ことばの遊園地〜詩、MIDI、言葉遊び
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2011年

4月16日(土) おいしいコーヒーの後で

そのコーヒーチェーン店は前からよく行っていた  大震災後のある日、いつものようにいつものコーヒーを注文した  いつものコーヒーといっても単なるブレンド  たまたま計画停電の前か後で、いつものコーヒー器械が使えないからと、特注コーヒー用器械でいつものコーヒーをいつもの値段で入れてくれた  でもそれは店のサービスだったようで、違う味がした  旨かった


う〜む、商売が上手い  それ以降、またあのコーヒーが飲みたくてたまらない  もういつものコーヒーではダメになった  今日はなかなかの好天、散歩のついでにそこへ寄り、少し高いけどいつものじゃないコーヒーを飲んだ  やはり旨い    帰りにスーパーへ立ち寄った  数分後に大きく揺れた  大きい店で地震に遭うのは初めてだ  ぶら下がりモノが激しく揺れた


キャーと叫ぶ人もいたが、私の目の前にいたご婦人は鷹揚だった  あらこれ地震なのねと言ってカートに手を掛け泰然としていた  私の顔を見てそう言ったので、ええ地震ですよホラあんなにと、言いながら私はアレが落ちてきたら外へ逃げ出そうとか考えていた  収まった後、携帯の速報で茨城震度5強と知った  最近の揺れは以前と違う  何か鋭く荒々しいのが特徴だ

4月15日(金) 想定内だから解説できる

3月11日の大津波大地震が想定外だったとか、原発破損が想定外だったとか、想定外という言い方が大手を振ってまかり通っている  だが地震発生当日から、専門家は今回の大地震のしくみを解説していたし、大きな余震の確率を70%とか10%などと発表してきた  しくみや確率を言える出来事が、なぜ想定外の出来事なのだろう  想定外とは、説明不能に陥ることだ


説明不能に陥らないのは、データ自体がまぁ出揃っていたということだ  専門家がそのデータを読み誤っていたということではないだろうか  またはデータを結びつける構築力というか想像力のようなものに欠けていた  あるいは見て見ぬふりをしてきたか  恐ろしい結末を予想させるデータが、わずかだがある  わずかだから目をそむけてきたとしたらそれこそ恐ろしい


フランスの文学者サルトルに、「実存主義入門」というきわめて薄い本がある  私が読了できた只1冊^^;  中の数行が、若かった私の目を見開かせてくれた  「事実から目をそらす態度」に関する数行だ  夫婦生活で十分に感じていながら感じていないふりをする女性の逸話  「必要があって、感じている事実から目をそらす態度をとる」という、示唆に富んだ話であった

4月9日(土) 「江」私評記

大河ドラマ「江」のつまらなさはいったいどうしたことか  これほどお粗末なキャンキャン大河は初めてだ  私の場合、土曜再放送をちょっと見る程度だが…  「江」の画面はまるで学芸会だ  周囲を固めるベテラン俳優陣が気の毒だ  NHKは怪女優上野樹里を大河で使ってみたかっただけということだろう  「江」役の子役を1話限りにしたことからも、それはうかがえる


脚本が田渕久美子ということで、かすかな不安はあった  同じ作者の「篤姫(2008)」もたいへんつまらなかったからだ  「篤姫」は人気が高く、大河史上最高視聴率などと言われたドラマだったが、私にはピンとこなかった  ただ、人が「いい」と言うものはたいていいい、というのが私の座右の銘  いったい何がそんなにいいのかと目を凝らして懸命に良さを探したものだ 


当時は「篤姫」の悪口を言うと石が飛んできそうだったので、表立って言うことはなかったが、同じ作者の「江」もつまらないとあっては、もはやこれまでじゃ^^;  もっとも、「江」にもいい所はある  オープニングだ  音楽もいいし、上野樹里の舞いもいい  控えめで節度のある舞いだ  この舞いのように、型を重んじたつつましいドラマにどうしてしなかったのか  残念だ

4月7日(木) もうひとりのトラさん

先日久し振りに図書館へ行った  目的は広沢虎造の浪曲集を借りるだけ  パッと行ってパッと帰る  昔からどういうわけか、図書館玄関を入ると腹の具合がおかしくなる傾向がある  何か緊張するものがあるんだろう  それである時から、目的を決めて一発で済ませることにしている  最近はPCや携帯でも蔵書検索ができるので助かる  今回も調べてから向かった


図書館には広沢虎造のテープしかない  CDは置いていないのだ  テープを借りる人さえ稀なので、CDをそろえる必要がないのだろう  または図書館員に知識がないか  日本の伝統芸能として民謡までは思いつくだろうが、浪曲まで守備できる図書館員がいないということかも知れない  そういうわけで、松戸市立図書館検索で、「広沢虎造」を検索すると×が3つ付く


その3つは私が借りているなう^^;  ほかに誰も借りないとみえる  私も浪曲を聞くことはあまりないが、行き詰った時などにたまに聞く  義侠心、忠義、礼節、心意気、…  大津波大震災原発大事故の報道の中で、言い方は違ってもこういう心性を数々見聞きした  海外が驚嘆したのはこの心性だろう  だから恥ずかしい  首都圏での買い漁り、被災地での空き巣…

4月2日(土) 3.11原発大事故

4月、晴れがましい季節  入学式を待つ子  入社式に臨む若者  新天地へ赴任した大人  桜の季節とともにあるこうした年中行事は、直接の関わりを持たない私にも、例年明るい気分をもたらしてくれる  でも今年ばかりは、当事者も私も悲壮でやや暗い面持ちで迎えるしかない  大地震があり、大津波があり、原発大事故があって、まだ何も収束してはいないのだ


水や土壌が放射能に汚染されるとよく言われるが、実際の危なさはどうなのかが曖昧でわかりにくい  基準値の何千倍  「だから大変な事態なのか」と思うと、「ただちに健康に害を及ぼす心配はない」という  何倍になったら大変な事態なのかを先に言ってもらいたい  たいていのことは耐えられよう  何しろ普段は食品添加物だらけのモノ食べて平気だったんだぞ


食生活を顧みれば、慌てて水を買いに走ることもない  余程の添加物ギラギラでないならば、まぁ食べていたではないか  ラーメンなんか添加物だらけで、旨い旨いと食べていた  話は変わるが、政府は「東日本大震災」を正式名と決めたらしい  私はこれには異を唱えたい  原発隠しはいけません  少し長いが「東日本大津波大震災と原発大事故」がふさわしい

3月28日(月) 3.11千葉の春

東北の被害があまりにも甚大なため報道されることは少ないが、今回の地震では千葉県にも大きな被害が出た  太平洋沿岸では津波で十数人の犠牲者が出た  桁違いではあるが、行方不明者と合わせると東北3県以外では茨城に次いで多い  また東京湾側では激しい液状化現象が起きた  どちらも復旧には時間がかかりそうだ  内陸でも地域によっては被害が大きい


道路が波打ったり段差ができたり、ビルの外壁が崩落したり家屋の外壁に亀裂が入るなどしている  家の中は滅茶苦茶だった  仮に今回の地震が関東を中心とした地震で、東北では被害がなかったとしたら、マスコミは連日千葉の被災を報じていただろう  浦安にある東京ディズニーランドは今も休園したままだ  学校は春休み  勉強から解放された子どもや学生の多くが楽しみにするのは、家族や仲間うちでTDLへ行くことだが、今年はその楽しみもなくなった


そんながっかりは、東北被災地の激甚壊滅状態に比べたら贅沢言うにもほどがあるというものだが、巨大事業体ディズニーランドの休園は、やがて県の財政にも響いてくることだろう  TDL周辺の店舗も閉店している  桜の声も殆ど聞かない  とても寒い  去年も寒かったが、今年はそれ以上の寒さが続く  例年この時期は、真っ盛りの桜を見に行けるかどうか、日時のやりくりにやきもきするが、今年ばかりはそんな気にもならない  節電でいろんな店が薄暗い

3月24日(木) 3.11計画停電

首都圏では計画停電が行われていて、はじめのうちはずいぶん気を張って用心した  翌日の予定がどうなっているかを確かめる  これも当初は、夜遅くなってネットを見ないとわからなかった  ネットをやらないお年寄りなどは困り果てていたと思う  今は地元TV局がその日の停電予定を終日流しているので助かる  被災地のことを思えばたいていのことは耐えられる


だが計画停電については、腑に落ちないことも多い  たとえば、病院は停電するのにTV局は停電しないということ  TVでは、震災前に録画しておいたと思われるバラエティー番組なんかが放送されているのだ  停電しないTV局から垂れ流されるバラエティー番組と、まともな医療ができない停電中の病院や復旧作業中断の工事現場  これはどうにもバランスが悪い


TV番組の中で節電を呼びかける場面を何度も見た  しかしTV自ら「TVは消しましょう」と言っているのを聞いたことがない  夏の盛りには、クーラーと高校野球中継で電力が大量消費されることを、かつて何度も聞いた  TVは電力食いなのだ  安藤優子キャスターは「今すぐTVを消しましょう」とは決して言わない  TVが自らを消すことができないなら、私が消そう

3月22日(火) 3.11虫の知らせ?2

地震のそこはかとない予感だったのかなと、今思えることがもうひとつある  「このポイント、使わなくちゃ」  以前ポイントカードを作った店のレシートで、ポイント数を確かめてそう思った  ポイントは使うことなく貯まる一方であった  そして地震の少し前にすべて使ったのだ  その店は地震で閉店してしまった  建物に異変が起きて、店舗として使えなくなったらしい


こんなことばかり書くと、被災された人からお叱りを受けそうだ  何をのんきなと…  だが私にできることなど殆どないのだ  何もしないことこそ、せめて私にできるいちばんのこと  何もしない  買いに走らないということだ  米やパンが消えたときは少し慌てたが、被災地に回すのなら我慢しなくちゃいけない  我が家に食べる物が全然ないわけではないのだから


今までの生活をそのまま維持しようとするから、不安になるのだ  被災地でない所では、今までの7割の生活ができればOKだ  1回のご飯の量を少し減らすとか、明かりの照度を1段階下げるとか…  話は変わるが、7割どころか1割以下になったものもある  迷惑メールの数だ  太平洋の海底ケーブル4本が損傷した影響だろう  アメリカ経由ということがはっきりした

3月21日(月) 3.11虫の知らせ?

地震の少し前の私の行動には、いつもと違うものがあった  長い間放っておいた自分のgooブログに、久し振りに入ってみたのだ  「何も書かなくて済ませたいブログ」というタイトル  PC不調や災害などの緊急時に、携帯から連絡が取れるように開設しておいた  その存在を忘れていたので今回役に立つことはなかったが、いったい何故ログインする気になったのだろう


もうひとつ  地震の4、5日前には、PHSのウイルコムに災害時伝言板があるのかどうか、確かめたりしていた  ドコモやau 、Yahoo! などの災害板は時折見聞きするが、私が利用しているウイルコムにそういう仕組みがあるのかどうか、急に心配になってきたのだ  ウイルコムも一応対応していることはわかった  問題は何故私がそんな気になったのかということである


これが虫の知らせというものだろうか  話は変わるが、母がよく「関東大震災の年はとても暑かった  秋に入っても暑さがいつまでも続いた」と言っていた  だから猛暑の夏には母は「いやだねぇ」と、何処かで起こるかも知れない地震をとても心配していた  そして昨夏は、稀な猛暑であった  あの暑さは、そして今冬の大雪と低温は、今回の大震災と無関係なのだろうか

3月20日(日) 3.11募金強奪

まだ大勢の行方不明者がいて皆が悲しむ毎日だというのに、とんでもないヤツが松戸に現れた  そヤツは、若者たちが集めた災害募金を、因縁つけて奪い去ったのだ  「誰に断って商売してるんだ」と言ったらしく、始めはその言葉通りその筋の人がショバ代を要求したのだと思った  しかしいくらなんでも日本大変のときに、若者からショバ代要求するその筋の人はおるまい


昔とはだいぶ様変わりしたとはいえ、その筋団というのは全国規模のネットワークを持っているのだから、今回の被災地への関心は決して低くはないはずだ  ひょっとしたら誰よりも早く裏支援に駆けつけたその筋団だっていたかも知れない  そんなひとびとがショバ代稼ぎなどするだろうか  この犯罪は、その筋団のフリをした、しょーもないスカタンの仕業に違いない


全く恥ずかしい  松戸のその筋団はおのれの名誉にかけて、組織を挙げてこのスカタン野郎をあぶり出すべきだろう  取られたのは1万円  松戸の名を1万円で地に堕とす気か  ガソリンや灯油を抜き取るなどの犯罪が被災地で起きたり、買い漁りが首都圏で起きたり、少し恥ずかしい出来事はあるけれど、松戸の募金強奪事件は別格である  ひとでなしとはこのことだ

3月19日(土) 3.11大地震

地震発生時、私はたまたま都内にいたため、千葉県松戸市の自宅付近がどれほど揺れたかを知らない  震度を知ることはできても、揺れの体感とはだいぶ違うだろう  都内では帰宅困難者に開放された施設で一夜を明かした  小さいテレビを遠くから見て、千葉県市原市でコンビナート火災が起きているのを知った  東北の地震でなぜ市原が…事態が呑み込めなかった


お笑い芸人サンドウィッチマンの発言がきっかけかどうかはわからないが、その発言の日を境にテレビ報道が変わってきたように思う  それまでの数日は、どの局も烈震映像と津波映像の繰り返しで、被災者の安否といういちばん肝心なことがたしかに抜けていた  TVカメラがあと数センチ右を映していれば、知人の顔が映り無事が確認できたというケースもあっただろう


セ・リーグ公式戦29日開催が決定したようだ  当初の25日と大差ない  セ・リーグはローカルな都市野球団に堕したといっていい  現実感覚を欠いている  私は地震の夜、長蛇の列に混じってバスを2時間待ったが、目の前に煌々と明かりがともるパチンコ店があった  あぁ、世界が隔絶している、という感じをもった  こちらと向こうがつながっている感じがしなかった

3月8日(火) ドリップオン2

ドリップオン式というのはアイデアとしてはあり得る形態だろうが、多くの製品は使いづらい  工夫過剰のあまり、あるいは無神経のあまり、コーヒーを味わう前にかなりのストレスを味わうことになる  カップにかけにくい、かける仕方がわからない、どこを折るのだ…  製品ごとに工夫の凝らし所が違うから余計身につかない  こういうモノに業界基準を言うのも変だが…


お湯の分量の目安もつけにくい  挙句の果てにはお湯を溢れさせてしまい、がっかりということになる  前回書いた一部の割安品を除いて、有名メーカーのドリップオン式コーヒーにはどうもそういった扱いにくい傾向がある  市場に出回っている成熟度はかなりのものだろうが、そのわりには出来損ない商品といってもいいと思う  それでも忙しい時には大変ありがたい


コーヒーらしいモノを飲むことができるからである  緑茶でもなく紅茶でもなく、コーヒーでなくてはならない場面があるのだ  その逆もある  コーヒーではダメで、緑茶でなくてはならない場面というのもある  ところで前回、喫茶店のことを書いたが、コーヒーを飲むのにもうひとつ好きな場所があった  新幹線の中である  車内販売の紙コップコーヒー  あれはいい^^

3月5日(土) ドリップオン

コーヒーは喫茶店などでのんびり飲むのがいちばん好きだ  ごく稀に街へ出かけた折りは本来の目的とは別に、駅を降りたらコーヒーを飲めそうな店に目星をつけておいたりする  しかし最近はいわゆる喫茶店らしい喫茶店が少なくなってしまい、都心の駅前ですら探すのにひと苦労する有様だ  儲からない商売なのだろう  好きでなければ続けられないに違いない


コーヒーは好きだが、銘柄や淹れ方にこだわりがあるわけでは全くない  というよりもまるで節操がない  インスタントの安売りがあれば買いに走るし、レギュラーコーヒーは豆ではなく既に挽いてあるものを買ってるし、ドリップオン式のもよく飲んでいる  その時々で、どれもおいしかったりまずかったりする  総じてドリップオンは、安い物の方が味わい深いから不思議だ


あまりにも安いのはたしかにまずい  また大手数社のドリップオンははっきり言って使いにくいものが多く、工夫過剰の欠陥商品と思えるものすらある  一方スーパーなどの自社ブランド品や、仕事でいろいろ購入することのある事務用品通販会社の自社ブランド品は、なかなかのめっけ物であった  共通しているのは、どちらもカップへの掛け方が単純で使いやすい点だ


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