| 外法帖放遊記 |
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第九話「蛍」 |
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両国の橋の上。 早朝から、例によって蕎麦屋で食事したらしい、遼&京。 ご満悦の京梧だったが、そこに走ってきた、 魚屋に「盗っ人」と追われる、 どっかで見た覚えのある、ボロを着た、ノラ猫のような少女に、 「邪魔やーっ」と、噛みつかれる。 ★ とんだ目にあったと、文句たらたらの京梧をよそに、 龍閃組は百合先生の指令で、円空上人の元へお使いの任務。 ところが、藍がいない。 どうやら、具合が悪いらしく、自宅療養中らしい。 むやみに心の沈む出来事の多かった、前回のショックか? それを心配しつつも、円空の元へ。 その円空から、「織部神社」に「鬼」関連の文献があるので、 見に行けとのお達しが。 では――とばかりに行く途中、杏花に出会い、 「織部神社」のある梅田村近辺では、 人とも獣ともつかぬ怪物に、畑が荒らされる事件が起きていると聞く。 年貢米の貯蔵されている、郷蔵まで被害にあったと。 その調査も含め、織部神社へ。 神社に着くや、小鈴に話しかけてくる「豪快な女」あり。 「織部葛乃(おりべかつの)」と名乗った彼女は、 小鈴の父とも知り合いらしい。 「ウチの娘が女らしくなりますように」という祈願に来るそうであるが(笑)。 どうやら、神主さんが不在らしく、葛乃が「文献」を見せてくれることに。 文献は、二十年以上も前、家慶公時代の、 徳川幕府と九角家との因縁を綴ったものだった。 その頃、幕府が、ほとんど攫うようにして連れてきた、絶世の美女「静姫」。 しかし、寵愛されたというよりも、ほとんど軟禁状態だったらしく、 その意図は不明だという。 その「静姫」を、奪わんとする者が居た――その名は、九角鬼修。 鬼修は殺され、九角家は取り潰されたそうだが、 鬼修と静姫の間には、二人の遺児があり、 幕府は――多分、鬼道衆も――その遺児を、必死に探しているという。 ……なるほど、話が見えてきた。 それは――鬼道衆も、幕府を憎むわけだよな……。 葛乃の勧めで、青雲寺へとやってくる一行。葛乃もいっしょ。 と、女性に囲まれる、涼やかな色男の姿。 葛乃の説明によると、「霞 梅月」という、俳諧の先生らしい。 ついでに占いでも有名だとか。 その「梅月」先生、つと立って一行の側へ。 例によって、やっかみ半分で、なんの用かとつっかかる京梧に対し、 一行を野良犬呼ばわりするわ、 京梧の願立てした「剣の道」をバカにするわで、 大騒ぎ――なのは、言われた方の京梧。 その京梧が、「ノラ猫少女」に噛まれたことも知っているかと思えば、 一行が郷蔵に向かおうと考えていることまでわかっている梅月。 さんざバカにされたり、行動を見ぬかれたり、 カリカリするわ不気味に思うわで忙しい京梧と一行を無視して、 とっとと去る梅月であった。 神社に戻る葛乃と別れて、一行は郷蔵へ。 なぜだか饅頭を持ち歩いている京梧をネタに、またしてもマンザイ話。 「食い物を持ち歩いていると、<おいてけ堀の怪>がくるぞ」 雄慶のヘタなジョークの直後。 一行の耳に、実際に「おいてけ〜」の声が。 いまさら怪異に驚く一行でもなく、 おびえたフリをして、試しに饅頭を放り出して隠れてみると―― 例のボロを着た、ノラ猫のような盗っ人少女が現れる。 独り言を聞くに、どうやら仲間のために、食い物を集めているらしい。 そう言えば、初めて会った時は桜餅をくわえ、 次は魚屋に追われていたっけ。 立ち去った彼女を追ってみようとする一行。 と、そこに、一行を盗っ人と勘違いした、百姓たちの大群(笑)が。 釈明を聞こうともしないため、やむなく戦闘に――。 〜百姓相手にフルメンバーもなかろうと、龍閃組の四人だけ。 藍は病欠だから、四人。でも楽勝。〜 なんとか誤解を解くことに成功した一行は、「真犯人」について事情聴取。 百姓に混じって、どーみても武人作りのいでたちの子供が居て、 笑うほど怪しいため、集中的に質問を集める京梧。 逃げ出したところを見ると、やはりドサクサまぎれのスパイ行為だったらしい。 ともあれ、「怪物は川に向かって逃げた」という証言を得たところで、 いったん竜泉寺に戻ろうとする一行。 と、そこに、あの鬼面の用心棒、神夷京士浪が現れる。 京梧に「剣の道」をとくと説いて、とっとと去る京士浪。何者? 寺に帰った一行に、九角家と幕府の因縁話を聞いて、驚く百合先生。 それはともかくとして、郷蔵での事件は、 やはり鬼道衆――侍たちへの「支給」である「郷蔵の米」を奪い、 幕府への信用と忠誠を失せんとするたくらみ――であり、 川は盗品の運搬に舟を使うためと判断。 よって、川沿いの聞きこみと――別件で、人捜しの任務も。 幕府からの頼みの筋で、 歴代施政者にとっての重要ポスト、「星読みの一族」である秋月家。 その、次期当主が行方不明なので、探し出せという。 で、翌朝。 なにやらワケあり風ながらも、ともあれ復帰した藍とともに、 「龍閃組、出動」! どうやら、前回の雹などの件で、 鬼道衆との戦いに、深い疑問を抱いてしまったらしい藍。 捜査の合間にも、さかんに悩む心の内を覗かせる。 と、河原にて、無宿人たちから、なにやら急病人発生の騒ぎ。 駆けつける藍、追う龍閃組。 そこに居た、「真由」と名乗る病弱な少女を介抱する藍。 なんとか持ちなおした彼女から、 例の盗っ人少女の名は「真那」といい、自分の姉だと聞く。 どうやら真那は、妹と―― もうひとり、泰山という男のために、盗っ人家業をしているらしい。 真那はいつも、「長命寺の水」を汲んで来て、 真由の薬代わりにしているという。 ともあれ、この一件で、「聞きこみ」に非協力的だった無宿人たちも、 「怪しい壊れ舟が川上にあった」と教えてくれる。 とりあえず、真那への「妹の無事」報告をかねて、長命寺へ。 ――と、途中、例の梅月に会う。 またしても、彼らの目的を知っているような様子で、 <長命の水>なんて迷信はくだらない、 他人のためになにかをする、などという行為も理解できない、 などと、一行の反論にも耳を貸さず、立ち去る。 何しに来たんだコラ(笑)。 偶然なんて、嘘の皮だろ。 やっと着いた長命寺に、残念ながら真那の姿はなく、 代りに「八丁堀」コンビに出会う。 どうやら、例のオカマ上司に引っ張り回されているらしい。 居ても意味ナシと見た一行は、「舟」探索へ。 そこで見つけた「舟」には、真由との話にも出た、大男の「泰山」が。 あまり頭はよくないらしく、真那に食事を恵んで貰っているらしい。 彼が居座るため、「舟」の調査ができない一行、 しかたなく、両国橋へ――「振り出しに戻る」。 やはり、カギは真那が握ると、彼女の居そうなところを検討する一行。 そこに現れた葛乃に、「子供の物盗りが捕まった」と聞く。 本所辺りだと聞いて、急行した一行。 町娘たちのウワサによると、捕まえたのは、梅月らしい。 と、ウワサ通り、真那を捕らえて歩く梅月の姿が。 どうやら、彼の家の、樹の花に見とれて、侵入してしまったとのことだ。 「家族のため」に「働く」真那と、「家族の貴さ」を理解しない梅月。 言い分は平行線で、真那をいったん預かる龍閃組。 と、やっかいなことに、与助登場。 が、彼を呼んだ本人の梅月も、盗っ人騒ぎは「勘違い」で通してくれる。 「人情」をさんざ否定したわりに、この行動。 彼も、いろいろ迷っているのだろう。 龍閃組の周辺をうろつくのは、 迷いのない(バカだけど)、彼らの心意気を、感じてみたいのか。 真由の名を出されて、大急ぎで「家」に帰る真那。 共にゆく龍閃組。……そして、梅月。 真由の無事を喜ぶ真那。 その姿を、ちょうど辺りに舞い始めた蛍たちの、 短い命を懸命に「光らせる」姿に例えて、眩しげに眺める梅月。 と、そこに、郷蔵にて出会った、武人作りのニセ百姓の子供が現れる。 真那に、なにやらかかわりがあるようだ。 それも、「力づくでも吐かせ」たくなるような、なにかが。 やたら自信ありげな、その子が名乗る。 「俺の名は――鬼道衆の、風祭澳継だ!」 澳継の呼び出した下忍どもに、すっかり囲まれてしまった一行。 そこに、「真那〜っ!」と雄叫びを挙げ、泰山が暴れ込む。 「なにしてんだ、泰山っ!?」 驚く澳継。 どうやら、泰山は、もとは鬼道衆の仲間だったらしい。記憶喪失のようだ。 澳継の探し物は彼であり、 郷蔵の事件の、「人とも獣ともつかない化け物」も、彼らしい。 その泰山、澳継の言葉に記憶を取り戻してもなお、 世話になった真那や、その友達と、戦うことなどできない――と、嘆く。 が、突然苦しみ出す泰山。 猛烈な<陰気>が、黒光りする<珠>に吸収、増幅されていく……! 龍閃組には、もはやおなじみの、<変生>である。 「なっ、なんだよこりゃあ……」 なぜだか澳継までが、その出来事に驚いている? ともあれ、戦闘へ――。 〜〜あっ、真那と――梅月まで参加している。 真那はともかく、あんだけ龍閃組をコキ降ろしていた梅月が――。 その気持ち……カワイイ(笑)。〜〜 泰山が変じた<鬼>を斃すと、 御神槌や雹の場合と同じく、<陰気>は<珠>に吸収され、 一行の前にポトリと落ちた。 「なっ、何が……起きたんだ?」 ボーゼンとする澳継。 「トボケんじゃねえっ、おまえたちの仕業だろうがっ」 怒鳴る京梧。そらそうだ。 「知らんっ。あの<御屋形様>が、こんな事、するハズがねえっ」 わめく澳継。あながちウソではなさそうだ。 ということは、彼らは<御屋形様>に騙されて利用されているのか、 それとも――前作のプレイヤーならわかる、「アイツ」なのか――? 泰山は、どうやら息を吹き返したようだ。 「俺たちは負けたんだ。何も教えるつもりもないっ。――殺せっ」 わめく澳継を、ぶん殴る京梧。 「俺たちは、敵を殺すために戦ってるんじゃねえっ。 死んだら――何もねえよ」 京梧の言葉に、黙りこむ澳継。 「おら……いかなきゃなんねえ……おやかたさま……待ってる……」 真那との別れを悲しむ泰山。 「帰れる処があって、待ってる人がおるんなら――帰ってやりいな」 真那のあたたかい言葉に送られ、涙しながらの泰山、 澳継とともに撤退。 「家族とは――いいものだな。今まで、そんなふうに思ったことはなかったが――」 彼らの行動――たぶん、特に真那の泰山を送ったセリフ――に、 ついに梅月の凍った心も動かされる。 やはり、彼の「正体」は、人の「宿星」を視て、その運命をも視る、 幕府の捜し人でもある、「秋月家」の次期当主―― 「秋月真琴」そのひとだったのだ。 その特殊能力から、時の施政者からは頼られ、時には脅され、 自分たちを巡って争いも起こる。 また、人の運命――生死さえも見通すことができる能力は、 まともに人と付き合うことも難しくしてしまう。 それが、秋月家。 そんなゴタゴタがイヤで、「逃げ出してきた」のだという――。 「でも、捜しているのは幕府だけじゃないわ。 あなたを、本当に心配して、捜しているひともいるはずよ」 と、藍。 「そうだな。だが――」 「今からでも、遅くはないで。家族の間には、早いも遅いも、なんもあらへん。 そこにあるのは――ただ、あったかいもんだけや」 迷いのない、真那の純粋な言葉が、梅月の心に、染み透る。 というわけで、竜泉寺に出入りする「怪しい若者」が、 また二人、増えたのだった――。 真那ちゃん、いいこと言う。こんないいコだとは。 筆頭のお気に入りー。 |
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