演歌イベント観戦記2003
 
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27.銀座演歌まつり2003年5月14日編  28.亀戸夏祭り2003年8月24日編  29.銀座演歌まつり2003年10月4日編

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2003年4月5日、私は、「銀座で演歌・ふれあいコンサート」に行ってまいりました。
以下は、私のその時の様子の記録です。

 

4月5日の出演は、11時から永井裕子さん、12時から藤原浩さん、
13時から三船和子さん、14時からチェウニさん、15時から岡ゆう子さん、
16時から嶋三喜夫さんでした。

 

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永井裕子さん

 曲目は、新曲「菜の花情歌」、前作「哀愁桟橋」、「帰ってこいよ」、「王将一代小春しぐれ」、「あばれ太鼓」でした。
 前作「哀愁桟橋」が好評で、日本流行歌大賞、同新人賞のダブル受賞、という快挙も成し遂げたそうです。この賞は、過去に、大月みやこさん、藤あや子さん、 伍代夏子さん、香西かおりさん、近年では、服部浩子さんも受賞されたそうで、まさに一流演歌歌手の、または一流歌手への登竜門となる賞である、といえます。 永井さんも、若さあふれる新進気鋭の歌手だけに、上に挙げた錚々たる歌手に、追いつけ、追い越せ、との意気込みでしょう。この「哀愁桟橋」がヒットして、 カラオケで歌うファンが多かった、ということがあり、自分の持ち歌でなくなるのでは?との心配もされていたようです。
 前回も、永井さんのステージを拝見したのですが、今回も(新たなファンのために)出身地の佐賀県について、「九州で一番最後に出る、福岡の隣は長崎では ありません、佐賀ですよ」との紹介をされました。今回のステージでも歌唱された「帰ってこいよ」は、佐賀県から上京した際に、帰りたいと思うたびに口ずさ んだ歌、とのことで、非常に思いいれの大きい歌です。この日は大雨で、しかも大変寒い一日だったのですが、永井さん自身、元気を取り戻す歌を歌って、暖か くしよう、との意気も感じました。現在、後援会開設準備中、ということもあり、これからの活躍を予感させます。
 新曲「菜の花情歌」は、タイトルから見るだけだと、暖かい感じの歌にも見えるかもしれませんが、実は、女性の激しい、熱い情念を歌った、本格演歌です。 永井さん自身、タイトルから来るイメージと、中身の「ミスマッチ」もこの曲の良さ、との表現をされていました。

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藤原浩さん

 曲目は、「未練のグラス」、「命のひと」、「黄昏のビギン」、「恋しぐれ」、「純子の涙」、新曲のCW「流れて日本海」、新曲「落日」でした。
 今回、初めてステージを拝見しましたが、藤原さんには、特に熱心なファンが多い、という印象でした。最近になってテレビ出演も多くなった、ということも あり、ファンの拡大が進んでいるのだと思います。ムード系歌謡曲を中心に歌う歌手で、ステージでは個性的な面を強調されていました。「命のひと」について は、水原弘さんの「君こそわが命」を彷彿とさせる、との表現をされていました。また、「本日は雨だから、”雨に咲く花”だと思うところですが、それではなく て、”黄昏のビギン”(♪雨がやんでた〜、”いや降っている”との突っ込みもありました)です」との紹介もされました。また、「純子の涙」を歌う予定で、 会場の中で「じゅんこ」さんを探していたようですが、いなかった、ということで、代わりに、「としえ」と「せつこ」で歌った、というシーンもありました。 (本当は2人の女性を愛したらいけないのでは?と、私的には、余計な突っ込みを。。。)
 新曲「落日」は、長く歩んできて、人生を思い返すシーンを描く、新しい感覚の歌で、360°さんとの競作作品となった、という話題の曲です。聞き比べ、 という楽しみと、両方の作品のそれぞれの良さを感じられそう、との印象が強くあります。(4月20日、360°さんのも聴きますので〜)

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三船和子さん

 曲目は、代表曲「だんな様」、新曲「女の劇場」、「女のさだめ」、「他人船」、「契り川」でした。
 三船和子さん、といえば「だんな様」「だんな様」「だんな様」〜と三船さん自身も会場で強調されていたのですが、あるコンサートで、三船さんの目に写真 が映り、それが三船さんの「だんなさん本人」だった、ということで、びっくりした、との話がありました。で、「だんな様」以外にも多くの名曲があるのです が、その歌声の特徴、「三船節」に多くのファンがおります。ベテラン歌手で、昭和40年にデビュー3年、2作目の「女のさだめ」では、「まだ、演歌の歌詞 の心が分からない時分に〜」との話もされていたのですが、現在では、「女性の恋愛の心理も分かるようになり、歌詞の心も分かる」との話をされていました。
 さらに、キャリアの長さは、ファンを大事に、さらに(特に底辺を)拡大しようとの姿勢にも現れています。ファンにマイクを向けて歌ってもらったり、また、 「最近、演歌のテレビが少なくなり、テレビに出る機会が少ないので、ファンのリクエストが頼りです」、続けて、「三船和子”女の劇場”とか、藤原浩”落日” とか・・・」(藤原さんは、三船さんの事務所の後輩です)というように、同じ事務所の後輩にもエールを送り、この世界での生活を支える皆様を大事にする、 まさに、ベテランならではの心遣いも感じました。そして、韓国で「日本の歌を歌うのが解禁されてから、初めて韓国で歌った歌」が「契り川」だったそうです。
 新曲「女の劇場」は、三船さん自身、鳥肌が立った、というほど、女性の熱い恋の情念を歌った曲です。ファンにも歌っていただいて、ヒットにつなげたい、 との意気込みを表現されていました。

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チェウニさん

 曲目は、デビュー曲「トーキョー・トワイライト」、「Tokyoに雪が降る」、「星空のトーキョー」、「セピア色の雨」、「最愛のひと」、新曲「池上線」でした。
 デビューから4年、この会場ではおなじみの顔となりましたが、毎回ファンの声援の多い歌手です。「東京を舞台にした女性の恋心」を歌い続ける中にあって、 今回の新曲「池上線」は、おなじみの、西島三重子さんの名曲のカバーとして、アルバム「Tokyo  トーキョー 東京」に収録されたものをシングルカットした ものです。チェウニさん自身は、初めてこの曲を聴いたとき、すぐに、頭にこの歌の歌詞の場面を描くことができた、というくらい、思い入れをすることができ たそうです。チェウニさん自身、池上線に初めて乗った際、窓の外の家々が手に届きそうな中を走っている、との印象を持ったそうです。また、曲調も、韓国で 以前に流行したタイプなので、チェウニさんにとって、頭に入りやすかった、ということでした。
(歌詞は、「♪古い電車の〜」で始まるのですが、現在の東急池上線は、すべて銀色のステンレスカーで結構新しい車両なのです。それでも、現在の東急電車の 中では、一番古い車両もあります。私は、東急池上線には16〜17年前くらいに初めて乗ったのですが、その当時は、まだ緑色の古い車両が走っていました。 この会場では、池上線の昔の電車を「いもむし電車」と表現されていたのですが、鉄道ファンの中では、「カエル」と呼ばれていた電車だと思います。「いもむし」 は、鉄道ファンの中では、先ごろ引退した名鉄電車の戦前タイプの電車のことをいいます。余談ですが、宣伝用の歌詞カードに載っている電車は、どう見ても、 大井町線にしか見えません・・・)
 会場では、また、チェウニさんが「お足元が悪い中・・・」という表現をされていたのも印象的でした。日本語の中でも、敬語の表現は結構難しい、という話 を聞くので、大変勉強もされている、というのを感じます。

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岡ゆう子さん

 曲目は、新曲「しのび川」、「うちの亭主」、「浮草の宿」、新曲のCWの、「砂沼夜曲」でした。
 今回、歌唱された中では、「うちの亭主」は、実は、マラソンの小出監督が、「これなら歌える」と愛唱歌にされていることがワイドショーにも取り上げられ たことです。私はそのことはよく知らなかったのですが・・・また、新曲のCWの「砂沼夜曲」の「砂沼」とは、茨城県の下妻市にある湖で、桜の名所としても 知られているところです。公園となっていて、湖にかかる橋を渡るときに、この「砂沼夜曲」が流れるような仕掛けもあるそうです。
 今回、岡さんの歌唱に合わせて、会場のファンが曲を歌うシーンが続いた、というところに、ファンの熱心さを感じました。「浮草の宿」は、カラオケファン にとっては定番とも言える愛好歌になっているそうです。「艶歌」の岡ゆう子さん、とも言われるのですが、「艶歌」というジャンルは、一般のファンにとって、 歌いこなすのが難しいそうで、だからこそ、コアなカラオケファンは挑戦したいタイプの歌手である、というのだと思います。
 今回の新曲「しのび川」は、作曲の市川昭介先生が、病気入院中(現在は元気です)にかかっている中で書かれたそうで、その中で先生に、「ゆう子ちゃん、 一人でも聞いてくださる人がいれば、心を込めて歌ってね」とのありがたい言葉を頂いた、との話がありました。今回の新曲もそうですが、岡さんの歌の場合、 曲のアレンジ(古風な琴の音色)に特徴があり、その曲と、岡さんの歌声の響きの組み合わせを堪能できる、という大きな特徴を感じます。

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嶋三喜夫さん

 曲目は、新曲「夕焼けわらべ」、三橋美智也さんのメドレー(会場からのリクエストも含む、「古城」、「おんな船頭歌」、「リンゴ村から」、「達者でナ」 など)、前作「里がえり」、新曲のCW「君の町旅の町」でした。
 今回、嶋さんが最後だから、司会者から、「一日中天気が悪いのに、最後が嶋さんなので残ってくださったファンが多い」との紹介がありました。毎回、この 銀座イベントで、ファンからの三橋美智也先生のリクエスト募集コーナーをされているのですが、今回は、私も一声「達者でナ!!」と。少しして、嶋さんの反応 「達者でナ?」というのがあったので、応えてくださった、というので大満足でした。で、実際に「達者でナ」を歌うにあたって、嶋さん「今日は馬に乗る人、 ジョッキー、大変だろうなぁ」との言葉もありました(私も競馬をよく見るので、リクエストした、というのもあります)。で、リクエストコーナーで、いつもの ことなのですが、「港のカナちゃん」という声が今回もかかりました(この歌には、振り付けの特徴があるのですが、今回は残念ながらありませんでした)。
 新曲「夕焼けわらべ」は、前作「里がえり」と同様、「NHK新ラジオ歌謡」の曲になっていて、その関係もあり、今年は念願の「NHK歌謡コンサート」の 初出場も果たし、嶋さん自身から、「この初出演が原点だと思って頑張ります」との力強い言葉を頂きました。「望郷の懐かしさ」をテーマにした歌に加えて、 今回は、CDジャケットには、谷内六郎さんの描かれた、「週刊新潮」の表紙のイラストが使われています。

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全体印象

 この日は、今年の春の「銀座演歌イベント」の中で、最悪の天候、冷たい大雨の一日になってしまいました。特に、この日は、パンフレットを見ると、個性的 で、特徴のある歌手が勢ぞろいしただけに、天気がよければ、もっと多くのお客様が来られたのでは。。。と思っただけに残念です。その証拠に、最後のほうは、 お客さんも少なくなってはきていたのですが、CD即売会には、実は普段の晴天のときと同じくらいのファンの列ができていました。即売会に並ぶ方が多い、と いうことは、本当に熱心なファンが多い、との証拠でもあります。ただ、以前にも述べたように、「固定」のファンは来てくださるのですが、「新規」のファン を開拓する、という意味においては、この天気では・・・ということでしょう。
 その意味では、もう一度、この歌手の皆様が、晴天の日に勢ぞろいしてくだされば、との思いを強くした一日でした(今回は、キングレコードの方が4名です ので、今回と近いラインアップができることを期待しています)。

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