出演者
「父娘鷹(日舞付き)」「瞼の母」「命果てるまで」
「父娘鷹」では、手違いから、スタッフが、歌唱付きを流すべきところを、カラオケの方を流してしまったというハプニングが起こった。そのため、歌唱と踊りが 別物であるということが分かってしまった。歌いながら踊れたら、もっとよかったので、これからの修業しだいで、踊りながらの歌唱という業もできるとは思う。 「瞼の母」は、さすがに、年代を重ねた歌手らしい台詞付き、ただ、一生懸命さを感じたけれど、その感じがかなり前面に出たような歌唱だった。「命果てるまで」 は自身作詞のオリジナル曲ある。出だしの所から感情が入ったような歌唱であった。これは、これでいいのだが、さびの部分での感情に、少し足りない部分が出る ような感じがした。ただ、年代を感じさせるいい歌唱で、しかも、日舞の業もあるので、これからのアピール次第でいい活動ができるという感じだった。
「俺の出番はきっと来る」「まっぴら御免」「愛の海」
全体的な印象は、スナックで歌っている歌手で、八代亜紀さんをほんの少しスケールを小さくしたような感じであった。ムード歌謡に非常に合った姿、声であった。 声に非常に張りがあった印象だった。「俺の出番はきっと来る」は、米倉ますみさんのヒット曲でしたが、米倉さんの歌唱とは、また違った味を出していたような感じを 受けた。ただ、フラットな印象だという感じはあったが、感情の入れ方など、うまさを出していた。「まっぴら御免」は、ブルース調の曲に、間にコーラスを入れた曲 で、コーラスの入った部分は、そこに声を集中できるので、歌いやすい歌という印象があった。「愛の海」は、「まっぴら御免」とは違うムード歌謡であった。 握手をするため、ステージを降りるとき、少し声が小さくなったのは、少し残念。曲想は、まさに「愛の海」にふさわしい曲であった。
「明日花」「恋ちりめん」「夫婦海峡」
全体的に言えば、スタンダード演歌を歌っていた印象だった。「明日花」は、新曲で、裏声を中心に歌っている印象があった。最後の場面では、さすがの盛り上げ方 をしていた印象が強く残った。ただ、最後の盛り上げに行くまでの過程にもう少しの工夫があれば尚よかったかも。「恋ちりめん」「夫婦海峡」も、大体が、今までの スタンダード演歌に近い曲だっただけに、もう少しアピールをするためには、歌い方に工夫が欲しいかなという気はした。全体的にフラットに歌って、最後だけ盛り 上げるというのではなく、もう少しメリハリをつけるとか。でも、ムードは非常によく、最後の伸びは、両曲とも、すばらしいものがあっただけに、ヒット曲にめぐ まれることが、必要だと思う。
「八王子ラブストーリー」「会津の小鉄」「忘れたいの」
「八王子ラブストーリー」は、スタンダードムード歌謡(昔の石原裕次郎さんのような)で、低音中心で、少し盛り上げに欠ける部分はあったような気がしたが、 さびの部分にかなり声が伸びていたので、その歌唱にあった歌が欲しい。「会津の小鉄」は、当日のエントリー変更で、少しフラットに歌っていた印象があった。 低音中心のうたであったが、少し苦しそうに歌った印象があった。その意味で、「忘れたいの」はブルース調で、最後に伸びるのは、さすがにムード歌謡の歌手と いう印象を持った。ただ、曲のさびの部分、やや伸びが足りなかったかもしれない。全体的には、もっと、歌唱の伸び方にあった歌を作ってくれれば、いい歌が できるとは思う。
「のれん酒」「命くれない」
ここの司会をしてくださった、エンターテイナー新山さん。ただ、「のれん酒」は、自分で作って(歌詞)いるわりに、歌詞を間違えたところもあり、少し残念。 やはり、司会の漫談が合っているようだった。「命くれない」は、自分では歌わず、手話的なことをしていた。司会者としては、楽しませてくれたので、非常に よかった。
「あなたしか見えない」「ちょうどいい人」「ダイアナ」
この日、専門の歌手としては、初の男性歌手(新山さんを除くと)の登場。そして、さすが、男性歌手らしく、「あなたしか見えない」では、低音部に張りのある声 が聴けた。ただ、歌い方もあるのだろうが、少し外し気味の歌い方をしていたので、大ホールになると、その外したところが目立つような印象があった。 「ちょうどいい人」では、歌詞の中にメインとなる「ちょうどいい人〜」の部分の響かせ方に、少し足りないところがあったという印象だったが、歌詞の命なので、 もう少しうまく響かせることができるとは思う。入りの部分の響きも少し?という部分もあったが、ムード歌謡に非常に合った歌手で、加門亮さんを目指せば、 いい歌手になれる印象があった。さらには、JーPOPも歌えそうな、いい歌手になりそうなのは、「ダイアナ」の歌いから感じることができた。
「夏椿」「十六夜未練」「真っ赤な太陽」
この日見た歌手の中では、最高レベルの歌唱。「夏椿」「十六夜未練」は、両A面になっているらしいが、両曲とも、感情をよく込めた歌い方になっていた。 さすがに、レコード会社が、「男性歌手の氷川きよしさんと並び、売りだしに力を入れる女性演歌歌手」と言ってただけのことはある。「夏椿」では、メリハリの 利いた歌声と、感情の入った歌唱力が、私の心を堪能させたといえよう。響かせ方も、他の歌手とは違い、男声に囲まれても、十分な力を披露してくれた。 「十六夜未練」は、低音中心の歌だったが、フラットな中でも、迫力十分の歌唱をしてくれたという印象が残っている。「真っ赤な太陽」も歌いこなしていただけに、 すぐに歌番組に出してもいけそうないい歌手の印象が強い。また、トークも非常にうまく、これからの演歌界を背負う人材であることは間違いないと思う。ただ、 歌う歌が、競争率の高い分野に入りそうなだけに、ヒットの行方が重要になるだろう。
「俺だけの女」「茅ヶ崎ブルース」「お酒と一緒に泣いてます」
歌って踊れる演歌歌手を目指すという岡田さん(少し大柄)だが、スタンダードムード歌謡といった印象で、五木ひろしさんの歌声を目指している印象を受けた。 男性らしく、伸び、迫力という点で、十分な印象があったが、ただ、それ以上、となると、なにか足りないものを感じるように受けるかもしれないという点もあった かも。響かせ方などは、非常にうまさを感じた。ただし、「俺だけの女」(デビュー曲)の場合、ヒットは、どうかな、という印象もあっただけに、ヒット曲を出せる かどうか、これが浮上のかぎになることは違いない。「茅ヶ崎ブルース」(新曲)などは、ご当地からヒットさせる意気込みがあって、非常に好感が持てる。 「お酒と一緒に泣いてます」もブルース系であるので、踊り、とはマッチしない感はあるのは確かだが。
「裏町酒場」「恋は蜃気楼」「そばにいて」
韓国出身の演歌歌手多美さん。日本の演歌のルーツは、韓国という話を今日初めて聞いた。第2のケイ・ウンスクさんキム・ヨンジャさんを目指して行くのだろうが、 確かに、韓国系のアクセントが歌の中にあった事は確かである。「裏町酒場」は、美空ひばりさんの歌を多美さん流に歌いこなしてはいたが、途切れ途切れで、 まだ歌いこなせていない感じを持った。少し声の小ささも気になったが、やはり、韓国と日本の言葉の違い、文化の違いに、まだ戸惑っているところがあるのかも しれない。オリジナルの「恋は蜃気楼」にも、息の入れ方、響かせ方に国の違いを感じるものがあり、この歌声が好きだという人にはこたえられないのかもしれないが、 「そばにいて」では、すこし外していたような印象もあるが、これからの修業次第で、大きく伸びて行く可能性が感じられた。特に、韓国系の日本演歌を好きという人 に売り出すことが求められよう。
「忠三郎旅唄」「風雪ながれ旅」「玄海男歌」
本日のトリを飾る静太郎さん。今度には「サブちゃんと歌仲間」にも出演するとあって、これからの活躍には一番近い歌手であるということはいえる。 「忠三郎旅唄」では、入りの声の大きさがやや小さいと思ったが、やや、声が詰まる感じの印象を受けた。演奏に比べて、声が小さいところと、さびの部分では、 突然大きくなるような印象があったので、両極端な印象に聞こえた。無理に、極端に声を伸ばした感じがあったのが残念。「風雪ながれ旅」は、北島三郎さんの 大ヒット曲だが、さすがに北島さんのようなメリハリのきいた歌声には、まだまだという印象だった。入りの部分は、よかった感じはしたが、裏声になりやすい 感じだった。「玄海男歌」は、新曲だが、タイトルを見たとき、ど演歌系だと思っていたら、実はロック系の元気な歌で、これを演歌として売り出せば、ヒット する可能性は十分にありそうだ。意外に、声の入れ方が、少し不足している印象はあったが、これから活躍が期待できる歌手のひとりであることは、間違いない。巣鴨の駅前のレコード店で、岡ゆう子さんの「夢盃」のキャンペーンが行われていました。歌謡劇場へ行くついでなので、聴いてきました。かなり喉が鳴る歌を 歌っている印象を持ちました。