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 2022年4月の独想録


 4月20日 ウクライナ侵攻とノストラダムスの予言
 まずはご報告とお知らせから。 
 今月のイデア ライフ アカデミー哲学教室は、「イスラム神秘主義 スーフィズム 2」というテーマで行いました。ややマニアックな内容ですが、あらゆる宗教思想のエッセンスともいうべきスーフィズムの教えの本質をかいまみることができると思います。ぜひダイジェスト版をご覧下になってみてください。
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 来月の瞑想教室は「死と向き合う」というテーマで行います。人間は死を自分のことのように自覚したとき、新たな価値観に目覚め、生き方が大きく変わることがあります。人はいつか死にます。死ぬ前にぜひ人生を変えましょう(笑)。

 では、本題にはいります。
 やはり連日、気になるのはウクライナ侵攻のことです。これが遠い地域だけに限定された問題であれば、心は痛めても、日々の集中力が乱されることはありませんが、今回のウクライナ問題は、今後、もしかしたら世界のありかたを大きく変えてしまう可能性があるので、気になって仕方ありません。単に物価が上がるとか、その程度ではありません。人類史を大きく変えるような、まさに歴史的な分岐点に、私たちは遭遇しているのかもしれないのです。

 この戦争は、いったいどんな結末を迎えるのでしょうか。テレビやネットニュースなどで専門家の意見をいろいろ見たりしていますが、どの人も「わからない」と言っています。プーチンは、彼の性格から、絶対に負けを認めないでしょう。もし劣勢に立たされたら、核兵器の使用も躊躇しないと思います。ウクライナを侵略した理由について、プーチンや、その他の人たちがいろいろ言っていますが、私はそうしたことは上っ面の理由にすぎず、プーチンがめざしているのは、ソビエト連邦の再興であり、彼はそうして「皇帝」になることではないかと思っています。要するに野心です。たった一人の病的で自分勝手な野心のせいで、何の罪もない何万人という人が殺され、家を破壊されている光景を見るたびに、人生の不条理と悲しみと憤りを覚えます。

 今回のウクライナ侵略にプーチンが勝利をおさめたとしても、やがて彼は別の国に侵略するでしょう。しかし、さすがにそんなことをくり返していたら、NATO、欧米は黙認できないでしょうから、戦争が勃発すると思います。欧米が束になって攻めたらロシアに勝ち目がありませんが、そのときプーチンは核兵器を使うでしょう。そうなると世界的な核戦争が勃発して人類は滅亡です。

 一方、ロシアへの経済的制裁がしだいに効いてきて、ロシアは戦争ができなくなるという説もありますが、今のところ、ロシアはそれほど制裁は効いていないようです。むしろ、その他の多くの国の方が打撃が大きいようです。そうなると、ロシア制裁への足並みが乱れて、ロシアを支援する国も出てくるでしょうから、結局、ダメージを受けるのは、ロシアよりも、ロシアを制裁した欧米や日本という結末になりかねません。そうなると、世界の国々は互いに分裂し争い合うようになり、もうめちゃくちゃになってしまうのではないかと危惧しています。
 とにかく、世界が一刻も早く平和になることを祈るばかりです。

 ところで、余談になりますが、オカルト雑誌『ムー』は、毎年年末になると「来年の予言」というテーマで、何人かの霊能者や占い師が来年の出来事を予言するという企画があるのですが、果たして今回のウクライナ侵略を予言した人がいるかどうか、バックナンバーを見てみたのですが、誰も予言した人はいませんでした。
 一方、ノストラダムスの「1999年、7の月。空から恐怖の大王が降ってくる。アンゴルモアの大王をよみがえらせるために。そのとき火星は平和の名の下に世界を支配するだろう」という有名な予言がありますが、予言された年月ははずれたとはいえ、その他のことは、近い将来、的中するかもしれません。
 すなわち、「恐怖の大王」とは、核ミサイルのことでしょう。「アンゴルモア」とは、「モンゴリアン」の並べ替えで、つまり中国人のことではないかと思います。「火星」は占星術では戦争の象徴ですから、「平和の名目で戦争が行われるという」ということになります。以上をまとめると、ロシアと欧米が「平和の名のもとに」核ミサイルで撃ち合うことで国が弱体化して、その結果、中国が国力を増して超大国となり、世界を支配する、ということになるのではないかと思ったりするのです。
 軍事的にも経済的にも大国になった中国は、ロシアや北朝鮮、その他の国とともに、台湾を侵略し、次に日本に侵略するかもしれません。アメリカはおそらく守ってくれないでしょう。抵抗して戦っても、街は破壊され、民間人は、拷問され、レイプされ、殺害されるでしょう。戦わずに最初から降伏したら、命だけは助かるかもしれませんが、日本語を使うことを禁止され、中国語を話さなければならなくなり、言いたいことも言えず、習近平の肖像画を家庭に飾ってカルト教祖のように拝まなければならなくなるかもしれません。果たして、そうまでして生きている価値があると言えるでしょうか。
 これと同じ状況に追い込まれているのが、今のウクライナの人々なのです。決して、他人事ではないのです。未来の日本の姿かもしれないのです。


 4月5日 ロシア軍のジェノサイドについて
 ご存じのように、ロシア軍はウクライナの市民に対してジェノサイド(大量虐殺)を行っているのが判明しました。しかも、単に殺害するだけでなく、凄惨な拷問などをして殺していたりするのです。
 こうしたジェノサイドを、プーチンが把握していないはずはありません。積極的にジェノサイドを命令したかどうかまではわかりませんが、もし把握していれば、それを禁止する命令は出せたはずです。ですから、少なくともプーチンは、ジェノサイドを容認していると思われます。まあ、自分の言うことを聞かない人間は平気で毒殺してきたような人間ですから、市民が何人死のうと、何とも思わないのでしょう。

 ロシア軍のこうした残虐性は、80年近く前の第一次大戦以来、何も変わっていません。当時も残酷なことを市民や捕虜にしました。そしてプーチン大統領になってからは、一方的に次から次へと領土に侵略しています。シリア侵攻のときは、市民に対して非人道的な化学兵器が使われたと言われています。
 そんなプーチン大統領の支持率が8割に達しているというのは、驚きです(これに関しては調査方法に問題があって信頼できないとも言われていますが、それを考慮しても、かなりの支持率があることは間違いないようです)。特に、国営放送しか見ないような中高年層はプーチンを支持する傾向が強いようです。国営放送はプロパガンダ、言い換えれば「洗脳」を目的にしているので、多くの人が洗脳されてプーチンは正しいことをしているのだと、信じ込まされているのです。彼らに、ウクライナ市民が虐殺されていると告げても、なんだかんだ言い訳して、プーチンの正当性を疑おうとはしないのです。人間というものは、とりわけ歳をとるにつれて、こんなにも洗脳されやすくなるのかと思うと、まったく暗澹たる気持ちになります。あるいは、一度「プーチンは正しい」と思い込むと、それを変えることが容易ではなくなるのかもしれません。歳を取ると身体は硬くなりますが、心も硬くなってしまうようです。これは老害です。

 もっとも、市民を凄惨に殺害するという傾向は、ロシアに限ったことではないように思います。日本もかつて中国に侵略したとき、中国市民に対して残虐なことをしました。たとえば、妊婦の腹を切り裂いて胎児を取り出して喜んでいた兵士がいたことなどが報告されています。まったく気分が悪くなる話で、どうすればそんなことができるのか不思議で仕方ありませんが、殺すか殺されるかという極限状況におかれると、人間は理性も良心も失って、頭がおかしくなってしまうのかもしれません。
 それでも、戦争が終わり、自分のしたことに対して良心の呵責を覚えたかなりの数の兵士が、自殺しているという調査結果もあります。

 たぶん、ロシア軍が行ったジェノサイドの犠牲者の数は、今後、調査が進むにつれて、さらに増えることは間違いありません。まったく恐ろしい限りです。
 「21世紀にもなって、こんな光景を見るとは思わなかった」と、学者やコメンテーターの人などが言っていますが、私もそう思います。タイムマシンで20世紀初頭に戻ったような感覚です。

 「人類は進歩している」という楽観的な見方をする本が売れているようですが、果たして本当にそうなのかと疑いたくなります。技術は確かに進歩しましたが、人間性についてはどうでしょうか。私には、人類は相変わらず愚かで、ほとんど進歩していないように思われてなりません。それどころか、なまじ技術が発達して「核兵器」などというものが発明されたせいで、ますます人類は危機的状況に自らを追い込んでいるようにさえ思われます。

 この戦争がどのような終わり方をするのか、どの専門家も「先が読めない」と言っています。プーチンはまず絶対に、妥協も敗北もしないでしょう。もし敗北しそうになったら、大量破壊兵器さえ使うと私は思います。そうなると世界大戦となり、核戦争ということになって、人類は滅亡です。
 最初、ロシアはウクライナに侵攻しない、まさかそんなことはあり得ないと、ほとんどの専門家も一般人もそう思っていましたが、その「まさか」が現実になりました。
 そして、「まさか、市民にジェノサイドは行わないだろう」と思っていましたが、それも現実になりました。
 次から次へと予想が裏切られています。しかし、世界大戦だけは起きないで欲しいと、ただ祈るしかできないでいる毎日を過ごしています。
   

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