ。そこで切手を貼って速達で出してきた。やれやれ。たしかに、ポストに入れた人物と今それを返せと言っている人物が同一とはかぎらないのだから、ポストマンの言うのももっともだ。でも以前にはこんなこともあった。

 最終収集時刻の五時十五分ぎりぎりにポストに駆けつけると、郵便車がちょうど来ている。やれ間に合ったと喜んで、お願いしますと差し出すと、ポストに投函した郵便物でなければ受け取れないという。ここは今収集を済ませて鍵をかけたので次の収集は明日になるというのだ。
 こちらも明日まで届かなければ困る。次の仕事がつかえているから会社へ持参する余裕はない。宅配便は四時で終わってしまったから、速達郵便で送ろうとしているのである。この場合は本人が切手を貼った郵便物を持って目の前にいるのだから、受け取ってくれてもよさそうなものである。

 しかし彼は頑として願いを聞いてくれない。とっさに次に収集するポストはどこですかと尋ねた。今から行ってそのポストに投函するから収集してください言って、彼がぽかんとしている間に自転車に飛び乗っだ。すると後ろから郵便車がやってくる。負けてはならじと必死でペダルをこぐが、併走もむなしく抜かれて行ってしまった。何て奴だ、と思ったのは向こうのほうだろうか。坂道のカーブを猛スピードで下るとホンダの前のポストが見える。ポストマンは今しもポストの裏のドアを開いているところだ。
 自転車を降り倒してポストにすがりつき、その口に大事な原稿を放り込んだ。ぎりぎりセーフ。彼はあきれたように郵便物を拾い上げて、ようやく収集袋に収めたのであった。




詩の交流ってなあに 第1回埼玉詩の交流会  2000.3.2 関 富士子

参加する

 行ってきました。埼玉は桶川のさいたま文学館。2000年2月20日はなんとなく好きな数字が並んでいる。雨模様で寒い朝だったが、10時に出て12時につきました。大宮からの乗り継ぎの高崎線がやや本数が少ない。ローカルな電車で埼玉だなあという感じ。桶川駅から5分ほどでホール風のきれいな建物がある。円形で外周は囲い廊下になっている。その一角ががやがやしていて、受付がにぎわっている。講座室はちょっとした学校の教室ぐらいの広さで、そこに机がびっしり。人もいっぱい。驚いた。

 と"gui"で申し込んだので参加料が3000円だという。高いなと思ったがでもその分がんばって売ろうと思い、指定の席に行くと、長テーブルの3分の1のスペースしかない。2誌で参加ならスペースも2誌分あってよさそうなものだ。忙しそうな受付で尋ねてもとりあってもらえない。参加詩誌が多すぎてぎゅうづめ状態らしい。狭いなら仕方がないが、2誌分の参加料を払うのはふに落ちない。主催の阿蘇豊さんに話して、1誌分1500円を返してもらった。というわけでなんとか席に落ち着く。

 品物を広げて店開きをしている間に連絡事項を聞き、主催の埼玉詩人会の方々の挨拶を聞く。その合間に右や左の方たちにの最新号を配って挨拶する。すぐ前の席に先田督裕さんと松島雅子さんがいるので手を振る。お客が入らないうちにということで、順に参加詩誌の自己紹介が始まる。手短にといわれても皆さんそうもいかずに、開会時間の1時を過ぎてしまった。遅刻してくる出展者も結構いて、もうお客さんが入り口にひしめいている。司会の阿蘇豊→さんは気が気ではなさそうだが、自己紹介は15分ほど食い込んでようやく終わった。詩人会の会長や理事長やだれだれやなどの挨拶もある程度しかたがないのだが、もうすこしあっさり話を切り上げてくれる方がおしゃれだと思う。

詩を売る

 わたしは詩のばら売りします! 一部特価60円、と宣言した。交流会といってもたぶん詩誌どうしの交換が中心になるだろうとは思ったが、売らなければ来た意味がないと思ったからである。ところがとなりの人ははい、どうぞ、ただです、と言ってどんどん配っている。1時間もしないうちに手持ちがなくなってしまった。「やりにくいなあ」と言ったら、「いや、売ると言うのは偉いよ」というお返事だった。と言うわけで隣の席が空いたので詩誌や詩集を広げておかせてもらった。A3判1枚の紙1枚だから、ばら売りという感じはぴったりである。でもバックナンバーもそろえて、リボンで結んでまとめて買えるようにもした。ポエケットの要領で前を通る人に「いらっしゃいませ」と呼びかけた。バックナンバーや執筆者の一覧をプリントしたチラシを配った。手にとって見られるように、A3判を折りたたんだ詩誌を広げておいた。立ち止まって眺めてくれる人にはそれとなく声をかけた。

「こんなんじゃ買わないよ、もっとちゃんとした詩集をおかなきゃ、」という方もいた。ううむ、確かにお金のかかった他のりっぱな詩誌や詩集にくらべると、はみすぼらしい。でも、50代とおぼしき女性の方、「個人誌に興味があるの、好きなようにやれてとてもいいわね、」と声をかけてくださる。「そうなんです、身の丈に合った発行の仕方ができてとても楽しいですよ」とお返事する。「バックナンバーもあるのね。あなたが一番お勧めの詩が載っているのはどれ?」 と尋ねられて絶句する。「うーん、どれでしょう、この号には小池昌代さんの詩が載っていますよ、」と、思わず有名詩人の名前を持ち出す。「あら、わたし詩人の名前は知らないからそう言われてもね、あなたの詩でいいのを教えて。」うーん、この方は只者ではない、困惑して「自分ではどれって言えないんですけど」としどろもどろ。最後には「全部いいです」などと言って笑われてしまった。そんな感じで少しずつ売れて小銭が溜まっていく。
 

人と話す

 テーブルは二重三重に並んでいて、お客はそこをぐるぐるまわって見ている。少し落ち着いたところで、向かいの「布」の席で先田督裕さんの詩集『空のある東京』を見せてもらう。活字が大きくて読みやすい。知り合いの出版社で50万で作ったという。ひとしきり、ネットの掲示板をにぎわせた詩集自費出版100万円問題に話が及ぶ。ネットの詩のページに気に入ったら10円という投げ銭システムのことなど、話していると、HP「八坂周平堂一座」の座長有井泉さんが大阪からいらした。「東京に仕事があるもんですから」という言葉を「東京に女がいるもんですから」と聞き違えたのは、連れが背の高いほっそりした美女だったからか。いえいえ、ごめんなさい。工藤静香似の女性は海埜今日子さんという詩人の方でした。「詩学」で投稿作品合評をご一緒している宮地智子さんも来てくださった。彼女は体調をくずして手術などもあり、詩学社に出かけての合評は休んでいるが、春ぐらいには復帰できそうかもしれない。宮地さん、お待ちしています。
 ネットの若い詩人たちでは、角平哲平さんが出展参加してくれたし、沢田英輔さんも来てくれていた。遠いところをありがとう。今度は君たちが主催して、若さいっぱいのマーケットを繰り広げてほしいな。いくらでも協力します。

詩人を見る

 そうこうするうち、隣の部屋で八木忠栄→さんのお話が始まる。店は担当の方に任せて出展者もぞろぞろと隣へ。 八木さんは、思潮社の社員時代に詩人たちの8ミリフイルムを撮っていて、それをビデオで見せてくれた。1970年代の懐かしい詩人たちの顔が次々に現れる。当時は8ミリも珍しい時代で、皆撮られるということに慣れていない。カメラの前でただはにかんでいる人、ふざけてポーズをとる人、なにかぼそぼそ言っている人。声は聞こえないから、ひとりひとりに八木さんのこれはどこそこで呑んだときなどと楽しい解説が付く。彼らはみなわたしが詩を書き始めたころに、第一線で活躍していて、あこがれの詩人たちだった。田舎から東京に出てきて、中原中也しか知らない女の子が始めて現代詩というものに触れたのである。

 八木さんは現代詩手帖の有名編集者で、今のように優しい人だと思わなかった。ネットで活躍中の清水哲男や鈴木志郎康さんはもちろん、駅の階段を駆け上がる若若しい谷川俊太郎、笑ってばかりいる伊藤比呂美、若いのにパイプをくわえている渡辺武信、黒ソフトを被った鮎川信夫、吉岡実のぎろぎろした目玉、かっこいい吉増剛造、自宅で天ぷらを揚げる白石かずこ、タバコをふかす富岡多恵子と池田満寿夫、平出隆の少年のような笑顔、交差点の前でパーカーを着込む北村太郎、チャーミングな山口真理子、シブイ正津勉、先ごろなくなった辻征夫と二人のお嬢さん、にこにこしている中上哲夫に顔のでかい淵上熊太郎、他にも荒川洋治、黒田喜夫、まだまだたくさん。これは八木忠栄さんだからこそ集めることのできたポートレートだろう。

 もう一本は80年代初めか。「退職詩人の生活」だっけ。八木さんが思潮社を退職したときの話らしい。忌野清志郎の歌をバックに八木さんはえんえんとひたすらラジオ体操をするだけ。次々に詩人たちの写真が現れてふきだしにいろいろなせりふがついているコラージュ作品。鮎川信夫や田村隆一、西脇順三郎など。昔の人って顔が立派だったのね。  それにしても、すでになくなった人も多い。今20代で詩を書いている人たちは、これらの戦後詩人たちをどのぐらい読んでいるのだろうか。きいてみたいようなきくのが怖いような。

詩を聴く

 少し時間をおいて詩の朗読が始まる。ナルシシズムを見せ付けられたようなちょっと首をかしげるような朗読もあったが、松島雅子→さんの朗読を聞いてほっとした。「布」のメンバーの詩を読んだのだが、どれも聞いてすぐ頭に入るわかりやすいものばかりで、ごくふつうの生活のなかのささやかな発見をていねいに書いている。詩人のあたたかな心根が伝わってくる。

片岡直子→さんの朗読も親しみやすくて楽しめた。埼玉で生まれ育ったという彼女、わたしは本当にあったことしか書かないんです。わたし先祖は飛脚なんですと言いながら読んでくれた「飛脚御先祖師走篇」。彼女は以前は教師だったし、足が早そう。この詩はたしかに朗読したほうが面白さが伝わるかもしれない。

飛脚御先祖師走篇           片岡 直子

師走走る走る先生
先生の御先祖は川越の飛脚
すげがさ胸にあてがって
風圧まかせで落とさずに
江戸までたったと走りぬき
文と銭とをはこびます

身体にのこるスピードのキオク
トップを死守する持久走はちまきを

結び直す間もなく自転車山岳ロードレース
男においつかなからバイクに乗り換え法定速度の
車ごぼう抜きトラックに体当たりしてタンク
へこませ車に乗り込みメーターふりきり占われる死因は
交通事故この疾駆する感じおもっきりふむアクセル
はねあげるウィンカーななめにすわるシート飛脚の子孫
走る走る走るなにめがけてんだか

ああ先生の明日走って走って韋駄天走り
そのままいっちゃうんだ
あの壁ぶちやぶって


片岡直子詩集『素敵なともだち』1999年書肆山田刊)

 飛び入りで「詩学」の今年の推薦新人の後藤義久→さんが読んだ。彼はかなり年配らしいが見た目は髪黒々でひょうひょうとした感じ。少しお話ができた。30年ぶりに詩を再び書き始めたという。労働の過酷さと現代の消費の快楽の矛盾を知っている人と思いながら作品を読ませてもらってきたが、新人欄の経歴を見ると靴工だったが今は無職らしい。真面目に働いてきた人が仕事を失う時代っていったいなんだろうと思う。でもおかげで詩が書けるようになったと語っていた。「夕日」という詩だったか、「きみはとがった靴を拾うところだったな」という行が思い浮かぶ。

 考えてみれば投稿時代というのは幸せな時代ではないだろうか。誉められるにしてもけなされるにしても必ず読者が存在するのだから。苦しいのはその後、だれも読まない詩を書き続けることだ。書く必然がなければ続かないだろう。同人誌に入れてもらうか仲間を募って作るか、個人誌を出すか。詩集を出すという手もある。いずれにしても読まれる努力をすること。それから先はわたしの力の及ぶところではない。

うれしかったのは4人の高校生→が自作詩を朗読してくれたこと。ガングロが高校生の代名詞のように言われているが、きれいな素肌の初々しい少女たちの詩、感動したな。詩はこれからの世代に魅力のないものとは思わない。ネットで日々若い人たちの詩に触れていると、それが信じられるのである。

反省

 さて、そろそろお開きの時間。詩集は2冊売れたし、のバックナンバーセットも売れた。売上はというと6000円ぐらい。ポエケットには及ばなかったがまあまあではないか。gui はポエケット同様一冊も売れなかった。どうしてだろう。新号640円と安くしたし、200ページもあって読みでがある。有名な詩人もひしめいている。手にとって見ればその独自さがわかるはずなのに、触れてみる人もいなかった。

 肝心なのは購買者の傾向である。おおよそのところ、詩人会の人や個人的な知り合いが20%、一般客が20%、あとの60%はネット上で詩を読んでくれている人。これがネットの強みか。わたしも自分で買うのは、あらかじめ少し読んでいて、おもしろいと思った詩人の詩集である。つまらなかったら買わない。義理で買うこともしたことがない。その意味でネットはつまらなければ読まれないシビアな世界でありながら、読者も存在する可能性のある場所である。
 わたしも詩集や2,3の詩誌を買った。いただいた詩集や詩誌も数冊。

 二次会で出た話だが、詩人会会員の秋山さんという方は某Y新聞の記者だそうだが、交流会の記事を載せてもらうのに、自分が詩を書いていることを同僚に告白しなければならなかった。内緒にしていたのにとても恥ずかしかったというのである。闇の社会でもあるまいしとみんな笑ったが、彼の気持ちはみんなよくわかっている。詩集を何冊も持つ詩人でさえ、家族に書いていることを秘密にしている人も結構多い。詩はいまだに認知されない鬼っ子なのである。それにしても、今回の交流会のような催しは前代未聞のことだというのだ。150人の入場者、二次会に30名以上の出席、これは大成功だというのである。この企画を詩人会に提案して、実際に運営した阿蘇豊さんは、みんなからとても感謝された。よかったね、阿蘇さん!

 でも、前代未聞ときいてわたしは正直驚いた。詩人会の催しは毎年いろいろあるだろうが、それはすべて詩人同士の交流のための内輪の催しばかりだったのだろうか。そういえばわたしは詩人会に入って1年足らずだが、埼玉に越してから2冊詩集を出しているし、もちろんずっと会長だった秋谷豊さんにはお送りしているが、とくに詩人会から催しの案内のようなものはいただいたことがなかった。さいたま詩祭は二度行ったことがあるが、いずれも知り合いの詩人が講演したり、受賞したりで、詩人本人から誘われたものである。詩人会というのはかように閉じた社会なのかもしれない。

 しかしながら、出展参加の多さはこの埼玉詩人会の組織力に負うところが大きかったのではないか。ポエケットや大阪の詩マーケットとはここが大きく違うところ。参加者の年齢層の高いのもその表れ。みなさん何十年にわたって、詩を書きつづけ、詩誌を発行しつづけてきた方々ばかりだ。わたしのようなものが当日のこのこ行って詩を売りつけようとするのはおこがましいことだったかもしれない。でもみなさん快く歓迎してくれた。

 たしかにはじめての催しとしては成功といっていいだろう。宣伝広告をはじめ、ハンドブックの製作、当日のお菓子やお茶のサービス(おむすびごちそうさま)、テーブルの配置、記入用紙の配布、埼玉詩人賞候補の詩集の展示、講演の手配、司会進行など、会の日ごろの活動がなければ、あんなきめこまやかな準備はできなかっただろう。しかし、わたしの感じでは、新聞、雑誌、テレビなど、宣伝に力を入れた割には一般客が少なかったように思う。出展者50グループ以上と多く、お客はその知り合いが大多数だったのではないか。主催者の意欲とは別に、出展者のほとんどの意識は詩人同士の交流にあり、自誌を詩人たちにアピールすることに力点があったように思う。お客を想定することにまったく慣れていないのだ。

 詩人会に入るにはもちろん詩集を持ちある程度実績もなければ推薦してもらえないのだから、年齢が高くなるのも当然だろう。でも、会員ではない若い人たちが気楽に参加できる催しをもっと計画しなければ、詩人たちが30代、20代に詩の魅力を伝えることはできないのではないか。二次会三次会と飲んでそんなことをおしゃべりして、大宮から阿蘇豊さんや片岡直子さんと帰ったのは11時ごろ。みなさんご苦労様でした。



沢田英輔さんと角平哲也さんが、交流会の感想や意見を書いてくれました。ジャンプして読んで下さい。ほかにうちのHPでも書いたよという方、お知らせください。また、関宛でも阿蘇さんあてでも結構ですから、メールでもご感想をお寄せくださいね。

沢田英輔さん第一回さいたま詩の交流会(00年2月20日) B&B
角平哲也さん第一回さいたま 詩の交流会の感想 至魂社



第1回さいたま詩の交流会  2000.3.7 mail阿蘇豊

 まず、一応の成果を見たことで、ほっとしています。 初めての事で、わからないことが多かったにしろ、あれだけ準備をしたのだから、みんな、応援してくれたのだから、「いい企画だから、がんばれ」と励まされたのだから、目も当てられない結果でなくて、よかった。やはり、組織の力は大きいと実感しました。

「埼玉の詩の現状を知りたい」という個人的興味から出発したのですが、詩誌、個人誌だけでなく、過去に発行した詩集も、埼玉だけでなく、どこのでも、というふうに「なんでもあり」に広がっていき、多くて30と踏んでいた参加も57という予想を大きく越える数になり、さらに単なる詩と詩人の交流会から、詩のビデオ、朗読、生原稿や寄贈詩集の販売、詩人の写真展、「埼玉詩人賞」候補詩集の展示などのアトラクション、それにお茶の接待もやった方がいい、という段になると、とても個人や小人数の手におえるものではありません。当日の動員に関してもそうですが、「埼玉 詩人会」という組織力があったからこそだとおもいます。と同時に、「組織」がマイナスに働いた面もあったと思います。「詩人会」には詩人会特有のにおいがあって、においに敏感な、参加をひかえた詩誌もあったのではないでしょうか。また、組織には一種の序列やら慣例やらの固さもあって、やりにくいところもありました。

 それにしても詩の催しに、一般の人に来てもらうというのはむずかしい。新聞、テレビで宣伝し、図書館、高校、市民ホールなどにポスターの掲示を依頼するなど、手をうって当日を待ったが、あの雪のちらつく日、来てくれた一般の人は30人もいただろうか。
詩をひろげるには、フツーの人も参加できる形のイベントとかもないとだめだな、と思った。その前に詩人たちの意識が低い。あの場を詩誌の交換会だと思ってる。「送る手間と切手代が節約できてよかった」だって。知ってる人とでなく、知らない人とこそ交流する場なのに。閉ざされてしまうわけだ。

 大宮北高校の高校生が参加してくれた。4人朗読してくれ、70人の詩が一冊の詩集にまとめられた。うれしいね、そんな高校生たちもいるんだ。今回だけで終わるんじゃなく、彼らとのネットワークを作って、もっともっと詩が好きになってもらおうと、詩人であり、指導教師である浜野氏と話し合っている。

 一番大変だったのは参加詩誌、個人誌、詩集のリスト作り。お互いを知るいい資料にしたかったので、創刊日、メンバーの紹介、詩誌の紹介、PR、今こんな詩が書きたいなどのアンケートの答えをまとめたのだが、数が多い上に、はがきにびっしり書いてくる、字が読めない、ああ、まだ来てないのに連絡しなくちゃ、などなど、時間がかかって、疲れて、風邪を引きました。全国の具体的な内容つきの詩誌リスト、作ろうかな。利用価値、あるんじゃないかな。

 ともあれ、いい経験をしました。関さんも、八木さんも、埼玉詩人会の人達も、ともかくみんなが協力してくれました。うれしかった。おかげで少し自信もつきました。今回の反省は星の数ほどあって、それらは胸のうちにあります。あるかわからないけど、次回に生かそうと思います。ありがとうございました。以上。2000・3・7




大阪の詩マーケットの寺西幹仁さんから、春の詩マーケットのご案内をいただきました。 次のようなメッセージ付きです。一般客の居るところへこちらから飛び込んでいく、という逆転の発想、いいですね。 ストリート・マーケットのお祭みたいな雰囲気、想像しています。みなさまふるって参加してくださいね。

寺西さんのメール

2000.3.2

先ほど、rain treeを拝見いたしました。 埼玉の盛況が伝わってくるようでした。 私も行きたかったのですが、体調を崩して行けず、とても残念でした。 また、一般客については、過去5回の詩マケを行い、思うところ大です。 いくら宣伝をしても、詩の集まりに、なかなか一般客は来ないなあと、これが実感で す。 それで、手前味噌ですが、今回の詩マケは発想をひっくり返しました。 一般客をこちらに来させるのではなく、一般客がいるところに、こちらから飛び込ん で行く、ということです。 それで、会場を公園にしたのですが、さて、これが吉と出るかどうか、です。 とりあえず今回の目標のひとつは、今まで詩と関係なく生きてきた人々(公園にいる 大半の人がそうなのでしょうが)を、一人でも多く、いかにして詩の場に呼び込む か、ということです。 会場が大阪と遠いので、あまり強くお願いできませんが、もしよろしければ、遊びに 来てください。 それでは、失礼いたします。

寺西幹仁


第6回詩マーケット参加サークル募集

 詩マーケットは、詩集、詩の同人誌の展示、即売をする
場です。
日頃から大きな書店以外には詩のコーナーすら
ないことを、現代
詩にひかれている者として残念に思って
います。もっと未知の詩に
出会いたいという思いから、詩
マーケットを始めました。毎年、年2回、
春と秋に開催し、
今春、第6回を開催いたします。今回は初の試
として屋
外で行います。ぜひお誘いあわせの上、ご参加ください。


日時:5月14日(日)
    午後1時搬入〜午後5時搬出
   (開場:午後1時30分〜午後4時30分)
  ※ 雨天順延(順延の際、7月頃を予定しています。
    順延の詳細については、決まり次第お知らせい
    たします)

場所:日本万国博覧会記念公園世界の森
    (公園中央口を入って右手すぐ)
    <最寄駅:万博記念公園駅(大阪モノレール)>

内容:詩誌、詩集の展示、販売

目的:詩誌、詩集をできるだけ多くの未知の人に読ん
     でもらう。
     同人誌間の交流。

参加費:1スペース(会議机1/2、45cm×90cm程度)
      2000円(複数サークルで1スペースも可)

主催:詩マーケットを実行する会
    EMAIL:simarket@gold.ocn.ne.jp
    ホームページ 
    http://www.nttl-net.ne.jp/simarket/index.htm

参加申し込み方法:下記内容をEMAILにて「詩マーケッ
             トを実行する会」までお送りください。

氏名、住所、電話番号、参加詩誌(詩集)名、
参加スペース数





さいたま詩の交流会は無事終わりました。皆様ご協力ありがとうございました。

第1回さいたま詩の交流会 2000.1.23 関 富士子

阿蘇豊さんから次のようなご案内をいただきました。も参加します。展示即売希望の方、下の阿蘇さんのアドレスに申し込んでください。展示はしなくてものぞいてみたい方、みなさまどうぞお誘いあわせて参加してください。若い力がおじさまたちの意識を変えます。下に1月23日現在に参加詩誌、詩集リストがあります。さらに詳しい案内、わかりしだい追加します。

第1回さいたま詩の交流会

2月20日 さいたま文学館講座質(2F) 12時集合
持参詩誌、詩集の冊数は販売(値段自由)、交換の予定数。10冊前後? 
バックナンバーもどうぞ。
参加費詳細 詩誌1500円。詩集500円。最高3000円。(複数詩誌参加の場合。)
1月29日現在の参加数(詩誌、個人詩誌、詩集)48
プログラム 2時ごろ八木忠栄氏のトークとビデオ「詩人たち」上映。
3時ごろ、自作詩朗読(現在詩人4人+高校生有志)
その他の時間は自由交流。
駐車場はありますが(1時間無料)2次会もあることだしで(詳細不明 関注)できれば 電車で。
できるだけひろくPRしたので、一般客の来場も期待できます。
作品を1,2篇、プリントしたフリーペーパーなど用意したら一般客の足を止めるかな。 ご自由にどうぞ。
当日参加の方々の紹介ハンドアウトを作りたいので、「返信」の質問に記入の上、 2月15日までにお送りください。(これは出展参加者あてのもの 関注)
ご家族や友達にも声を書けていただければありがたい。 では、なにとぞよろしく。
阿蘇豊 aso@mail1.webnik.ne.jp

埼玉以外にお住まいの方も出展参加できます!


「 第1回 埼玉詩の交流会」開催案内

埼玉にはたくさんの詩を書いている人がいます。詩の雑誌も多く出版されています。しかし、詩人同士が出会う場も少なく、作品が詩を書かない人の目に触れることもほとんどないのが現状です。そこで、詩の雑誌とその書き手、それに詩が好きな方々が熱い詩の話で盛り上がる・・・そんな光景を夢みて、次のような会を企画しました。初めてのこの企画を成功させるために、ぜひご参加またはご来場くださいますようご案内申し上げます。

◆名称  「埼玉 詩の交流会」〜埼玉の詩誌みんな集まれ!
◆日時  2000年2月20日(日)  13時〜16時
◆場所 さいたま文学館 講座室1・2
(JR高崎線桶川駅西口徒歩5分 桶川市若宮1-5-9 ●048-789-1515)
◆内容  ◇埼玉の詩人が主宰している詩誌、個人誌、参加している詩誌を展示、即売し、同時に詩人同士の交流、親睦を図る。

◇ 1999年1月1日から12月31日の間に発行された埼玉の詩人の詩集を展示し、埼玉の詩の現状を知ってもらう。(それらの詩集は、埼玉詩人賞の対象作品となります。該当する方は2冊山根理事長にお送りください。また当日ぜひご参加ください)

埼玉中心の企画だが、一層の詩の拡大を図るため、東京及び近隣県の詩人、詩誌の参加も歓迎する。また詩誌に限らず、過去に出版した詩集での参加も受け付ける。

◇ 自作詩の朗読、先達詩人の生原稿展示、埼玉詩祭等のビデオ上映、写真展などのアトラクション。(詩に関するパフォーマンスを受け付けます)

◇ 新聞、放送などのマスコミ、インターネット、詩の専門誌、学校、図書館、公民館等を通じてPR活動を行い、高校生、大学生を含むできるだけ多くの人に詩にふれ、詩に親しんでもらう。

◆参加費 1500円(詩誌、詩集を展示、即売する参加者)(当日、受付で払ってください)
◆入場料 無料(参加者以外の一般来客)
◆主催 埼玉詩の交流会実行委員会 共催 埼玉詩人会

徐々に参加申し込みが届いています。
これから参加を希望する方は、氏名、住所、電話(FAX)、詩誌(詩集)名を明記の上、郵送、FAX、Emailで2月20日までにお申し込みください。

     申込先 阿蘇豊  MAIL  mail阿蘇豊
多くの方々がご来場くださいますように・・・
埼玉詩の交流会実行委員会 阿蘇 豊
埼玉詩人会会長 難波律郎


「第1回さいたま詩の交流会」参加者リスト 2000123現在
                 (詩誌詩集名 申し込み人  備考)
1 花筐(はながたみ) 渋谷玲宏 他に詩集「ふるさとの鼓動」
2 耕(こう) 渋谷玲宏
3 陽 みくも年子
4 日本未来派 松山妙子
5 地球 石井睦子
6 真昼の家      高田昭子
7 rain tree/ gui 関富士子
8 Under the Rose 大倉由香 詩集参加 他に詩集「Voyage」「うたごよみ」
9 河 藤村ジュン
10 残月黙詩録 平野敏 詩集参加
11 gobi 間中春枝
12 彩信 村上章夫 他に詩集「学生通信」他
13 who’s 村上章夫
14 海嶺 植村秋江 杜みち子
15 沖積地 秋山公哉
16 花の処刑      寺西恭子 詩集参加
17 しずく 中原道夫 田中真由美
18 い(ミズ、ケモノ、奇) 中原道夫 田中真由美
19 波 水島美津江
20 杭 廣瀧光   巴希多
21 蔵王文学      篠崎道子 宮坂美樹子 他に詩集「幻の壺」
22 橄欖(オリーブ) 緒方喜久子
23 独標 里見静江
24 木々 相原校三
  25 馬車 相原校三
26 展 相原校三
27 櫻尺 鈴木東海子
28 あそま  千木貢 「詩と思想」埼玉の会
29 黄金時代 西野りーあ
30 薫香 松井香澄
31 思い川 桜庭英子
32 花         都築紀子
33 かたばみ 都築紀子
34 犯 山岡遊
35 風土 浜野茂則 他に詩集「家族の木」
36 おりおん 加藤丈夫
37 ミルキイウェイ   尾崎昭代
38 餐 山根研一
39 半身 山根研一
40 布 松島雅子
41 ひょうたん 阿蘇豊
42 林道 宮坂美樹子
43 お茶をどうぞ 福地信子 詩集参加
44 鮫 芳賀章内


tubu<雨の木の下で>もっと詩を! 第1回ポエケット(関富士子)
<雨の木の下で>金井雄二のエッセイ
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