演歌イベント観戦記2003
銀座演歌コンサート・2003年10月4日
2003年10月4日、私は、「銀座で演歌・ふれあいコンサート」に行ってまいりました。
以下は、私のその時の様子の記録です。
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南かなこさん
曲目は、前作「居酒屋サンバ」、「車屋さん」、「津軽海峡・冬景色」、新曲のCW「横須賀ジルバ」、新曲「風枕」でした。
南国ブラジルの太陽のように燦燦と輝く、という紹介がされた通りの、元気なデビュー曲「居酒屋サンバ」で登場となりましたが、新作の「風枕」は、がらりと変わって哀愁系
のマイナー系演歌となりました。このステージは2度目なのですが、今年春のステージでも紹介された通り、日系ブラジル3世で、祖母がブラジルに移民して、ということで、演歌
は祖母から、いつも子守唄として聴いていたので、自然に覚えて、また演歌好きになった、ということです。でも、逆に、リオのカーニバルとか、ボサノバって、何やら?という
話もされていました。デビューのきっかけは、あるオーディションで、小林幸子さんが会場にきていらっしゃったので、そこで小林さんにスカウトされて事務所入りした、という
ことで、自身、「非常に運がよく」、今年1月1日のデビューを迎えることができた、ということです。
今回感じたのは、トークの場面でデビューから「濃厚な」9ヶ月(実際は10ヶ月ですが)、という表現をされていたことです。ブラジル生まれ育ちで・・・なかなか「濃厚な」
という、難しい日本語の言葉は出てこないと思うのですが、それだけ日本語にも堪能な面を見せてくれた、というところだと思います。また、今回、「津軽海峡冬景色」を歌唱
された、という点については、新曲「風枕」を歌うにあたって、歌の幅を広げる意味で、心を入れる系統の演歌にも、ということが感じられます。
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北野まち子さん
曲目は、新曲「つがい舟」、「包丁一代」、前作「おんな春秋」、「男節」、新曲CW「北岬」でした。
新曲は、じっくり、しっとり味わって、の夫婦幸せ系演歌で、歌詞の世界が非常に含蓄に富んだ作品でもあります。前作で、キングレコードに移籍第一弾の「おんな春秋」の
イメージが強い、という印象があるので、女唄系の歌手、という印象で見られる方もいらっしゃるかもしれませんが、デビュー作が「包丁一代」、次作が「命一代」と、男唄、
それも、バリバリの男唄、という路線で売り出してきた歌手です。そんな意味では、「男節」も非常にイメージ通りの歌唱、という印象です。そして、キング移籍に際して、女唄、
夫婦ものに、オリジナルとして初めて挑戦、という話もされていましたが、こちらも非常に合っている印象を受けました。オールラウンドな演歌のジャンルで活躍してくれること
だと思います。
そんな北野さんですが、出身が青森県弘前市(ふるさとは、ここから地下鉄に乗り、少し先の上野から少しだけ電車に乗り・・・青森の弘前まで、松戸くらいかなぁ?と思った方
いらっしゃったのでは?という話で笑わせてくれました)、という話がありましたが、今年デビュー15周年で、記念パーティーも開かれ、大相撲の現在人気急上昇中の高見盛関も
同席された、という話がありました。高見盛関とも親交があり、お互い頑張っていきましょう、と励ましあったということもあったそうです。高見盛関の勢いにも乗って、と行き
たいところですね。
そういえば、今年は、特に北国は夏は寒いくらいで、お盆の帰省時にストーブがついていたくらいで、その気候のせいか、各地で農作物の泥棒被害も続出、という話もありました。
今年の最後は「りんご泥棒」のニュースが、なんてことにならないことを願うばかりです。
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藤原浩さん
曲目は、新曲「しあわせ迷子」、「命のひと」、「未練のグラス」、「純子の涙」、新曲のCW「花ひとつ」でした。
うちの掲示板でもお世話になっている、甘夏さん、アルテミスさんが大ファンの歌手です。藤原さんも、そのことは分かっていらっしゃるそうで、いつものファンがいらっしゃる、
というトークもありました。女性ファンへのサービスはいつも欠かさない藤原さんですが、今回も「純子の涙」では、銀座バージョンで、女性ファンの名前の歌詞に変えて歌唱
されました。
今回の新曲、そして、カップリングも含めて、軽快なアップテンポで覚えやすいメジャー調演歌で、店頭キャンペーンでもカラオケ愛好家を中心に、しかも男女を問わず売れ行き
が好調だそうです。藤原さん自身、この曲を歌うにあたって、「これは売れる」と直感したそうで、「私の代表曲にしたい」との意気込みも見られます。新曲メインのほうは、女心
を描いたスタンダード系で、カップリングは男心を描いた少し古風なメロディが特徴です。また、本作は、キング移籍第3弾で、第1弾の「命のひと」も含めて、ムード系や、アップ
テンポ系メジャー調の曲調の歌に非常に特徴のある歌手、のイメージを重視されるのだと思います。
あと、皆さん強調されるのが、本日は天気がよくて、ということです。やはり、天気の良さ、は客の伸び足に影響しますので、大変重要ですね。
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水森かおりさん
曲目は、新曲「鳥取砂丘」、新曲CW「天塩川」、「北夜行」「竜飛岬」「尾道水道」のメドレー、前作「東尋坊」でした。
本日では、最高の客足となることが予想された歌手ですが、とりわけ、近年では最高の入りになった、という印象でした。というのも、前作「東尋坊」が30万枚、本作
「鳥取砂丘」も30万枚、まだまだ、さらに売上を伸ばしている、今一番勢いのある歌手ということもあります。その意味で、通信カラオケ「DAM」に、カップリング曲の
「天塩川」も入った(多くの場合、カップリング曲が通信カラオケに登録されるのは少ないらしいです)というのは、非常に名誉なことだと思います。
今回歌われた曲のタイトルを見て、全国各地の「ご当地ソング」を歌っている、という印象を持たれる方もいらっしゃるでしょう。そんな水森さんの出身地、育ちは、東京の
尾久だそうで、江戸っ娘なのです。そんな中、最新曲を含めたアルバムの「歌謡紀行」が発売されているのですが、人気沸騰のため、今回はなんと、CD版は売り切れ!!カセット
版のみが販売される、ということでした。その中で、大変特徴があったのは、「東尋坊」の歌詞の世界の続編で、メロディは同じでアレンジされた「その後の東尋坊」が入って
いることです。ヒット曲の続編、というのは、完全に別の曲として、歌詞の流れで続編、というケースは多いのですが、メロディも同じ、という続編は意外に少ないかもしれません。
(私は、吉幾三さんの代表曲「酒よ」「酔歌」「雪國」に続編として、カップリングに「追伸」版があるのは知っているのですが、「酒よ」以外はその内容は知らないので。。。)
今回は、少しだけ、アカペラで「その後の東尋坊」も一部ですが、楽しませて頂きました。
水森さんの世界は、本当に「求めたい、追いかけたい」という女心をハスキーな歌唱力で表現するのが特徴ですが、その特徴が「東尋坊」「鳥取砂丘」で開花した、というところ
だと思います。そして、どちらの曲も、長音の特徴に味付け、そして、本当に声量も必要な歌で、プロ中のプロ向け、とも言える、カラオケでは難しい曲の一つではないでしょう
か?その意味でも、難しい曲に挑戦したい、マニア向け、というところもヒットの要因にも結びついているということだと思います。
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成世昌平さん
曲目は、おなじみの「はぐれコキリコ」、「浪花なごり月」、「磯節キリキリ」、はぐれコキリコのCW「一子」、「舟唄ヤンデ」でした。
実は、元島津製作所社員という経歴を持つ成世さんで、昨年、ノーベル賞で話題になった会社であることで、紅白出場か?などとも騒がれたこともあります。でも、昨年は出場
はならなかったのですが、今年も地道に売上を伸ばし、現在50万枚の売上を記録しているそうです。成世さんは、その50万枚、という点を、トークでも非常にうまく強調され
ていました。さすが、笑いのツボを心得ている関西人、というところです。「人生で一番売れた曲の次に紹介するのは、人生で一番売れなかった曲、浪花なごり月です。数年前に
は廃盤にもなったのですが、(成世昌平の名前が売れて)今年9月25日に復活した曲です」とのことです。また、「はぐれコキリコが50万枚売れた、ということは、カップ
リングも50万枚売れたということです」(当然の話ではあるのですが)。でも、「一子、も大変応援してくださって、カラオケで歌ってくださるようになりました」とおっしゃ
っていました。
今回、登場時の歌唱では、中国語で歌っていらっしゃったので、私もびっくりしたところがありました。会場の皆さんも、非常に驚きの表情がありました。(私なら、中国語で
歌っていれば、歌詞間違えても分からないでしょうから、とかトークで話すかもしれませんが)その部分で分かったのは、「エッチュー」、と「コキリコ」だけでした。20世紀
から21世紀にまたがって歌われた名曲、との紹介もあったのですが、非常に音域も広く、こちらも本当のプロ向けといえる、カラオケマニアファン向けの曲です。さすが、民謡
出身のプロ歌手でもあります。今回は、アカペラでの、コキリコの実物演奏を披露しての民謡「コキリコ節」の歌唱もありました。
最後に色紙題字の名前サインは、平昌世成
とのこと。座布団1枚!!
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湯原昌幸さん
曲目は、新曲「冬桜」、「人生半分」、代表曲「雨のバラード」、前作「夢なかば」、新曲CW「ナツメロBOYS」でした。
新曲は、10月1日発売されたばかりで、今回は「人生半分」「夢なかば」に続く3部作の3作目ですが、エンターテイナーから、再び歌の世界に戻って「人生50からの応援
歌」を歌う、との話でした。前回までの2作は、どちらかといえば、メジャー調の、いかにも応援歌、という雰囲気の曲調だったのですが、今回は、マイナー調で、渋さを強調
したイメージになっています。「冬桜」とは群馬県の鬼石町が本場なのですが、私も見たことがあり、実は、冬場・11月から12月にかけてと、春先に2度咲く不思議な花だ
そうです。ソメイヨシノのような派手さはなく、どちらかといえば地味な存在なのですが、それでも、力強く生きる姿を、50代から(特に男性)の姿に投影させた、という
イメージといえます。逆に、カップリングの「ナツメロBOYS」は、アップテンポポップス系のメジャー調で、こちらは、いかにも、応援歌らしい、それも、前2作のメイン
よりも、より応援歌に特化した、というイメージでした。湯原さん自身、日頃のウップンを晴らすべくカラオケで歌えるような、という話をしていました。
湯原さんといえば、120万枚売り上げた「雨のバラード」が代表作ですが、さすがにエンターテイナー的な部分も見せてくださいました。「雨のバラード」を買った120万人
が、そのまま「冬桜」を買えば、「冬桜」も120万枚の売上に・・・とおっしゃっていました。「ナツメロBOYS」の歌唱後は、ギターを弾くロッカーのような楽しみを
見せてくださいました。
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上杉香緒里さん
曲目は、新曲「むらさき海峡」、「あなたの笑顔」、「寒牡丹」でした。
今回、朝の5時半から来てくださった熱心なファンもいらっしゃったのですが、この上杉さんのステージが終わるのが18時なので、かれこれ12時間になります。ということ
で、上杉さんのハスキーな声と、会場のファンとのやり取りが非常に楽しめるステージになりました。(上)「(朝)5時半から来てくださったの〜?警備員の方に注意されなか
った?、12時間もいるの?元気残ってる?声出るかなぁ?」とか、(客)「今日はきれいだよぉ〜」、(上)「今日きれい?今日だけきれい?」、(客)「今日”も”きれい」
(上)「(^^)」とか、この声が非常にかわいらしく、それも非常に楽しめるステージでした。
今回は、実際に歌う時間より、カラオケファンに楽しんでもらえるように「むらさき海峡」の歌唱指導を熱心に行っていた点が特徴的でした。一節一節を丁寧に教えてくださっ
たところが良かったと思います。この熱心さが、ファンを増やす一つの方法でもある、という点を改めて感じることろです。その中でも、楽しませるやり取りがありました。
(上)「歌詞カード持ってますか〜?、え?持ってない?」とか、(上)「この歌、歌えますか〜?」、(客)「歌える」、(上)「じゃ、ここで歌って〜」、(客)「・・・」
やはり、このようなトークで楽しませるところも、銀座ならではの面白いところだと思います。
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・全体印象
この日は、2003年秋の銀座三越演歌イベントの中では、最大の人数が集まることが想像されました。というのも、現在売れている水森かおりさん、成世昌平さんの出演が
ありましたし、さらに、元気さと若さが売りの新進気鋭の南かなこさんから始まり、根強い人気を誇る「Gパン娘」の上杉香緒里さんまで、最初から最後まで楽しめるラインアップ
になったことで、本日は全部のコーナーで多くの観客がいらっしゃったのが非常に良かったです。中には、「本日の主目的」が、最初の南かなこさんと、最後の上杉香緒里さん
だった、という方もいらっしゃいました。その意味では、今回のメンバー順も、かなり練り考えられた?(もちろん、各歌手の都合もあるので、偶然という面は強いですが)とも
思えるものになりましたので、山野楽器、銀座三越にとっても、非常に成功ではなかったか?と思います。私も、三越開店直後に入店はしたのですが、本当の直後に入店されるファン
の方には及ばず、いつも標準で取れる席の位置より後ろ側(それでも本日のラインアップを考えると、座れただけ幸運だと思います)での観覧でした。
裏・歌の手帖でお世話になっている、せんちさん、の情報によると、今回の水森かおりさんの「鳥取砂丘」の売上は今開催の中では最大を記録、という話ですが、いえ、近年
私が見た、あるいは、周辺のラインアップから想像した売上で見ると、2〜3年前の氷川きよしさん以来の売上にもなったのではないでしょうか?その意味で、他の歌手への波及
効果も絶大になった、と思います。
私が今回、特徴的に感じたのは、北野まち子さんの「つがい舟」のCD売場の状況を見ると、出演の後はもちろんのこと、最初に買っていらっしゃる方も多かった点でした。声
を聞く前から購入に踏み切る、というのは、おそらく、演歌作品としての優秀性も認められている、という点ではないでしょうか?その意味で、今年の「作詩大賞」にノミネート
されることが期待されるのではないでしょうか?
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