ことばの遊園地〜詩、MIDI、言葉遊び
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2012年

4月22日(日) トキかえる

トキのひな誕生の知らせはまず携帯に飛び込んできた  ニュースサイトからの臨時報だ  一瞬我が目を疑ったが、えも言われぬ喜びも湧いてきた  鳥が特別好きということはないものの、トキは別格  朱鷺色と呼ばれるあの身体で縄文の空を何百羽も飛んでいたかと思うとワクワクする  縄文どころか、評判の悪い大河ドラマ「平清盛」時代の都にも飛翔していたはずだ


「平清盛」は画面の汚さがいろいろ言われているが、ふと空を見上げればトキが何羽も飛んでいる光景なんかがあれば、ずいぶん印象も変わるだろう  CGで構わないからやってくれるとありがたい  時代考証に基いて画面を汚くしているというようなコメントを見たことがあるが、トキが一羽も飛んでいないことからしても、声を大にして言うほどの時代考証ではない気もする


昨日だったか、トキの卵を他の鳥が温めていたというニュースもあった  あれと同じ卵からかえったのかどうかは分からないが、もし同じ卵だったら人間より鳥たちの方が賢いということになる  鳥どうしの日中協力  このヒナを中国製と呼んであまり喜ばない人もいるかも知れないが、私は喜ぶ  ただし日本のトキが滅びていった頃と自然環境が同じだったらたまらないな

4月21日(土) かと期かと

例えば田中防衛大臣が予算委員会などで「尖閣諸島はどこのモノかご存知ですか」と質問されたとする  大臣は「日本固有の領土であることは明白です」と、たぶんこれは普通に答えるだろう  だがひょっとしてこう言うかも知れない  「日本固有の領土であることは明白かと」  そこまで言って大臣席に戻ってしまう  答弁を途中で打ち切るとは何だと大騒ぎになりそうだ


かとは注目すべき表現である  ネット上で時折目にするのだが、かとの用法と心理は微妙だ  とくに質問・相談掲示板などで、アドバイスする立場になる人が使う場合が多いようだ  「かと思います」まで敢えて言わない複雑難解な心意気  「新幹線なら1万円、飛行機なら9500円ですが、空港を出てからの足代も考えると、新幹線の方が安上がりかと」  だとじゃダメ?


(1)新幹線の方が安上がりだと思います  (2)新幹線の方が安上がりかと思います  (3)新幹線の方が安上がりかと  他にも言い方はあろうが、この3つのうち読んで心地良いのは(1)である  断定している一方「思います」で謙虚味をしている  かとで終える人は質問相談のその分野には詳しいようだ  だが、真の専門家は決してかとで終える答え方はしない

4月15日(日) よくわからないこと

地産地消、千葉では千産千消と書くが、その方向で物事を進めていくのはよいことだ  電力も例外ではない  千葉で使う電力は千葉で作ればいいのだ  少なくとも家庭で使う電力ぐらいは地元産にしたい  そうすれば危険な原発は要らないのではなかろうか  暑くてたまらない沖縄は、現に1県1電力会社だ  原発もない  それで電力不足になったとはあまり聞かない


AIJ問題  一千億単位での巨額の損失という表現はよく聞くが、巨額の消失という表現を見聞きするのは今回のAIJが初めてではないか  普通の経済事件ではないのだろう  普通は誰かが得しているから損失なのだ  AIJでは、誰かがうまいこと儲けたりだましたりの結果、お金がなくなったのではない  まごまごしてるうちにお金の価値がなくなったということかな?


北朝鮮ミサイルの顛末にどうも妙な感じがつきまとう  ちゃんと打ち上げる意思など始めからなかったのではないか  最高会議が2つ続けて開かれたようだが、金正恩関連の話ばかりで、肝心のミサイル開発の責任者が降格したとか処分されたという話は出てこない  2回続けての失敗、しかも今回は祝賀の意味が大きいはずなのに…  異例続きの寛容さは何だろう

4月12日(木) 十一面観音像

琵琶湖北岸に高月という所がある  現在は「観音の里」として売り出し中のようだが、前世紀の終わり頃、まだ駅前が殆ど観光客向けにはなっていなかった時分に、1度行ったことがある  その高月をこの春先にまた訪れた  前回も今回も目的はただひとつで、渡岸寺(どうがんじ)の十一面観音像を見ることだ  前回の印象があまりにも良く、再訪の機会を長い間待っていた


静かな里に不釣合いなほどの駅舎  以前とは違った駅前の雰囲気にまず驚いた  決してにぎやかになっているわけではないが、駅前に立派な学習塾ビルがでんと構えているなど、観音様に会おうと現実逃避の旅に出たにしては、私には残念な駅前と化していた  案内板がわかりやすかったり、トイレが綺麗だったりと、助かることは助かるが…  実はとても助かった^^;


さて観音様であるが、以前来たときとはどうも様子が違って見える  たしかもっと古ぼけた御堂の中にたたずんでいた気がして、係の人に聞いたら、空調設備などを完備した新しい展示館を造って、それがここだと言う  うーむ…  建物が新し過ぎて、何となくしっくりこないのだ  そういうわけで、宿題が発生した  2、30年後、建物が古びた頃にまた訪問するという宿題が

4月6日(金) ラジオ深夜便

明日と明後日の夜、事情を聞いていない中高年の人々の「アレ?!」というつぶやきと驚きが日本の至る所で渦巻くかも知れない  NHKラジオ深夜便の土曜日曜の開始時間が大きく変わったのだ  先週の土曜に別の番組を聞くともなしに聞いていたら、「来週から新番組…午前0時まで…」というような表現が聞こえてきたから、言い間違いか聞き間違いだと思っていた


どうやら本当に、土日の深夜便は午前0時に開始のようだ  そしてココが肝心なのだが、日曜の深夜便の前に放送していた「新・日曜名作座」は、午後7時のニュースの後に移った  朗読を基本とする「ラジオ文芸館」という番組は、とうに見放されて土曜の朝に移っている  さまよえる文芸もの  ラジオに耳を傾けたい  それも静かに傾けたい  それは夜しかないと思う


深夜便の話から始まったが、別に深夜便にこだわっているわけでもない  最近の深夜便はちょっとつまらなくなった  昔に戻れないだろうか…  深夜便が始まる前だ  「ラジオ文芸館」や「(新・)日曜名作座」、それに「吉川英治名作選」などから始まる静かな夜をまた味わいたいものだ  明日から始まる土日の夜はすべて若者向け番組らしい  騒々しい予感がするなぁ

3月26日(月) さざれ石の2

「君が代」唱和に、何故いい印象がないのだろうか  「君が代」唱和といえば、押し殺したような声、ズルズルと地を這う呻きのような声、仕方なく歌っているような抑揚のない声で歌うのが常で、それが「君が代」歌唱法の基本だ  子供の頃からの唱和機会で、「君が代」とはこうして歌うもの、こうして歌う以外に歌い方はないものと思い込んできたというのが正直なところだ


ところが甲子園唱法のおかげで、「君が代」の旋律の良さを初めて理解した  もっともあれを、その場にいる全員で歌ったらやはりズルズル呻きの無抑揚となろう  「君が代」は、ソロで歌うのがいいということだ  つまりそういう歌なのだ  いい旋律といっても、始めから終わりまで同じ長さの音符が続く特殊旋律だ  上手い人だけが歌いこなせる難曲なのだ  そこで提案


卒業式も入学式も、ソロでやる  上手い人を招くわけである  プロでなくてもいい  音大声楽科を出る人は毎年たくさんいる  これなら、主役の生徒そっちのけで管理職が職員ひとりひとりの口元を凝視するなどという特高みたいな行為をしなくても済む  誰も緊張しなくて済む  卒業式はとにかく平和に、穏便にやってくれ  もうごめんだよ、毎年毎年くだらない騒ぎは

3月23日(金) さざれ石の

選抜高校野球で毎年こういうことが行われていたとは、うかつにも知らなかった  高校生による「君が代」独唱である  今年の開会式をTVで見ていたら、ひとりの女子高校生が演台に楚々と近寄っていった  何事かと思ったら、独唱が始まったのだ  びっくりした  「君が代」がこんなにいい歌だったとは…  のびのある美しい声で歌うと、暗いイメージなんか全然ない


調べてみたら、YouTubeには2007年の映像が残っているから、もう5年ほどは行われているわけだ  空に吸い込まれていくような朗々たる声  これを聴いて心を動かされない人がいるだろうか  私たちは「君が代」の正しい歌唱を今まで本当に体験してきているのだろうか  歌うにしろ聴くにしろ、何かいい加減にというか、心を込めて歌うことを拒んできたのは確かだ


その事情はもちろんわかってはいるつもりだったが…  高校生の朗唱を聴いた今となっては、少なくとも「君が代」がいい歌であることを否定できない  私が歌い(むしろ歌わされ)、聴かされてきたのは、実は「汚い君が代」だったのではないか  式典やスポーツなどで唱和される君が代  学校で歌わされる君が代  大相撲の君が代  どれも、決していい印象はないのだ

3月5日(月) 財源確保の奇手

消費税増税がいよいよ本当になりつつある  打出の小槌みたいな魔法の消費税、1度手をつけたら際限なく上がることは明白だ  財源確保にはもっといい方法がある  選挙税だ  以前本欄で、投票した人としない人に何らかの差をつければ投票率が上がるのではないかと書いたことがあるが、それは投票率向上のための案だった  これを税化すれば大きな財源になる


最近の衆議院議員投票率は60%前後だから、仮に有権者数を1億人とすると約4千万人が棄権していることになる  選挙税は、投票しなかった人にかける税で、1人10円としても4億円、100円なら40億円  しかし10円や100円ではさしたる行動変化は生まれないから、1人1万円だ  4千億円の財源が生まれるわけだ  地方選も含め、実際には選挙は幾つもある


この方法のいい所は、制度内部に改革の芽を宿していることだ  お金を払うのがいやな人は投票に行く  低収入だったりアルバイトで食いつないでいる学生などは、当然現状を変えたい思いがあるだろうから、変革を訴える候補者への投票につながるわけだ  棄権しても構わない気分の時は税が増え、変革したい気分の時は投票によって政治が変わる  迷案だ^^;

3月4日(日) 黒いオルフェ

これが音に聞こえたあの「黒いオルフェ」?  無知とは悲しいものである  何も知らずに映画「黒いオルフェ」を見始め、キョトンとしつつ見終えた  脚本が滅茶苦茶だと感じた  何というか、継ぎはぎを繰り返したような…  でもカンヌ映画祭ではグランプリ、米ではアカデミー賞外国語映画賞を獲った権威ある作品なのだ  私の理解できない良さがどこかにあるんだろう


それで調べ始めたら、ネット上でも毀誉褒貶感動失望様々なのを知った  あぁ、ギリシャ神話のオルフェウス物語を当時のブラジルに移植した設定なのか  無知も極まれりだ  何か妙なエピソードが随所にはめ込まれてるとは思ったが…  オルフェという名前から類推できるというもんだ  ではギリシャ神話を知ってればもっと楽しめたかというと、それもどうも言えそうにない


50年以上前の古い作品だが、音楽があまりにも有名なのでいつかは見たいと思い続けていた  たしかにオルフェの奏でるギターや歌は素敵だったし、カーニバルの音楽は聴く人を圧するものがある  美しいカットシーンや風景にも魅せられた  だが肝心のストーリーが、賞を獲るようなものとはとても思えない  カーニバル紹介やブラジル音楽紹介の功だったのだろう


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