解説(A子さんの手記から)

  ■教会用語の説明や私の感じた事など、解説です。
 


モルモンの宣教師2人

モルモン教会では18才以上の男性会員全てに2年間の時間と生活を教会に捧げる伝道に出る様指示を出しています。女性は21才以上。

モルモン男性教会員にとって、伝道に出る事は一種の名誉だという雰囲気になっています。

たとえるならば、戦時中の召集令状が来たぞ、万歳!みたいなもの。

伝道に出る指示には強制力はありませんが、モルモン社会上では、人物評価を出される時、「伝道に出たのか?出ていないのか?」があらゆる側面で問われます。当然出ている方が有利です。

伝道に出るには、それなりの「ふさわしさ」が求められますが、実体はないので、望みさえすれば「誰でも」伝道に出られます。強いていうならば、「ふさわしさ」とは「伝道に出たい」と言うかどうか。ぐらいです。(証言:宣教師とは参照)(戻る)


訪問伝道

訪問セールスと同じようなもの。

私の経験からいうと、訪問セールスも訪問伝道も、受けてロクな目にあうことはありません。

強固な意志と、暇つぶしの時間があるなら、話は聞いてやるという態度で望み、そうでない場合は、ドアを開ける事なく断った方がよいかと思います。

この時A子さんが何故ドアを開けてしまったか?というならば、実は彼女は幼い時、近所のキリスト教会に通っていたのだそうです。

またお姉さんが一時期「ものみの塔」に関わっていた事もあって、「ものみの塔」の人の訪問と勘違いしたのだそうです。

つまり、聖書の話しなら聞いてもいいか…というような気持ちでドアを開けたら、モルモンの大きな宣教師2人組で、慌てて閉めるというわけにもいかず、やむなく話を聞いてモルモン書を受取ってしまったのだそうです。(戻る)


モルモン書

ジョセフ・スミスが天使に導かれて発見した金版から翻訳したのだとする、出所あやしげな、モルモンの聖典?聖典だというわりには、ここにある教えとかなり矛盾した行動をモルモン教徒は平然と行います。だから言葉上聖典と言っていますが実質的には聖典になっていません。(戻る)


家に繁盛にきたり電話がきたりした

一旦、モルモン書を受とってしまうと、「モルモン書は読まれましたか?」「ここを読んで下さい。」というような電話や訪問が頻繁に来ます。素直に聞いていると、どんどん付け込まれてしまいます。(戻る)


レッスン

7つの内容(現在は6つらしいです)で構成された、教会側の一方的教えです。マニュアル化されており、宣教師はそれを教えます。

マニュアルがあるから、その通りに動けば、バイトでもそこそこの接客が出来るというフランチャイズのファーストフードみたいなものです。

とりあえず、効果がないものはマニュアル化>>レッスン内容にしませんので、聞く人にとって共感を得やすいような、いわゆる『よい話し』にまとめられています。

真面目で正直な人程、騙されやすいというのは、残念な事実です。(戻る)


2人のうちの1人が転勤になり

宣教師は二人一組で24時間生活するよう求められます。組み合わせはまったく上の指示なので、気の合うものもいれば気のあわない場合もあります。

気があわない場合などのストレスは、なにせ24時間離れられずにいるわけですから、大変なものです。(上の指示は神様の指示という事になるので不用意に文句もいえない)

そんな関係があるのか、数週間から数カ月で転勤があり、同僚が代わる仕組みになっています。(戻る)


そのころから

それまでBは2人組宣教師の後輩でした。宣教師には「先輩」「後輩」があって、ペアの上では先輩に絶対的な権限があり、後輩はそれに従わねばなりません。

この時の転勤で、Bは「先輩」になり、「好き放題」出来るようになったわけです。仮に後輩が見とがめても、何かいわれることは殆どありません。(戻る)


バプテスマ

罪の赦しを受けるため、水に沈められる儀式であり、教会への入会の意味も兼ねています。

一般キリスト教会では洗礼、浸礼という儀式がありますが、ほぼ同じ意味で使われます。

しかし、通常のキリスト教会なら、入会や授礼までに、数カ月から数年を掛け、じっくり、ゆっくり教義や、神への理解、信仰を深めるのを待ってこの儀式を行い、軽率に行われる事は稀ですが、モルモンの場合は、求道者が、教会について理解も同意もしないうちから、既にバプテスマの予定の中に組み入れてしまいます。

軽々しく改宗を求める割には、脱退には一苦労が付きまとうのもカルトの特徴といえるかもしれません。(戻る)


何回か手紙をくれたり

資料にアップしました。初期レッスン中期の手紙参照)(戻る)


「あなたと話しをしてから、あなたと性行した夢を見、夢精しました。」

ただの変態状態ですが、モルモンのパンフレットの中に「自慰は罪だが、夢精は神が行う事で罪ではない。」という解説がされていた事があり、もしかしたら、その影響からかもしれません。

それにしても、こんな事を平気でいうような人間を宣教師として派遣するモルモン教会って…(^-^;)。実物を資料にアップしています。(戻る)


私は教会についてよく知らなかったので、宣教師というBの肩書きの言葉を信じてしまいました。

本来なら、このような事がないように、早い時期から色々な人間がサポートしたり、交わるべきものなのですが、モルモン教会では、召し(役割の責任)は神からのものであるという絶対的なもののため、何かおかしな事が目の前で行われていようとも、権能がない人間が口出す事は、「神の召した者への反逆」「神への不忠誠」となり、指摘するのに消極的になります。

言い訳としては「私には分からないが、主があの人を召し、その人がそのようにするわけだから、おかしく見えるような事にも、何か神の意図があるのだろう。」という理屈になるわけです。

「自らの思考回路を停止する人」たちの中にいるので、モルモンビギナーである求道者は宣教師が教えるまま、いわれるままの所が教会なのだと思うし、宣教師もそれを利用して、自身に都合のよいように求道者を支配することが出来ます。(戻る)


何人かの兄弟姉妹に声をかけましたが、難しいことはわからないと断られ、

A子さんによると、相談として、話しを聞く前に「難しい事は…」と断られてしまったそうです。

これは権能に絡む問題になるからだろうと推測されます。モルモンは権能主義なので、権能がない場合は余計な口出しをしない方向に思考を持っていきます。

つまり、余計な口出しをして、あとあと責任を追求されても困る。面倒な事には関わらないという姿勢なわけですね。

基本的にモルモンは神からの最終的な救いを受けるために色々頑張っているわけですが、それはつまる所、戒めさえ守ればいいという事で、それも具体的なもの、つまり、安息日や、純潔の律法、什分の一とか、知恵の言葉などさえ守っていれば、人に親切にという抽象的な戒めなどは、自分が親切にしてあげたのだと思い込みさえすれば守っているという事になります。結果、人間関係は、表面的な間柄は派手に取り繕いますが、一歩踏み込んで親身になるのは嫌う傾向があります。

イエスが聖書で教えた「良きサマリア人」に出てきた、祭司やレビ人の例を彷佛させます。

この当時のA子さんに関する証言を得ましたので、参考にして下さい。(戻る)


誰に話したらよいのかわかりませんでした。

この時A子さんは、同時期にいた日本人宣教師に「自分は英語もよくわからないし、話しも通じない所もあるからできれば、あなた方にレッスンを代わって頂けないか?」と持ちかけるけたのですが、「それは出来ません。」と断られたのだそうです。(戻る)


毎日聞かされ、マインドコントロールされていた

テレビ報道なんかで、オウム真理教の道場での修行なんか見た事あるかと思いますが、要するに、同じ言葉のくり返し、くり返し、くり返しに対して、自己の中にそれに反発する気持ちがまるでなかったりすると、人間、理由の如何をとわずにそれが正しいと思いこまされてしまいます。モルモン教会の証しと称するものもまったく同じですね。(戻る)


伝道本部

宣教師を管理し、まとめ上げ色々指示を出す所です。

日本には九つの伝道部があり、それにあわせて九つの伝道本部があります。

宣教師は通常19才から22才ぐらいの若者ですが、これを管理するのが伝道部長です。大概は、中年以上の人が召され、3年の任期で家族と一緒に伝道本部に暮らします。(戻る)


宣教師大会

モルモン宣教師は2ヶ月に一度のペースで、宣教師大会を行います。

伝道部長の叱咤激励やら、具体的なレッスン教授法など教わりますが、端から見ると、いかに求道者を誘導尋問に導くのか洗脳するのかというテクニックの伝授のようです。(戻る)


そこで

A子さんが宣教師大会に出席した目的は、最初にBとともに訪問して転勤していった宣教師に相談しようと考えたためだそうです。

しかし、実際には宣教師たちは忙しく動いていたので相談出来ずに帰ったとの事。(戻る)


この教会は真実の教会という、マインドコントロールの方が強かった

端から見ていて、どうしてそれをおかしいと思わないのだろう?と思ったり、後になって考えてみれば、色々おかしいのだと気が付いたりするのですが、ともかく、その時その瞬間は、そうは思わせないように、人の思考過程を牛耳ってしまうのがマインドコントロールです。

たとえば、モルモン教徒にも非常に論理的な人がいるのですが、こと、教会の事になると、最初にまず、教会は正しい!という結論の上から展開するので、これこれがおかしいと指摘しても、それはその人間がたまたまおかしいのであって、教会はおかしくない。となってしまうのです。(おかしいのかどうかを判断する材料を認めない。)

マインドコントロールの恐ろしさは、非常に高いインテリレベルの人でも容易にはまってしまう所です。

この頃の宣教師Bからの手紙も参考にして下さい。(戻る)


アパートに迎えに行ってあげると言うと、駅から少し離れたミスタードーナッツに来てくれといわれ、そこで待ち合わる事にしました。

正確には、最初アパート、次ぎに駅に迎えていってあげるといったのに対して、その両方とも都合が悪いといわれて、ミスタードーナッツになったそうです。

一般にレイプは見知らぬ男性から受ける衝動的犯罪が多いような印象がありますが、実際にはよく知った者からの計画的行為である事の方が圧倒的に多いそうです。

このケースでも、宣教師は二人一組でなければならないというルールの隙を付いて計画されたものであることが分かります。

アパートや駅に迎えにこられたのでは、同僚宣教師に見とがめられるのでBはそれ以外の場所を指定したものと思われます。(戻る)


家には誰もいないので、車を道の壁際に止めて助手席からは出れないようにして「車の中で待っていて」と言ってから家に入りました。

この点を見ても、A子さんに非難されるような落ち度も、その気も無い事がわかります。また、Bに出来心があったとしても、これで自制出来たはずででしょう。(戻る)


「コロサレタイ?」と脅かされ

身長190cmもある大男に押さえ付けられてこんな事いわれたら、150cm代のA子さんならずとも、恐ろしいです。(戻る)


自分はただの教会員だけど、この人は教会の代表のような宣教師だから、かばってあげなければと思いました。

たとえば、監禁されて、ずいぶん酷い目にあったのにもかかわらずも、それでもオウムに戻ってしまう信者がいる話しもよく耳にすることだろうと思います。

このあたりはカルトの恐ろしさで、自分が酷い目に会っているのにもかかわらず、それでも、教団は真実だし、この酷い事をした人は教団の人なのだから、助けてあげなければと思ってしまうのです。

結局の所それが彼女を不利な所にさらに追いやってしまいます。(戻る)


「監督」

地方ユニット「ワード」の管理者です。

一応、一般キリスト教会でいうところの神父さんや牧師さんみたいな存在のように見えますが、実は宣教師と同じで、普通の人をいきなり任命してその責任に付かせます。従って特別な訓練など受けているわけでなく、自分の考えでアレコレ切り盛りしなければならない上、専門職ではないので、日常生活では別に職業をこなさねばならないという激務です。

中間管理職でもあり、かなり気の毒な役回りですが、こういうシステム事態に問題が派生する要素を抱え込んでいるといえます。(戻る)


三日後付で手紙

資料にアップしています。(戻る)


と書いてありました。

このBという男のずうずうしさには、あきれ返ると言うか、なんというか、かんというか…。

仮に、この問題がレイプでなくて、合意の上の性交渉であったとしても、モルモンの教義ではそれは殺人に次ぐ罪だと、なっており、死ぬ程の悔い改めが求められる所のものなのです。しかもそれを伝道中に行ったとするならば、通常の神経なら、偉そうに人に説教を垂れられるようなものではありません。

それをこの男と来たら、「祈れ」だ「戒めを守」れといって来る次第です。
ある意味では、まさにモルモン教徒の典型を見る様な人物ですが、ここまでいっちゃっている人は珍しいというか…、ともかくその文面を読んでも、思い込みが激しすぎてそら恐ろしいです。くり返しますが、こんなのがモルモン教会の宣教師なんですよね。(戻る)


同じような手紙が、私の実家や友人の所へも届きました。

資料にアップしています。(戻る)


妊娠していることが判明

一回の性交渉で、確率的にそんなにドンピシャリと妊娠するものだろうか?と疑う向きの人も多いようですが、聞いた所によると、女性は生命の危険を感じると、子孫を残そうと排卵してしまうシステムが体に備わっているのだそうです。レイプで妊娠するケースが多いのは、皮肉な事に、このような生物として遺伝子を残そうというシステムの結果なのだといいます。(戻る)


監督に相談した所、堕胎せず、産むようにと言われました。

モルモン教会では「堕胎」は殺人と同じ罪であると教えています。が、同時に、母体に危険が伴うような出産や、レイプの悲劇の結果の妊娠に関しては、例外的に「堕胎」を認めています。

この時、監督OT氏は妊娠は「同意の元に行われた性交渉」だと思っていたので、「産め」といったのではないか?と思われます。

しかし、その直後?レイプだとわかったと思うのですが…。監督も混乱したのかもしれません。(戻る)


Bが帰る前に、伝道部長に話した事の中で、Bは私にレイプされたと話していたと知らされました。

この段階に至まで、A子さんは「レイプされた」という事実を誰にも明せなかったようです。その意味では、伝道部長が女性会員と不適切な関係になったBを宣教師としてクビにし、国に送り返したとしても、そう強くは責められません。

しかし、B自身の口から「レイプ」という言葉が出ていたのであれば、Bが被害者なのか加害者なのかにかかわらず、その事実確認のため、伝道部長は警察に届け出すべきです。

つまり、ここには伝道部長による犯罪隠し、あるいは加害者国外逃亡幇助の可能性も出てきます。(戻る)


「Bは必ず破門になるでしょう。今後の対策については任せて下さい。」

「任せて下さい。」というこの監督OT氏の言葉は、まったく宛にならないものであった上、結果的にA子さんが警察他関係各機関に訴えるのを遅らせる事になります。ここは即効で警察に届けるよう指導すべきではなかったのではないでしょうか?(戻る)


切迫流産しました。

この時A子さんは、「神様はいて下さるんだ。」と思ったのだそうです。(戻る)


監督から「慰謝料を請求しましょう」と持ち掛けられ

監督としては、それなりに親身になっているつもりのようであったのはわかります。ただ、で、あるなら、その後の処置には疑問がやはり出てきます。

ちなみに、この監督OT氏はこの頃A子さんに「A子さんの顔は、ガイジンに好かれる顔だから、気をつけた方がいいですよ。」といったそうです。

どういう認識なのかよくわからないのですが…。そんな危ないガイジンを日本にはびこらせるな!って普通は思いますがね(^-^;)。(戻る)


「色々やりましたが、だめみたいです。Bの親がよっぽどの権力者としか思えない。」

この「ダメ」っていうのは、慰謝料とかBの教会員資格云々とか色々でしょうか?よくわからないのですが。(戻る)


警察、弁護士に相談したのですが、遅かったです。

「刑事事件としては、レイプは被害届を6ヶ月以内に出す必要がある」との事だそうです。詳しくないですが、だとするなら、監督が「半年ぐらいしてから」「ダメみたい」と言出したのも、これを狙っていたのか?と勘ぐりたくなります。(ただBは国外に出ているので時効は止まっているのではないか?という話しもあります。)

司法受験生MSさんがこの部分を読んでコメントを下さいましたので、解説に加えます。(99.10.30追記)(戻る)


宗紀評議会が開かれました。…教会員資格停止処分

これが最大の謎です。何故被害者に会員資格停止という、教会宗紀から見た処罰が加えらたのか?(なお、教会側の手引きには「会員資格停止処分」というものはないそうです。「保護観察」になるわけですが、その上が「正会員資格剥奪」になるので、それより軽いなら「剥奪ではなく、停止」だと社会通念的にはいえるでしょう。詳しくはこちら関連参考証言「モルモンとレイプ」によると、BYUなどでもレイプされた方が「レイプされた方に隙があった」ということで破門されたとありますが、同じ判断なのでしょうか?

犯されたと主張する女性側が破門されたケースが日本でもあった事が関連参考証言「女性は不利」からも分かります。(99.11.03追記)

呼び出し状と、裁定状を資料にアップしています。

また元監督氏による解説も参考願います。(戻る)


納得が行かず

この頃A子さんは、地域会長会、代表役員、伝道部長、ステーク会長等に、実情を訴える手紙を出しており、副ステーク会長から、何度か電話連絡をもらっているもらっているそうです。(戻る)


ステーク会長は泣きながら、「そういう事があったとは知りませんでした。私が謝って済む事ではありませんが、謝ります。処分は撤回しますので聖餐をとって下さい。」

ステークというのはモルモンの教区の一つで、支部、ワードを最小単位とする複数のユニットが集まって構成されます。ステーク会長はその管理者になります。

そして、ステーク会長のこの発言に関する疑問として、

1.知らなかった…宗紀委員会の事は通常ステーク会長に報告されているはずなので、知らなかったというのはどういう意味か不明。

2.処分の撤回…処分を撤回するというのであれば、それはユニット監督会の判断に間違いがあったということなので、その問題をどう改善指導したのか?という点です。

ちなみに、ステーク会長はこのように宗紀評議会の判断を覆して謝罪していますが、当の監督会からは何の謝罪等はないどころか、副監督らにいたっては、どうも判断が覆った事も知らない様子が見えます。(戻る)


「脱会しないのなら、私が弁護士に取り合いましょう。」

監督OT氏としてはモルモン教会のために全てを「善意」に基づいて行っているのでしょう。また、モルモン教会の教義に関する彼なりの解釈、神理解に基づいてこのような事を述べたのかもしれません。しかし、その結果は世の常識から見れば「最悪最低」というのであることは、彼にとってもA子さんにとっても悲劇の最たる結果でした。

悪意ではなく、自らは善意のつもりで行った判断、行為であるというのは、一番改善が難しく、暗たんたる気持ちになります。(戻る)