演歌イベント観戦記2006
入間演歌コンサート・2006年4月2日
2006年4月2日、私は、「入間で演歌・ふれあいコンサート」に行ってまいりました。
以下は、私のその時の様子の記録です。
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水元亜紀さん
曲目は、新曲「港思い草」、前作「エサホイ女節」、ともに新曲CW「故郷恋しや」「浮草人生」でした。
前作の「エサホイ女節」はリズム感のあるパワー演歌でしたが、今回「港思い草」はしっとり系統の本格演歌です。また、今回はマキシシングルでCW2曲。
「故郷恋しや」は水元さん自身が作曲した作品で、水元さんのふるさと岩手(特に沿岸部)の地名が多く取り入れられております。また、「浮草人生」は夫婦
ものでパーッと歌い上げるタイプの
演歌です。
ファンの方への思いを感じるのは、いつもファンの方も参加できるようなイベント用意もあります。今回、「エサホイ女節」では、「エーサエーサエイサッサ」
という歌詞の部分をファンの方にも応援してほしいということもおっしゃっておりました。しかし、続いて「間違っても、続いて”おさるのかごやだホイサッサ”
ではありません」という
ユーモアも。やはり、このような部分も大事なところですね。
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神園さやかさん
曲目は、新曲「おじいちゃん」、デビュー曲「はじめての人」、「港町一三番地」、「木綿のハンカチーフ」、前作「あしずり岬」でした。
新曲「おじいちゃん」はNHK教育テレビ「日本語なるほど塾」で生まれた、家族愛を歌った現代風演歌です。現代風というのは、歌詞の中でおじいちゃんからの
「メール」を「永久保存」するという内容があったり、「たった一人の孫」があったりするからです。ちなみに、CWは「remember」で、神園さん出身の広島の
Jリーグチーム・サンフレッチェ広島の公式応援ソングだからでしょうか、歌唱されませんでした。
美空ひばりさんのように、ジャズ、演歌、何でもこなせる歌手を目指すという意気込みがあります。その意味で「港町十三番地」「木綿のハンカチーフ」の歌唱
も象徴的だったと思います。
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星野小百合さん、ヤン・チェンさん
曲目は、星野さんは新曲「あなたといつまでも」、デビュー曲「日光街道」、新曲CW「片恋椿」、ヤン・チェンさんは「北国の春」、新曲CW「青蔵高原」、
新曲「愛することしかできない」でした。
30分の歌唱時間に2人の紹介ですからかなり急ぎ足になりました。星野さんは地元埼玉県出身ということで特に気合が入っておりました。20歳になった
ばかりでもあり、今年さいたまスーパーアリーナでの成人式国歌斉唱も担当されました。「日光街道」も埼玉県を通っているというのもあります。新曲「あなた
といつまでも」はリズム感のあるポップ系演歌で非常に覚えやすいのに対して、CW「片恋椿」はしっとり系です。
ヤン・チェンさんの「愛することしかできない」はせつない女性の心を歌ったラブソングで、今回は作曲の千田裕之先生も来場されました。有線で10週連続ランク
上位に入るなど好評中です。「青蔵高原」は中国の壮大な景色を思い浮かべることのできるメロディーが印象の作品です。実は、阪神・淡路大震災でのボランティア
活動もデビューのきっかけになったそうで、長い人生、何がきっかけで変わるか分からないという一例だと思います。それだけに、がんばっていれば何かよいことが
ある、と思う気持ちは大事です。
実は、この2人が共演されるのは、3年前のNHK歌謡コンサート以来ということでした。
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大城バネサさん
曲目は、新曲「絆船」、デビュー曲「鴎も飛ばない海だよ」、「女の漁歌」、「望郷じょんから」、新曲CW「南風」でした。
祖父・祖母が沖縄からアルゼンチンへの移民ということで、日系3世の歌手です。アルゼンチンといえば、日本から見れば地球の裏側にあたり一番遠い国です。その
遠さについて、大城さんの紹介では、日本から飛行機で36時間かかるということでした。また、祖父・祖母の時代は船で3ヶ月ということでした。本当に遠さが実感
できますが、そんな地球の裏側でも「日本の演歌」を聞いて、日系カラオケ大会でも活躍された実績を持ちます。また、アルゼンチンという国は大変広く、ブエノス
アイレスから海を見るためには車で4時間、山を見るにはバスで12時間もかかるので、(国内のどこからでも山が見えるし、海を見るにも簡単な)日本は良い国だ、
という話もされました。
また、今回は司会の豊田アナが学生時代にスペイン語を習ったということもあり、簡単な講座コーナーもありました。「オッラ(こんにちは)」「アミーゴ
(友達)」「グラッシアス(ありがとう)」「さようなら(チャオチャオ)」などが紹介されました。"さようなら"の意味で「アディオス」というのは、嫌味な意味
でのお別れである、というのも紹介されました。そういえば、WBCでアメリカがメキシコに敗れて決勝トーナメント進出を逃したとき、皮肉交じりに「アディオス」と
いう言葉が使われていたのを思い出しました。
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Mr.中村半次郎さん
曲目は、新曲「平成任侠伝」、新曲CW「風劇場」、「旅姿三人男」、「星影のワルツ」でした。
宣伝ポスターに「気になる奴」という触れこみがあり、ただの「中村半次郎」ではなく、「Mr.中村半次郎」という名前にも現れております。3年前はトラック
運転手だったのですが、「歌のうまい男性がいる」という噂から、今年1月にデビューしたばかりで、あの中村玉緒さんが名付けたということでもあります。そし
て、一連の山野楽器イベントでは、入間のみならず、八尾、浦和にも出演予定があるそうで、新進気鋭で宣伝にも気合の入るところです。
今回は、トラと竜の柄の入ったジャケット衣装での登場でしたが、ここに来てみて「しまったと思った」そうです。「埼玉だからライオン(獅子)の柄を着て
くればよかった」そうです。そう、ここは西武電車の入間市です。 「名古屋や大阪ならこれ一枚で済むけど」…というのにも会場の笑いを誘っていました。
座右の銘が「周りは敵と思え」。でも、「平成任侠伝」「風劇場」ともに義理と人情を歌い上げた歌でもあり、他の歌手があまり歌わない系統でもあります。
目指す歌手像が「自分しか歌えない歌を歌える歌手に」これこそがこの世界での非常に大事な意気込みでもあります。その意味でも、新曲のタイプには大いに
期待したいところでもあります。
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小沢亜貴子さん
曲目は、2前作「いろはにほへと」、前作「東京エレジー」、「夜桜お七」、新曲「虹の向こうに鐘が鳴る」、新曲CW「季節の私夢話」でした。
前作はレトロチックムード系曲調でしたが、新曲はポップ調の歌いやすい幸せ系統の曲で、80年代のアイドルポップ系統を思い出させるような内容です。
やはり、この時期であるということで、桜の話題が多く取り上げられておりました。桜まつりを「はしご」してきた話もありましたし、これからも桜まつりで歌う
予定も組まれています。やはり、「お花見」ということでライブ感が良いという紹介もされており、本日歌唱された「夜桜お七」などはぴったりですね。 また、
オフには趣味のボーリングで楽しむことも多いそうです。さらに、新潟でブランド「亜貴子米」が作られているという話もありました。
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・全体印象
この4月1・2日は南関東では桜が満開になっておりました。ということもあり、女性歌手の多くが桜色の着物での登場でした。入間市駅の一つ手前、稲荷山公園の桜も
まさしく見ごろ。祭りが行われていたようです。
さて、昨日に引き続いてのイベント観覧です。と、会場に来ると屋外では…少女向けアニメ「ふたりはプリキュア」のショーイベントが行われていました。実は、
このようなイベントが行われているそばで「演歌イベント」というのは、業界にとっては本来は非常に理想的な手法でもあります(特に、少年アニメよりも女子
児童向けイベントの方が、将来の演歌業界に興味を持ってくれる意味もあり大きい)。その意味で、「ふたりはプリキュア」イベントに参加した、娘を持つ家族連れが
演歌イベントにどれくらい流れてくれるか楽しみなところがありました…しかし、脚を伸ばした家族連れはあまり多くありませんでした。やはり、娘の親も「演歌」
に興味を持たない世代であるというのが如実に現れた結果なのでしょうか。
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