演歌イベント観戦記2004
 
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2004年3月27日、私は、「銀座で演歌・ふれあいコンサート」に行ってまいりました。
以下は、私のその時の様子の記録です。

 

3月27日の出演は、11時から秋岡秀治さん、12時から花京院しのぶさん、
13時から林あさ美さん、14時から小金沢昇司さん、15時から千葉一夫さん、
16時から原田悠里さん、17時から北原ミレイさんでした。

 

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秋岡秀治さん

 曲目は、前作「海の大名」、「男の酒(=デビュー曲)」「男の星座」「男の花道」メドレー、「香車(きょうす)」、「夜のサングラス」、新曲「ほたる雪」でした。
 今年のイベントのトップバッターを務めることになった秋岡さんに、男性司会での組み合わせとなりました。新たな専属司会かもしれませんが、私は、専属司会は好きですし、 トップにこのような組み合わせもなかなか凝った趣向だと思います。
 12年前のデビュー以来、「着流しの似合う演歌歌手」として知られてきた秋岡さんですが、デビュー当初はクラウン社内でも「男の酒」を知らない、という人が多かった そうですが、精力的に活動して、ある日、5万枚突破したところで、レコード会社から「ヒット賞」を受賞した、という話になりました(5万枚=レコード会社にとっての採算 の分岐点)。そして、日を経るごとに、「秋岡、10万いったぞ」、「おい、15万だぞ」、「20万だぞ」・・・と続き、最終的には35万枚前後のヒットを獲得できた、との ことでした。そういえば、ある日、北島三郎大先生に呼ばれ、「おい、着流しもいいけど、洋服で歌ってみろ」といわれたので、テレビ出演が次週に迫っている中、あわてて洋服 を用意して、テレビ出演本番を迎えたのですが、「着流し」時代の歩き方をしたので、北島先生から「やっぱり着流しのほうがいいぞ」と言われた、とのエピソードもありました。
 着流しに特徴がある秋岡さんですが、いろいろなタイプの演歌を歌う歌手である、という意味でも注目されるところで、前作「海の大名」など、今までの演歌には少ないタイプ の詩想の歌も歌います。その意味では、いろいろなタイプの演歌を歌うことをアピールすべく、もっとテレビ出演などの機会も多くほしいと思います。今回の新曲「ほたる雪」は いわゆる「女性の艶歌」系統の歌で、


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花京院しのぶさん

 曲目は、新曲「望郷新相馬」、新曲CW「お父う」、「津軽じょんから節」、「風雪ながれ旅」でした。  仙台で長年ライブ活動をしてきて、仙台では知らない人はいない、といわれるほど有名な歌手だそうですが、全国的にはこれから名前を売り出そう、というところだと思います。 私も、「夏木ゆたかのホッと歌謡曲」で名前と立ち三味線のことだけは知っていたのですが、それ以上のことは知らなかったので、立ち三味線を実際に見て、大変な迫力を感じ ました。とりわけ、北島三郎さんの持ち歌である「風雪ながれ旅」を、立ち三味線で披露されたのは非常に素晴らしいことだと思います。(破れ単衣に三味線抱けば〜♪、実際に 三味線を抱いてます、というところでしょうか)さすがに、仙台でそれだけ有名になっただけのことは、というところで、仙台でのライブを見て、全国に広めることを考えた担当者 の腕も素晴らしいと思います。また、迫力を感じた演歌ファンの中で、花京院さんのことをまだよく知らない、という方も多かったのかもしれませんが、素晴らしいステージと感じ て、最後の即売コーナーへ並んだ方も多かったと思います。本当に、迫力あるステージだけに、体力もすごいです。
 さて、今回の新曲「望郷新相馬」は、民謡「新相馬」をモチーフにしたふるさと演歌ですが、日本アマチュア歌謡連盟20周年記念曲、ということで、一般の方の「望郷新相馬」 カラオケ大会で優勝者(一人の予定だったが、応募者のレベルの高さから、結局優勝が2人になり、両方売り出し)を選び、花京院さんとの競作で売り出すことになっていますが、 花京院さん自身、自分よりうまい人もいたのでは、との話もありました。しかし、花京院さんの場合は、歌だけでなく、立ち三味線の魅力もあります。その意味では、視覚効果、 という意味で、とりわけ、テレビ出演でアピールしてほしいところがあります。4月第一週のMXテレビ他「演歌百撰」で出演されるそうですが、テレビで初めて見る方にも、迫力 が分かると思います。

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林あさ美さん

 曲目は、新曲「七色なみだ」、デビュー曲「つんつん津軽」、「だいじな人だから」、「海峡みなと」、新曲CW「これで人生ガッテンだ!」でした。新曲とCWは、ともにNHK コメディー「お江戸でござる」(この4月から「道中でござる」に改編)オリジナルソングでもあります。
 NHKでの出演も多く、今年か、少なくとも2〜3年後には「紅白歌合戦」の声も期待されます。デビュー9年目を迎え、さらに大人の女性としての魅力も深みを見せてきて います。今回の新曲は、歌いやすいアップテンポのポップ調メジャー系歌謡曲で、出だしのイントロが、光る涙が落ちる様子をイメージしています。そして、ジャケットには、 CGで涙をつけているそうです。また、CW曲は、以前アルバムにも収録されたのですが、「お江戸でござる」に合わせて、ラップ部分を従来と変えているそうです。実は、この 「これで人生ガッテンだ!」には、いろいろラップバージョンがあるそうで、ラジオ日本「ジャイアンツナイター」用のバージョンもあるそうです。本人いわく、ラップの部分 は「一人モーニング娘。」との話も。
 NHK出演が多い、ということは、当然会場の皆様は知っているのかなぁ?と思うところですが、意外に、初めて見た、という方もいたそうです。でも、若い世代の方々にも もっと知名度を広めることができれば、ファン層も拡大するのは間違いない、という思いがあります。

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小金沢昇司さん

 曲目は、前作「ありがとう…感謝」、「北都物語」、前々作「惚れちまったよ」、新曲「湾岸(ベイサイド)ホテル」でした。
 NHK歌謡コンサート出演も多く、やはり、数年後までには紅白出場が期待されます。とりわけ、白組の歌手、とりわけ中堅層の薄さを埋める活躍が期待されています。歌番組 以外でも、バラエティ番組出演など知名度が高いだけに余計に感じるところがあります。デビューから17年、歌の世界を志してからは25年くらいになるそうですが、ベテラン にもなると、歌の味、艶、色気なども出る、という話がありました。歌の幅が拡がる、というところですね。
 前作「ありがとう・・・感謝」は、以前のCW曲をが好評だったので、シングルA面カットされたということですが、CW曲も評価の高い曲が非常に多い、という一例だと思います。 実は、今回の新曲「湾岸(ベイサイド)ホテル」のCW「ウランボン」を高く評価しているのですが、私は、タイトルを見て「ウランボン」の意味は大体分かったのですが、 ウランボンは、盂蘭盆を語源としており、お盆の意味で、内容としては、親の生前を懐かしむものです。この曲も、A面カットされるかなぁ、とひそかに期待しているのですが、 本日発表されなかったのは少し残念だったかな、という気はします。そして、新曲A面のほうは、昭和の日活映画のイメージのムード歌謡曲です。
 前回出演の「NHK歌謡コンサート」では、18.2%の平均視聴率、しかも、瞬間最高視聴率が19.5%、これが小金沢さんの出演時に出た、という話もありました。やはり、それ だけの知名度があるからこそ、小金沢さんの歌唱シーンを見たい、というファンの方も多いのだと思いますし、「ありがとう・・・感謝」の曲への評価も非常に高い、という のがあるからだと思います。

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千葉一夫さん

 曲目は、新曲「おまえとふたりづれ」、前作「雨蛍」、前々作「浮世舟」、前作CW「花影の女」、新曲CW「阿波連港」でした。
 「艶歌三部作」で独自の世界を開いたことでも有名になりました。3前作「みだれ雪」〜前々作「浮世舟」〜前作「雨蛍」と続いた艶歌シリーズですが、今回の新曲は、 歌いやすさが売りの軽快なテンポ・マイナー調、男性演歌になっています。千葉さんにとっても、「これはヒットする」、との期待、勝負を込めた曲であるそうですが、市川昭介 先生からは、男歌だからといって力を込めて歌うのではなく、優しさを込めて、とのアドバイスだそうです。逆に、CWは、アレンジの特徴があり、勇ましさをアピールした内容に なっています。
 女性の根強いファンが多く、大きな声援が飛んでいました。その意味でも、いろいろなプレゼントが贈られて、携帯用の傘も、というシーンもありました。全国キャンペーン を展開するにおいて、今回の新曲では、人情味の篤い関西から始めたそうですが、キャンペーン中には、ファンの方が新曲発売前から覚えた、との話があり、歌うシーンもあった そうですが、ファンの歌声は見事なまでに?ということで、気の早い話、次の曲は?なんて話も出たそうです。でも、それだけ期待が大きいからこそ、いろいろな曲を歌う千葉 さんの姿を見たい、というファンの多さだと思います。

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原田悠里さん

 曲目は、新曲「氷見の雪」、「三年ぶりの人だから」、「木曽路の女(浪曲入り)」、「津軽の花」でした。  紅白3年連続出場の実績のある歌手で、代表曲というと、(少し前に夏木ゆたかのホッと歌謡曲でも、代表曲として紹介された)「木曽路の女」、「津軽の花」とすぐに思い 浮かぶのですが、今回は、二葉百合子先生(坂本冬美さんが復活するに際して、二葉先生のところに相談、指導を受けた)に坂本さんと一緒に、日本人の心を勉強に行った、と いうことで、本日の「木曽路の女」は、浪曲入りで披露されました。また、自身のテーマが「めげない(=自分に負けない)」というだけあって、「三年ぶりの人だから」など、 振り付けで大きな動きがあるのをこなす、という元気さも素晴らしいところです。
 さて、新曲「氷見の雪」ですが、歌詞カードにも記載されているのですが、「氷見」といえば、富山県で、能登半島の付け根の東側にある、北陸有数の漁港の町です。で、富山湾 を望むと、立山連峰が海の上に「氷」のように浮かんで「見」えるそうで(だから氷見です)、世界にたった2例しかない景色だそうです。演歌チャートとしても2週連続一位に 輝いたこともあり、ヒットしているそうです。やはり、紅白出場歌手だけあって、本日の中では声援も最も大きく、さらに、客の入りも最高になっていました。

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北原ミレイさん

 曲目は、「リンゴ追分(アカペラ)」、「石狩挽歌」、「真っ赤な太陽」「みだれ髪」「人生一路」「川の流れのように」メドレー、「涙そうそう」、新曲「涙のラブソング」、 「涙の果てに」でした。
 今回は、趣向を変えたショー形式で行われました。北原さんといえば、何といっても「石狩挽歌」という代表曲があるのですが、デビューのきっかけは、父のひざで演歌を聞き ながら育ち、将来歌手になることを誓い、そして、美空ひばりさんの「リンゴ追分」を銀座で歌ったところ、水原弘先生の目に留まったことでした。その意味で、本日は美空ひばり メドレーシーンもあったのですが、特徴的だったのは、「みだれ髪」をアップテンポ調で歌ったことでした。このようなテンポや曲のイメージをがらりと変えて歌う、というシーン は、銀座イベントでは私は見たことはなかったと思います。歌手個人個人によって、歌い方も特徴がありますので、曲調をがらりと変えて歌う、というのも技術のうち、だと思う ところがありますが、このステージ用の曲の編集、という意味では、新たに曲を作るというイメージになってしまうのでしょうか?
 この時間帯、夕方で、まだ春シーズンということもあり、かなり気温も下がっていました。その意味で、北原さんからも、会場のお客様に「冷やさないようにね」、とのお言葉 もありました(歌手本人はステージの上は暖房つき)。このように、お客様に気を遣って、という考え方で、すぐ言葉が出る、これも歌手として大事な考えだと思います。
 「北原さんの歌は難しい」というファンの声もあるのですが、今回の新曲は、徳久広司先生もおっしゃるように、アップテンポの歌いやすい曲となっています。

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全体印象

 今年も恒例の春の銀座三越演歌イベントが始まりました。今年の春の部も、昨年秋と同様、一日7組ずつの歌手の出演で18時までとなっております。この時期、秋と比べて、 日の入りは遅いのですが、実際の気温は低いので、服装には十分な注意が必要です。特に、昼と夕方の気温差が大きいのが特徴で、私は、厚着して会場に向かったのですが、 昼間は暑かったくらいで、厚手の上着は脱いだほうがちょうど良かったのですが、夕方15時くらいになると急に寒くなってきて、厚手の上着を着てちょうどよかったくらい でした。ただ、本日は、花見に客を取られたのか、天気の割に意外に客足が鈍かったのは少し残念でした。来週のイベントでもう少し多くの客を期待したいです。
 また、本日は、「裏歌の手帖」掲示板でお世話になっている、せんちさん他が、会場のお客様に、「演歌・歌謡曲に関する意識調査アンケート」をやっておりました。このよう な、ファンからの意見、要望も演歌業界では特に大切だと思います。今回、このようなアンケートを私が銀座演歌イベントで見たのは初めてで、ようやく、演歌業界も変わり始めた のかなぁ・・・という気もいたします。
 さて、本日の注目は、花京院しのぶさんのコーナーでした。かなりの演歌ファンでも「花京院しのぶ」という名前を知っていた、という方は少ないのではないでしょうか?完全な 新人ではないですが、仙台で長年活動して、今回全国キャンペーン曲の発表となったのですが、折りしも、長山洋子さんの「じょんから女節」で、立ち三味線の魅力がテレビでも アピールされた時期だった、というのも幸運だと思います。その意味では、今回、紅白出場実績のある原田悠里さんが出演されたこともあり、客の中には、最初の秋岡さんから 見た、という方も多かったと思いますが、その中で、初めて花京院しのぶさんの立ち三味線を見て感動して、CDを買ったという方も多いように感じました。その意味で、本日の イベントは、このようなところにも大きな意義があったと思います。
 でも、来週(来年度)から、東京MXテレビの「演歌百撰」、深夜一時台の放送になるんだよなぁ。。。ますます、演歌番組の肩身が狭くなってくる。。。(TT)

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