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12月2日(日) ベートーベンの第3
先日、ベートーベンの第3交響曲「英雄」の実演を聴く機会に恵まれた クラシックの数々の名曲の中で最も好きな曲のひとつだ これを機に、以前このHPの別ページに掲載し、その後ページごと削除した小文を、加除修正して以下に再掲したい
…そもそもベートーヴェンの「英雄」から、果たして本当にヒロイックなイメージが浮かぶのか 全曲のどこに、英雄らしい姿、雄渾なメロディーがあるのか 息せき切ってあわてふためく第一楽章、嘆きの第二楽章、突っ掛けサンダルで飛び出したような第三楽章 わずかに第四楽章だけが、英雄の名にふさわしい風格をもつに過ぎない それも変奏曲という理由でおのずと生まれた風格である
「第3」でベートーヴェンが意図したのは、たんに「人間合格」というほどの意味なのだろう これほどに人間らしい複雑な味わいに満ちた曲を、私はほかに知らない 一点のスキもなく仕上げられ完璧を誇る「第5」以降の作品 そのどれよりも、ベートーヴェン自身が「おれは変ホ長調(第3)がいちばん好きだ」と晩年に語っている事実は、もっと注目されていいだろう
11月29日(木) おいしいコーヒー
いろいろな所でいろいろなコーヒーを飲んできたが、いちばんおいしかったのは神田・古書店巡りの帰りに立ち寄った店のコーヒーだ 山の手線の御茶ノ水駅で降りて古書店街へ向かい、古書店だけでなく書泉グランデや三省堂書店など、普段は到底触れることのできない書物オーラをふんだんに浴び、心地よい疲れと共に、その日、帰路は何故か水道橋駅へ向かっていた
たぶん道を間違えたのだと思う 今から30年近く前のことだ 東京の地理には全く疎く、どこへ行くにもとにかく山の手線であった^^; 地下鉄を使うという発想がなかった もしあったら、あの店には出会わなかったと思う 古書店街と水道橋駅のちょうど中間あたりに、店名は忘れたが「三本コーヒー」だったか「Keyコーヒー」だったか、そういう看板が出ていた
少なくとも「UCCコーヒー」ではなかったと思う 何の変哲もない学生街の喫茶店であったが、運ばれたコーヒーの上手さは格別であった 味には全然うるさくない私が言うのだから間違いない 濃く深い味がした その後は神田・古書店巡りをするたびにその店へ寄ったが、仕事が忙しくなるにつれて足は遠のいてしまった あの店、さすがにもうないだろうなぁ…
11月21日(水) ケータイ小説2
…って言うか、こういう小説なら私にも読めるじゃん! 今まで何というムダな努力をしてきたんだ 例えば「魔の山」だ ある時、トーマス・マンの大作「魔の山」を読もうと決意し、本屋で試しの立ち読みをしてみて、冒頭の一文に驚いた よくは覚えていないが、「…を歩いていたのは、ごく普通の男だった云々」というような書き出しなのだ 「普通の男」とは何だ!
ホントにこれが20世紀を代表する名作なのか あまりにも情けない書き出し 訳文がいけないのだろうと思い、ほかの出版社から出ているものを探して読んだが、冒頭の一文はどれも似たような訳であった 私はさらに図書館まで出かけ、可能な限りのすべての「魔の山」冒頭一文を読み比べた結果、この後どんな物語が始まろうと、この一文は変だとの結論に達した
私にとって「魔の山」はこの一文で終わった つまり、まだ読んでない^^; 冒頭一文に限れば、「魔の山」恐るに足らず 標高何千メートルの第一歩だけなら、ケータイ小説の文体と似たり寄ったりだ 五合目ぐらいまでなら付き合っていられそうだ 背伸びして難しい本ばかり読んできて、損した感じすら抱く 「等身大の」…これが今日(こんにち)のキーワードなのかな
11月20日(火) ケータイ小説
もう少しで女子高生が群がり渦巻く惑乱の世界にはまり込むところだった と言ってもバーチャル世界の話 「魔法のiランド」というケータイ小説のサイトだ このサイトに関する新聞記事を一昨日読み、あァ、現在上映中の「恋空」がケータイ小説っていう売り文句だったっけな、あまり興味が湧かないな…と思っていたら、昨日テレビで「ケータイ小説」特集をやっていた
女子高生が「泣きたい時にアクセスするよね」と仲間と語っているのを聞いた 私も泣きたい時があるんだ…おじさんじゃダメかい?(爆) それでさすがにちょっと興味が湧いて、アクセスしてみたら… 面白い ランキング上位の作品はそれなりに面白くて、少なくとも読みやすい 読みやす過ぎてページを次々にめくり、危うくいつまでも溺れるところだった
私が小説と思っているものとは当然のことながら随分違うが、シナリオみたいに読みやすく漫画みたいにスジを追いやすい 江戸時代の戯作、草紙(双紙)ものを連想した 草紙(双紙)ものもまた、こんな風に読まれたのかも知れない ところで、これ以上つないでたらパケット代金がたまらないと残念ながら切ったが、彼・彼女らはその点をどうクリアしてるんだろう
11月12日(月) また冬が来た
いつのまにか立冬が過ぎていた… 今年は楽しみにしていることがあって、季節の移ろいや木々の色付きには気をつけていたのだが、暦(こよみ)にはぬかりがあった^^; 楽しみにしているのは、知人に教えてもらった黄葉の名所、昭和記念公園に足を運んでみることである かなり遠いので、行けるかどうかわからないが… 先程gooで調べたら、黄葉最盛期とあった
立冬という断崖にまた立てり
あわてて作った立冬句 何を言ってるのか定かではないものの、気宇は大きいような気がして、今日一日、3回ほど推敲を重ねた 冬に立ち向かう気概、あるいは逆に、経験から冬の厳しさを怖れる気持ち…、そして「また立てり」の「また」にこめられたのは決意なのか諦観なのか
自分で作ってて未だ真意がわからないからおもしろい とにかく言葉が先に出た そしてわりあい気に入った 日常の具体物がひとつも登場しない弱みはあるけれど、作ったモン勝ちということもある^^; 歳を重ねてくると、冬を迎えるときの複雑な思いは並大抵のものではない グラスの底、人生の底を垣間見るとでも言うような、断崖に立つ思いなのである
11月11日(日) 肩透かCM
山場CMという言葉があることを知ったのは、つい最近である 山場になると流されるCMのことで、それなら私もひとこと言いたい 私の場合はそういうCMが流された途端、「ハイ、さようなら」と、チャンネルを変えてしまうか、他に見るものがなければあっさりとTVを消してしまう このようにしている人は結構多いのではないだろうか
ところで、山場CMという言葉は、ちょっと芸のない、直截過ぎる言葉のような気がする わかりやすいといえばわかりやすいが… 私が考えたのは「CMCM」である 「Climax CM(クライマックス・CM)」の略だ 山場CMを英語にしただけです^^; CMCM…いかにもCMだらけという感じがよく出ているのではないだろうか シムシムと読むのもいいだろう
肩透かしを食うという意味では、防衛省・守屋前事務次官への証人喚問も似たようなものであった なぜ守屋氏だけを呼んだのか 接待側を呼ぶという話が全く出ないうちに、守屋氏の喚問が実現し、そうこうしているうちに接待側である日本ミライズ前社長が逮捕されてしまった これで日本ミライズ前社長の喚問はなくなってしまったのであるから、何か変だ
11月4日(日) ズルズル歩く人々
本欄で前にも書いたことがあるが、路上や駅などで旅行用スーツケースを引き摺って歩いたり、スーパーなどで大型カートを後ろ手に引いて歩くのは、その近くを通り過ぎる者にとって大変危ないと思う 場所によっては脅威だ スーツケースは、人込みの中を歩く時は身体に引き寄せて垂直に持って歩くものではないだろうか またカートは、前向きに押して歩くものだ
乳母車…じゃなかった、ベビーカーを、後ろ手に引き摺って歩く人はいないだろう それはいろいろ理由があるだろうが、要するに「後ろには目が届きにくく、何が起きるかわからない」からというのが大きな理由に違いない 以前、旅行会社か航空会社のCMで、客室乗務員がスーツケースを後ろ手に引き摺って颯爽(さっそう)と歩くシーンを見たことがある
颯爽と感じたうちはよかったが、実際に自分が車輪につっかかったりするなど、何度か危ない目に遭うと、颯爽なんてとんでもない 実に無神経で、他人への配慮に欠けた、格好悪いシーンであったと思うのだ CMを演じてたモデルにダマされた気がする^^; 車輪につっかかる私が間抜けなのはわかっているが、世の中には間抜けの方が多いものだ
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