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 2022年3月の独想録


 3月24日 死を覚悟して気楽に生きる

 まずはご報告とお知らせから。 
 今月のイデア ライフ アカデミー瞑想教室は、「自己観察と自己忘却」というテーマで行いました。「自己観察」をしっかりせずに瞑想をすると、エゴを増強させて邪道に陥ってしまう危険があります。瞑想に関心のある方には大切な内容だと思いますので、ぜひダイジェスト版をご覧下さい(より詳しく知りたい方は、完全版をご購入ください)
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 では、本題にはいります。
 連日、ロシア(プーチン)によるウクライナ侵略の、痛ましいニュースが流れています。こうしている間にも、一般市民の命が失われており、一刻も早くこの戦争を止めなければならないのですが、いったいどういう結末で終わるのか、専門家でもよくわからないようです。
 これを書いている現在、ウクライナ軍が優勢でロシア軍が撤退しているとのことです。このままウクライナの勝利に終わり、ロシアがおとなしく撤退して終戦となるのが一番ベストなシナリオかと思いますが、ウクライナ軍が優勢というニュースを耳にしても、素直に喜べません。なぜなら、そのままロシア(プーチン)が敗北を認めるとは思えず、化学兵器や、もしかしたら核兵器さえ使って、最悪の人的被害が生じる可能性があるからです。
 かといって、ウクライナが降参して、ロシアに占領されたら、次にロシアは別の国に侵略をしていくことは、時間の問題です。さらにまた、「力(核)をもてば国を侵略できるのだ」という悪しき前例となり、北朝鮮はますます脅威となり、中国は台湾に侵攻していくでしょう。日本も決して安全ではありません。ロシアや中国に侵略されるかもしれません。しかしアメリカは、世界大戦(核戦争)になるという理由で、守ってくれないと思います。守ってくれたとしたら、実際、世界大戦になり、核戦争になりかねません。核戦争になったら人類の滅亡です。
 残るシナリオとしては、ウクライナが二分され、半分がロシア領になるということで双方が妥協して停戦になることかと思いますが、果たしてそうなるかどうか、まったく不透明です。その場合でも、ロシアは経済制裁を受け続けますから、そのままジリ貧になるのをおとなしく黙っているとも思えません。
 あとは、ロシア国内でクーデターが生じてプーチンが追われるという可能性も考えられますが、プーチンの厳しい締め付けなどを考えると、あまり期待できそうもありません。
 このように考えると、穏やかな気持ちで過ごせるようになる日は、まだしばらく訪れそうもありません。

 さらにまた、もうひとつ心穏やかではない懸念は、地震です。このところ、日本のみならず、世界的にも大きな地震が頻発しています。南海トラフ大地震や首都直下型大地震は、90パーセントの確率で訪れると言われています。90パーセントというのは、要するに「必ず来る」と思ってもいい数字でしょう。そうなると、日本はほぼ壊滅です。それに乗じてロシアや中国が侵略してくる可能性も否定できません。

 私は、皆さんを怖がらせたくてこういうことを書いているのではありません。現実を書いているのです。おそらく誰も、これが荒唐無稽な意見だと思う人はいないでしょう。
 問題は、「ではどうしたらいいか?」です。
 残念ながら、世界戦争だとか大地震といったことについては、私たち個人はあまりにも無力です。せいぜい、食料や水を備蓄しておくくらいしか、できることはありません。
 しかし、どのみち人間は、何らかの原因で、いつかは必ず死ぬのです。癌にかかって何ヶ月も苦しんで死ぬよりも、核爆弾で一瞬に死んだ方が、案外、楽かもしれません。
 癌などの病気に関しては、なるべくそうならないように健康に気をつけるという対策ができますが、世界戦争や大地震といったあまりにも巨大なことについては、私たちは、何もできません。何もできないのなら、もうあきらめるしかないのです。
 びくびく心配しても仕方ありません。びくびく心配すれば現状が改善されるなら、いくらでもそうしますが、何にもならないのです。それどころか、ストレスになって健康に悪いだけです。
 ならば、もう覚悟を決めてしまうことです。覚悟してしまえば、案外、心穏やかでいられるものです。繰り返しますが、私たちはいずれ、何らかの原因で死ぬのですから。それが病気によるものか、事故によるものか、あるいは、戦争や天災によるものか、ただそれだけの違いにすぎません。
 だったら、びくびく過ごすことはやめて、もし何かできることがあったらするとしても、何もできることがないならば、あとは開き直って気持ちを楽にして生きることです。


 3月2日 ウクライナ情勢について
 すでにご存知のように、ロシアがウクライナに侵攻しました。ウクライナ市民やその兵士はもとより、ロシア兵士にも相当な犠牲者が出ているようです。
 しかし、私は今回の侵攻、そして非道な行いをしたのは、「ロシア」であるとは思っていません。実際、ロシア国内でも大規模な反戦デモが行われているようですし、ロシア兵士の士気も高くないようです。ロシアが侵攻したのではなく、「プーチン」が侵攻したのです。さらに言うならば、プーチンの「エゴ」が侵略したのです。

 人間のエゴは、物欲、名声欲、権力欲といった、基本的に利己的で破壊的な性格を持っています。ほとんどの人は、こうした欲望を十分に満たすことはできませんので、それなりの我慢をしてエゴを抑制させ、それほど人間関係や社会に害をもたらすことはないのですが、社会的に、いわゆる「成功」して多大な富や権力を手にすると、病的なまでにエゴが膨張し、影響力が強くなるぶん、社会的に大きな害悪をもたらす可能性が高くなるのです。

 社会的に成功した人のなかには、若い頃に何らかの劣等感(家が貧しかったとか、親から愛されなかった、イジメにあったなど)を抱えており、それをバネにして成功した場合が多いのですが、こういう場合、エゴはさらに病的になります。極度の利己主義、傲慢さ、自己愛、権力欲、自分より上の人間への憎悪や敵対心、こういったものが露骨に現われます。そして、自分にさからう者は排除し、周囲にイエスマンだけを配置するので、ある種の万能感のようなものに満たされて、「自分は何でもできるんだ、自分は何をやってもゆるされるんだ」といった、非常に醜い傲慢さが出てきます。
 精神医学的に言えば、病的にまで膨らんだエゴは「人格障害(パーソナリティ障害)」として現われます。私が思うに、プーチンは「自己愛性人格障害」ではないかと推測しています。とにかく、人の言うことはきかない、自分がすべて正しいと思い込んでいる、自分の気に入らない者に対しては異様なまでの憎悪や敵意をむき出しにする。自分が賞賛されることに執着する、過剰なる権力志向、支配欲といったものです。

 こういう人が会社の社長や上司にいると、社員や部下はかわいそうです。私もかつて典型的な自己愛性人格障害ではないかと思われる人が会長をしていた会社に少し勤めていたことがあったのでよくわかるのですが、その人は子供のとき、親から「おまえはいらんこだ」と言われ、それがトラウマとなって見返してやるために努力して、そこそこの会社を立ち上げてそこそこ成功したのですが、自分の気にいらない社員は、つまらない仕事をわざとさせて辞めさせたり、周囲をイエスマンで取り囲んで、とにかく好き勝手にやります。会社や社員は、自己愛を満たすための手段になっています。
 また、この種の人格障害者は、自分を強く見られたい、女性であれば美しく見られて賞賛されたいという欲望が強いため、健康や美容に人一倍熱心だったりします。何着も服を買いあさったり、ブランドの品物を所有していたりします。そして、自分よりきれいな人には強い嫉妬心を覚えるのです。

 プーチンも、肉体を鍛えてマッチョであることをアピールしたり、豪勢な御殿で贅沢三昧をしたり、そして自分に批判的な人を毒殺しようとしたり、デモなどは容赦なく排除しています。うわさによると、彼は少年時代、いじめにあって、それがきっかけで柔道を習い始めたらしいです。また、KGBの優秀な諜報部員として活動していたのに、ソ連崩壊後、しばらくの間、タクシーの運転手などをして生活費を稼がなければならない時期があったようで、彼はそのときのことを屈辱的だったと語っています。そうしたものが、劣等感やトラウマとなって、彼(のエゴ)を突き動かしているのだと思われます。

 今回のウクライナ侵攻について、プーチンは地政学的な理屈をいろいろ述べていますが、それはほとんど妄想です。今の時代、いったいロシアを侵攻しようなどという国があるでしょうか。
 そのような、ある種の被害妄想に取り付かれやすいのも、人格障害の特徴です。言い換えれば、エゴの特徴です。膨張したエゴは人を狂気に走らせます。ヒトラーなどはその典型で、プーチンも似たところがあります。
 エゴこそが、人類の敵なのです。ですから、私はブログや本やイデア ライフ アカデミーといった場所で、しつこいくらいエゴの消滅を説いているのですが、エゴは狡猾であり、片手間くらいの情熱ではとうてい倒すことはできないほど、手ごわい敵です。

 すでに述べたように、力(権力や財力など)を持てば持つほど、社会的な害悪を及ぼす可能性が大きくなります。とりわけ、プーチンという、強大きわまる権力をもっていると、もはや社会というより、人類に対して計り知れない害悪を及ぼすことになります。

 プーチンは核の使用をほのめかしています。理性的に考えれば、そんなことをしても、ただ人類そして自分にとって悲惨な結果に終わることは明白にわかるはずなのですが、重篤な人格障害(病的に膨張したエゴ)は、そんな理屈など通用しません。妄想にまみれており、しかも周囲のイエスマンがそれを増長させているからです。
 プーチンはもう、まともではありません。追い込まれたら、核も使用するでしょう。そうならないように、ただただ祈るしかありません。

 プーチンは特別な例外ではありません。強大な権力をもった独裁者になったら、すべてとは言わないまでも、大なり小なりプーチンのように、私たちの誰もがそうなってしまう可能性があるのです。エゴというものは、それほど強大な力をもっています。一度強大に膨れ上がってしまうと、それに抵抗するのは容易なことではありません。
 プーチンは大勢の人の命を奪い、その家族を悲しみのどん底に突き落としました。彼は今後、その悪しきカルマをどのようにして償っていくのでしょうか? もし地獄というものがあるとしたら、極限の苦しみを、気が遠くなるほどの天文学的な長期間にわたって受けなければならなくなるでしょう。
 ですから、人は身の丈に合わないような富や権力など、もたない方が安全なのです。そして、まだエゴが弱小な今のうちに、エゴを消滅させるために全力で努力するべきです。それがこの地上世界に生きる目的であり、また、人類の平和への道なのです。


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