演歌イベント観戦記2003
銀座演歌まつり・2003年5月14日
2003年8月24日、私は、亀戸夏まつりに行ってまいりました。以下は、私のその時の様子の記録です。
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やしまひろみさん
本日の曲目は、「浪花節だよ人生は」、「関東春雨傘」、新曲CW「米寿」、新曲の「お浜三味線」でした。
初めて聞く歌手ですが、和風の元気なイメージをアピールされていました。とりわけ、都はるみさんのイメージを色濃く伝える歌手との印象が強く残りました。美空ひばりさん
を尊敬しているということもあり、関東春雨傘の歌唱もありました。「浪花節だよ人生は」では、オリジナルの「リズム感」が出るのとは雰囲気の違う、じっくり味わって歌う、
というタイプの歌声に聞こえました。その意味で、同じ歌でも、歌手が違うと、このようにイメージが変わる、という好例だと思います。そのような「オリジナルイメージ」を
出すことでアピールしていく、という印象を持ったところです。
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黒川真一朗さん
本日の曲目は、新曲CW「やまびこ峠」、「大井追っかけ音次郎」「あんときゃ土砂降り」、新曲「家族」でした。
水森英夫先生の第4番弟子(先輩は、氷川きよしさん、山内惠介さん、音羽しのぶさん)として、2003年8月21日デビューばかりの新曲を中心に披露されました。その意味
で、先生の弟子で、「大先輩」でもある氷川きよしさんの歌を歌った、ということでもあります。また、水森先生に師事していた時期は、三橋美智也さん、春日八郎さんの歌を猛勉強
した、ということで、水森先生の先輩歌手とはまた違ったイメージをかもし出していました。私も世話になっている、「裏・歌の手帖」掲示板では、「ビジュアル系演歌歌手」との
触れ込みもありましたが、今回は、意識したのか、紅白の衣装での登場となりました。
新曲は、静岡出身で、歌手を目指し上京してきた等身大の自分を歌った、自身にぴったりの曲で、この時代背景にも合っている、という紹介もされていました。
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渡辺ひろ美さん
本日の曲目は「海峡列車」「いじわる海峡」「河内おとこ節」「曽根崎しぐれ」、新曲「SanoSanoSa」でした。
今回は、ステージの周りの客も多かった、ということもあり、よく演歌イベントで行われる、ステージを降りての握手、というのはできず、その意思を、ステージの周りの客に
向けて握手を求める、というシーンがありました。「海峡列車」では、ファンと一緒に、サヨナラの手降りの振り付けのシーンもあり、とりわけ、今回は、熱心なサポーターの方
が多くきていたのも印象的でした。そういえば、今回は、その後に出演された松原のぶえさんから、「のぶえ」ブランドの着物を2着頂いた、という話もされていました。
新曲は、「江戸っ娘芸者」のイメージで、日本舞踊振り付けつきで、メロディーもそのイメージをよく映し出しています。
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松原のぶえさん
本日の曲目は、「朝顔」「蛍」「越前竹舞い」、新曲「蒼い月」他を歌唱されました。(都合で、途中退席してしまったので、申し訳ありません・・・)
「いろいろとご迷惑をおかけして申し訳ありません・・・でも、その問題も年内には解決しそうです」との心境を告白されていました。本当に、有名になると、逆に、トラブルが
あった場合にも大きく報道される、ということで、この世界の厳しさを実感するところです。でも、そのような出来事があって、逆に、仕事の原点に戻って、という心境になったの
でしょうか?「仕事を選んでいられる状況ではありません」ともおっしゃっていました。
「蒼い月」は、本人の現在の心境を自身で詩につづった、ということを紹介されていました。
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・全体印象
今回の夏祭りは、以前に「裏・歌の手帖」掲示板での情報では、資金的な面から開催が危ぶまれていたそうです。しかし、この夏祭りに詰め掛けた客の数を見ると、そんなに
開催が危ぶまれる状況なのかなぁ?という実感でした。私がよく出かける、銀座の演歌イベントなど比べ物にならない(多分、銀座イベントの5〜10倍くらいはいるのではないで
しょうか=500〜1000人くらいかなぁ)ほどの客でした。まして、2003年の夏は天候不順で、雨が降れば中止になるイベントだっただけに、この日になって、ようやく
天候が夏らしくなった、というのは非常に良かったです。でも、その裏では、非常に厳しい下町の景況があるのだと思います。
で、今回の夏祭りイベントのメイン、フィナーレを飾ったのが、演歌イベントだったのですが、その前には、前座ともいえるカラオケ大会がありました。その中では、中高年の方
が歌うのが多かったですが、その中で、10歳の女の子も歌唱していたところもありました。このようなイベントを通じて、また、その後の演歌ステージを見ることにより、演歌に
も興味を持って、そのつながりを以って演歌というのが脈々と受け継がれていった、というのを感じるところです。また、プロ級の歌唱力を持ったアマチュアの方もいらっしゃい
ました。
その意味で、今回、下町のこの場所で演歌イベントを見ることができた、というのは非常に私にとっても大きな経験でした。このような世代を超えた交流、というのがつながって
演歌業界も発展してきた、というところもあるので、逆に、このようなイベントの灯を絶やすわけにはいかない、という感想も持っています。なんとか、資金面の問題もクリアして、
来年もこのイベントが続くよう、願いたいところです。
最後に、このイベントでは、大勢の客が詰め掛け、しかも、子供の姿も多く見られました。演歌イベントの中でも、迷子の案内が頻繁に行われていました。子供を持つ親にとって
は、イベントはもちろん、子供も大事に、というところも感じてなりません(とりわけ、ご時世がご時世だけに)。
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