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2011年
2月26日(土) かわいそうなパンダ
パンダが来た 成田に来た 上野に来た 今回連れてこられた2頭ほど歓迎されないパンダは、かつていなかった 尖閣諸島問題でこじれた日中関係の改善にという思惑が日本にも中国にもあるのだろうが、恫喝する中国の仮面の使者たるパンダを、もう素直に「可愛い」と喜べない ’70年代の中国ではないのだ 西太平洋の制海権を主張する、コワい中国なのだ
それにもうひとつ、パンダ費用ももはや看過できない 日本も、’70年代の日本ではないのだ レンタル料が10年で8億円、万が一「病気以外で死亡」した場合は3500億円というから、東京都下に住む人々の殆どは、パンダ以下ということになる たくさんの怒りがパンダに向くことは、今回ばかりは仕方ない 国策としてのパンダビジネス 中国人民は知っているのか
パンダ1頭の食費も1日1万5千円かかるとのこと 安い物ばかり食べている私のような大人なら、15人分だ 相当な数の人間を救える金額ではないか 保育園を充実できるではないか 介護施設職員の待遇を大幅に改善できて、いい人材を集められるではないか ヘンである 今回のパンダ、どう見ても中国に無理矢理レンタルさせられているとしか思えない
2月13日(日) いかさまひと筋66年
大相撲の八百長が大きな問題になっているが、実のところ八百長問題にはあまり関心をもてないで困っている 相撲は好きだし、できることならズルなしでやってもらいたいが、そこはホレ、何といっても「お相撲さん」なのだ そもそもスポーツとして見るのは少し無理があったかも知れない 戦後日本、憲法9条ひとつ取っても、国家規模でいかさまやっていたではないか
スポーツマンとして社会人として組織として、いろいろと自覚が足りず不備があると言われているが、あまりお相撲さんを責めちゃダメ 子供の私が初めて八百長なるものを意識したのはスポーツ界ではなくTV芸能界であった レコード大賞である お金が動いているとか、事務所の力次第とか、紅白不出場と交換で受賞する場合もあると聞いて、何度がっかりしたことか
「たかが娯楽」といっても、子供にバレてしまうようないかさまが許されていいわけはない さて、目を世界に向けると、これぞいかさま国家といっていい超大国が、イヤでも目に入る ロシア(旧ソ連)だ 日本の降伏直前に北方4島を侵攻・占領し、66年経った今も民間人を盾に占領軍として居続ける 勝負が決まってからのダメ押しは、お相撲さんに嫌われるよ
2月11日(金) 0120で流行るモノ
電話をかけて「お電話ありがとうございます」というフレーズを聞くようになって久しい 電話応対界を席巻しているといっていいだろう このフレーズに続いて「サザエ&カツオコーポレーションオールジャパンシステムズオペレーションセンターのイソノでございます」という、うら若い(と思われる)オペレーターの自己紹介があるから、こちらもやや緊張気味にならざるを得ない
で、たいていは「サザエ&カツオコーポレーションオールジャパンシステムズオペレーションセンターですか?」と、間が抜けたことを聞く羽目になるのだ 私が聞きたいのは、これから買おうとしていて、でもよくわからないことがあるので、というケースが多いのだが、どうもダイレクトに質問させて貰えない 仮に質問できたとしても、別の部署に回されてまた同じやり取りだ
電話の応対はたしかに難しい しかし「お電話ありがとうございます」は要らない ビジネス書の邦訳で「Thank you for calling.」が「お電話ありがとうございます」となっていて、それがひとり歩きしているのだろうか ビジネス界における「Thank you for calling.」の正しい訳は、「はい、○○です」の後に続く、相手の身になった親身な受け答えのほかにはない
2月6日(日) 3Dメガネ
新聞に妙に写りの悪い写真が載っていた よく見たら3Dと書いてある あぁ、と去年の暮れに販売店がポストに入れていった3Dメガネを思い出した 昔の小学生雑誌の付録のような代物だが、それはあくまでも外見である 響きの良いコンサートホールとして評判の浜離宮ホールを持つ朝日新聞社が作成配布したものだ 写りの良い3Dメガネを期待していいだろう
写真は沖縄のカンヒザクラだったが、3Dメガネをつけると、うーむなるほど… 決して飛び出て見えるというほどのことはなかった この見え方を飛び出て見えるというのなら、むしろ飛び出なくて結構 普通の写真の方がはるかに勝っているようだ 3D効果があまり感じられないのは、質のよくない新聞写真だからか 映画やTVはもう少しマシかも知れない
私がいちばん期待するのは、山岳風景の3D映像と、サッカーなどでボールがこちらに向かってくる場面の3D映像だ とくにボールが飛んでくる場面には興味がある 危ないと思って身体を傾けてしまいそうだから そういう感覚に陥るのなら、新しい錯覚玩具としておもしろそうだ ただ、子供には危険だな 3D慣れして、本物のボールをよけないようになりかねない
1月30日(日) サッカー優勝
サッカー・アジア杯で日本代表が優勝した ところがそれは今回で4回目の優勝だと聞いて少し驚いた 過去3回の優勝のときはこんなに大騒ぎになっていなかったように思う ファンにとっては大きなニュースだったのかも知れないが、元々関心の薄い私はまるで覚えていなかった 今回も薄い関心の中、それでも否応なしに日本の戦いぶりが目に耳に入ってきた
そしてだんだんと日常会話の中にアジア杯だのサッカーだのが出てくるようになったから不思議である 今回はそういう無関心層もずいぶんいたのではないか サッカーへの興味が深まったわけでもなく、個々の選手など全く知らないけれど、なんとなく慣れてきたという感じだ それでもやはりサッカーはそれほど興味がわかないなぁ あまりにも点が入らなさ過ぎる^^;
競技としての欠点のように思う 90分も動き回って1対0とか2対1、ときには0対0 始めからPK戦をやればいいのにとすら思う 点が入り過ぎるバスケットボールも興味のわかないスポーツだ 78対60だなんて、1回1回のゴールが軽過ぎやしないか バスケットボールはもっとコートを広げ、サッカーは狭くすれば、ほどよい点の取り合いになるかも知れない
1月27日(木) 雑知識の素
国語の問題集・参考書などに載っている文章は、殆どの場合全文のごく一部が掲載されているだけだが、それゆえにかえって手軽にいろいろな文章に接することができるおもしろさがある かなり以前、ヨーロッパ建築を論じた文章の抜粋が載っていたことがある それを読んで目からうろこが落ちた ヨーロッパの建築というと石造りであり、その代表格が大聖堂である
あのドーム型の内部に入った著者が感じたのは、森林であったそうだ 薄暗さ・上部の湾曲・ステンドグラスや装飾、すべてに森林の雰囲気を感じたそうだ つまり教会とか大聖堂などは、彼らが滅ぼした森林の再現だというのがその文章の主題で、子どもに問題を解かせながら、私は著者のこの見解に興奮したものだ こういう文章が、子どもと同じレベルで読める
見開き2ページ程度の中に文章と問題があるので、実際に読むのは賞味1ページ程度の短い文章で済む ときには10行ほどの詩であったりする 谷川俊太郎の「どうしてか、捨てられない」で終わる成長過程の子どもとおもちゃの詩も、国語問題集で知った 題名は忘れたが、たぶん「きかんしゃトーマス」がらみの詩だと思う 今度図書館に行ったら確かめてみよう
1月6日(木) おまけの功
70年代前半にインターネットが普及していたと仮定して、グリーグのピアノ協奏曲をダウンロードで購入していたら、シューマンとの幸運な出会いはなかっただろう ずっと後になって「いらぬ知識」が増えてから聴き始めたに違いない ピンポイントでそのものを手に入れるのは大変便利ではあるが、自分の行く手を狭めている面もあるのだ 「人生、B面に宝あり」である
B面というのはおまけであり、余白・回り道といってもいいだろう 何らかの理由によって、希望していたのとは違う道を行かざるを得ない場合は少なくない しぶしぶ歩き出して、やがて思いも寄らぬ場所へ辿り着くことになる 思いも寄らぬ場所ではあるが、そこはより広大な見晴らしの利く場所であり、その道を選んだことにいささかの悔いも浮かんではこないだろう
回り道ができること、それだけの余裕があることは、若さの証拠である 逆に言えば、回り道ができなくなったら、あるいは周囲の人の回り道に付き合っていられなくなったら、「そろそろ」である(笑) 注文したランチセットがなかなか来ない… いらいらしたお年寄りがアルバイト店員をどやしつける よくある光景だが、「そろそろ」なのかも知れない
1月5日(水) シューマン讃
昨年はシューマン生誕200年ということで、いろいろな演奏会でシューマン作品が取り上げられ、ファンにとってはありがたい1年であった 私の記憶では、シューマンの管弦楽曲がこれほど演奏された年はない シューマンの管弦楽曲は、ともすると欠点(?)と共に語られることが多かった 楽器の重なりが悪い、同じリズムをしつこく反復する、演奏しにくい等々…
私のシューマン初体験を書けば、それがそのままシューマンの管弦楽の素晴らしさを語ることになるはずだ 二十歳前後のこと 当時ピアノ協奏曲といえばチャイコフスキーかグリーグが抜きん出て有名だった 私はまずグリーグのレコードを買った そのB面がシューマンのピアノ協奏曲だったのだ シューマンなんて知らなかった 畳に寝転がってついでに聴いた
寝転がって聴いているうちに、私の身体がむずむずと火照ってきたのだ 細胞のひとつひとつが運動を始め、熱を帯びてきた なんだこれはと起き上がり、耳を澄ませてちゃんと聴いた 興奮した 作曲者や楽曲の知識が入る以前に、直に音楽が私に入った、たいへんに得がたい体験であった 欠点(?)といわれることのすべてに、私の全身心が歓喜していたのである
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