ユーラシアの眠り(田村奈津子詩集『人体望遠鏡』より)                                        vol.22 


     今  銀     笑  嘘     お  マ     西  南     誰  空     水  名     細  竜       ユ     田    
     夜  の     わ  を     や  ン     の  へ     か  か     の  付     胞  の            村    
        匙     な  つ     す  モ     言  向     が  ら     傾  け     の  骨       ラ     奈    
     大  に     い  く     み  ス     葉  か     喉  降     き  た     気  を       シ     津    
     き  た     と  と        の     を  う     を  る     を  も     分  煎       ア     子    
     な  ま     島  血     二  骨     日  風     つ  釣     生  の     を  じ       の     詩    
     河  っ     は  が     十  を     干  に     ら  針     き  を     な  て       眠     集    
     に  た     見  濁     世  煎     し  乗     ぬ        る  ほ     だ          り      ┐   
     な  水     え  る     紀  じ     す  っ     い           ど     め                人    
     る  を     な        の  て     る  て     た           い     た                体    
        飲     い        騒                             て                      望    
        ん              音                                                    遠    
        で                                                                   鏡    
                                                                           └     
                                                                            よ    
                                                                            り  
[down]


あとがき

 四階の我が家のベランダをふと眺めると、パンジーの鉢にテニスボールのような白い塊があることに気がついた。近づいて手に取ると、ずっしり重い。なんとそれは卵だった。
 一体、誰が置いたのか?
 一体、誰が産みおとしたのか?
 一体、誰が運び忘れたのか?
 思いがけない天からの贈り物に、笑いがこみ上げてきたが、卵の落し主に思いを馳せながら、そっともとの場所に戻しておいた。
 翌日、卵は消えていた。
 ベランダで産み落とされた生命の行方が、いつまでも気になって仕方がなかった。
 それにしても、鳥が産み忘れた卵を再び取りにやってくる、ということがあるのだろうか。
 ここにまた、詩の卵を一つ置くことにした。

 1999年9月9日
        虹の島、タートルベイにて
                   田村奈津子

田村奈津子詩集『人体望遠鏡』(1999年あざみ書房刊)より
<詩>田村奈津子詩集『虹を飲む日』もくじへ
<詩>木星の月(田村奈津子詩集『人体望遠鏡』より)へ
<詩>音の梯子(関富士子)へ
rain tree homeもくじ最新号もくじ最新号back number vol.1- もくじBack Numberback number21 もくじvol.22ふろく執筆者別もくじ詩人たちWhat's New閑月忙日rain tree から世界へリンク関富士子の詩集・エッセイなど詩集など
vol.22
「ユーラシアの眠り」縦組み縦スクロール表示横組み