演歌イベント観戦記2004
 
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2004年4月3日、私は、「銀座で演歌・ふれあいコンサート」に行ってまいりました。
以下は、私のその時の様子の記録です。

 

4月3日の出演は、11時からまきのめぐみさん、12時から上杉香緒里さん、
13時から大泉逸郎さん、14時から井上由美子さん、15時から椎名佐千子さん、
16時から永井裕子さん、17時から岩本公水さんでした。

 

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まきのめぐみさん

 曲目は、新曲「つぐみ」、CWの「想い出が泣くから」、「異邦人」、「桃色吐息」でした。
 宮城県出身、歌手を目指して上京するのですが、両親から「給料のもらえる職業」を勧められ、歌やトークの勉強もできる「バスガイド」の仕事に就いたということです。バス ガイドになれば、もしかしたらお客さんの中に「芸能関係者」がいてスカウトされるかも、との考えも、との話もありました。その中で、オーディションを何度も受け、深夜番組 「ぜったいキャイーン」で合格して念願の歌手デビューとなりました。ただ、バスガイド時代、東北の方言と標準語との違いに苦しみ、一生懸命勉強した、とのエピソードもあり ました(例えば、「降りる」を宮城のほうでは「おちる」と表現するそうで、そのため、バスガイドとして、「バスをおちてくださ〜い」と言ったこともある、という失敗談も ありました)。
 歌手になってからは充実した毎日で、むしろ、周りが疲れるという話もありました。「辛い」ことはなかった、との話で、根っから前向き明るい性格がうかがえます。その中で、 愛知県のキャンペーンでは「東海道本線の普通列車で、東京からまきのめぐみさんを応援しにきた」ファンがいてうれしかったとの話もありました。それだけ熱心なファンがいる、 というのはこの世界でのやりがいにつながりますし、逆に、歌手本人もそれだけ熱心なファンがいるから大事にしなければ、という考えにもつながっていきます。
 新曲「つぐみ」は、アップテンポで若者向けイメージの歌謡曲ですが、まきのさんがあこがれる歌手が高橋真梨子さんとのことで、演歌もポップスも歌えるという歌手を目指して いきたいということでした。新曲のイメージも、確かにそのような感覚がうかがえます。


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上杉香緒里さん

 曲目は、新曲「海峡こえて」、CWの「戸隠の雨」、前作「むらさき海峡」、「三百六十五日」でした。
 根強いファンの多い上杉さんですが、今回の新曲はスタンダード系海峡演歌で、前作の「むらさき海峡」を「こえる」べく意気込みを感じるところです。その中では、歌詞の中に ある「仕方なしなし」がインパクトのあるところになっています。トークの中でも「仕方なしなし」を強調されたのが印象的でした(でも、嫌味なトークではありませんでしたので あしからず。今回のトークでは、「今日は友達が来るから”仕方なしなし”来たのかな〜?」とかです。ちなみに、私の立場は、痛恨の忘れ物で15分遅刻して「仕方なしなし」 立見席・・・)。でも、歌詞カードにもあるように、キティちゃんの大ファンということもあり、今回は、場内からキティちゃんのプレゼントもありました。「わ〜、ありがとぉ〜」 と本当にうれしそうな顔、表情が印象に残ります。
 4月5日には、チャレンジシリーズとして、東京タワーの階段を柔道着姿で上り、展望台で歌う、というイベントを行ったそうです。上り始めるのが13時、歌の開始が 14時30分ですから、休憩、メイクの時間などを考えると大変だなぁ。。。(うまくいったのでしょうか?)で、「仕方なしなし」行うとか?いや、面白いイベントだと思い ます。それくらいの体力なければ生き残れないとも思います。

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大泉逸郎さん

 曲目は、「これから音頭」、代表曲「孫」、「ソーラン節」、「花笠節」、新曲CW「花しぐれ」、新曲「なごり船」でした。
 フジテレビ「トリビアの泉」でも紹介されていましたが、山形県「孫」様で手紙が届く、というほど有名になりました(そういえば、少し前、「オレオレ詐欺」のニュースでも、 BGMで「孫」が流れていました)。実際の孫はもう10歳、小学校4年生になるそうで、「孫」がヒットしてからはもう5年になります(自主制作盤としての期間もありますので、 「孫」のリリースからとしてはもう少し長い)。それだけでも歳月というのを感じるところはありますが、大泉さんの大きな目標として、「じぃちゃん、ばぁちゃん」の吹き込み をいれた孫の結婚式で「孫」を歌いたい、というのもあります。大泉さん自身、還暦を過ぎれば、年を「とる」のではなく、「引く」とおっしゃっていたこともあり、その意気が いつまでも元気でいる秘訣、というところもあると思います。
 新曲「なごり船」は、別れをイメージした歌ですが、永遠の別れではなく、必ず戻る、ということを前提にした内容です。おりしも、イラクへの自衛隊派遣の時期、このような 内容の歌の心情でイラクへ旅立った隊員もいるかと思います。そんな中、イラクへ言った民間人が拉致拘束されているのが本当に心配です。

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井上由美子さん

 曲目は、新曲「恋の糸ぐるま」、「哀愁エリア」、「女泣き砂日本海」、新曲CW「うち好きやねん」でした。
 今回の衣装は、古風な着物でした。これは、事務所の先輩でもある川中美幸さんからいただいた、ということで、大変喜んでいたのが印象的でした。歌手自体には、2〜3歳の ころから憧れを持っていたそうですが、当時は演歌よりもアイドルに興味を持っていたようです。ただ、中学生時代に「情け」「未練」といった言葉に引かれて、演歌の世界を 目指したそうです。このあたりが、義理と人情味あふれる大阪人らしさ、そして、中学生時代の多感な時期でのひとつの転機だった、という気がいたします。また、松原のぶえさん の「蛍」を歌って演歌に魅力を感じたこともあったそうです。
 文化放送「走れ歌謡曲」の35周年記念オーディショングランプリでデビューという大型新人で、今回歌った「哀愁エリア」は、GP受賞曲だそうです。で、新人ですので、今回 が銀座初登場ですので、前日は緊張からよく眠れなかったそうですが、たくさんお客様が来たということもあり、また、歌よりも、即売サイン会の時間が長く感じるほどファンの 方が多くいたような感じもありました。
 今回の新曲は柔らかいイメージのある幸せ曲調です。CWのほうは、タイトルからも伺えるとおり、根っからの大阪イメージの曲になっています。

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椎名佐千子さん

 曲目は、デビュー曲「御意見無用の人生だ」、前作「海の男に惚れちゃった」、「愛を信じたい」、「お梶(台詞入り)」、新曲CW「大漁太鼓」、新曲「泣きむし海峡」でした。
 今回は、のぼりやうちわなど、応援団が非常に多く来場していました。声援も非常に多く、新人デビューの時から人気が高いことをうかがわせます。今回の新曲は、デビュー 作、第二作の元気バリバリ系演歌と比べると、スタンダード系の海峡もので、演歌らしさをアピールしており、CWに従来の元気系演歌が入っています。前2作も含めて、衣装の イメージはデビュー当時と同じハイカラ風で、今回もこの衣装での登場でした。
 今回よかった点は、いろいろなタイプの歌を聴けたというところです。「愛を信じたい」は八代亜紀さんのムード系歌謡曲、また、「お梶」は島津亜矢さんのど演歌系王道演歌、 ということもあり、いろいろなスタイルの曲にも挑戦する、という意気込みも感じられます。
 デビュー当時から期待され、レコード大賞新人賞も受賞しており、どんどん成長している歌手でもあり、今後が非常に楽しみでもあります。その意味で、一日、一ヶ月が非常に 短く感じる、というのも、それだけ充実度があるから、という証拠でもあると思います。

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永井裕子さん

 曲目は、前作「菜の花情歌」、デビュー曲「愛のさくら記念日」、新曲「片恋しぐれ町」、「浪花節だよ人生は」、「哀愁桟橋」でした。
 いつも、「九州で一番最後に出る、福岡の隣で、長崎ではない、佐賀県出身」とのふるさと紹介がある永井さんです。ですが、今回に限っては、「九州で最後に出る」とは言い づらくなった(昨年紅白で「佐賀県」なる歌が出たこともある)ということで、ふるさと紹介は今回は?と思ったら、ふるさと紹介はありませんでした。。。少し残念だったかなぁ。
 デビュー曲の「愛のさくら記念日」は、私は初めて聞いたのですが、タイトルからも想像できるのですが、アイドル系歌謡曲でのデビューでしたが、2作目から本格的に 演歌歌手となりました。今回の新曲は、スタンダードナンバーといえるマイナー調演歌で、永井さんのイメージに合った曲調になっています。
 振り付けについての話があり、傍目からは「これくらい簡単」と思える振りでも、実は、やってみる(とりわけ、歌にあわせて)と難しい、ということが多々あります。私も、 振り付けは苦手なので、歌うときは直立不動かなぁ・・・実際にプロ歌手が歌にあわせて振り付けを行うのも、意外に難しいと思うのです。その意味で、永井さん、日舞を習う という話もありました。言葉にも本当に実感がこもっていると感じました。

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岩本公水さん

 曲目は、前作「絹の雨」、「えんか坂」、新曲「冬陽炎」、「演歌はいいね」でした。
 さすがにイベントの常連歌手ともあって、17時という遅い時間にもかかわらず、立ち見を含めて大勢の観客でにぎわっていました。デビュー10年目を迎え、また、紅白出場 実績もあるというとこもあり、さすがにそれだけの格を持った歌手だ、というところだと思います。また、10年目ということもあり、今まで変えていなかった髪型を、ファンの 要望で変えたそうで、気分転換の意味も含まれているそうです。
 今回の新曲は、しっとり系スタンダード演歌ですが、岩本さんにとっては、デビュー時の原点に立ち返って、という曲だそうです。今回は、岩本さんによるカラオケ指導もあり、 息継ぎが多く、呼吸を整える必要のあるゆったりとした曲、という表現をされていました。このように、少しでもファンの方に歌を大事に愛してほしい、という気持ちが伝わって きます。もちろん、それには、岩本さんも、本人が一曲一曲大事に、心をこめて歌うことが大切である、ともおっしゃっていましたし、その積み重ねが、ファンを増やし、「久々に 紅白に出たい」ということにもつながっていくのだと思います。今回は、「えんか坂」でも、ファンの皆様に「なんだ坂、こんな坂」の後追い掛け声を協力してもらったシーンも ありました。

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全体印象

 まず、最初に、出発直前、ちょっとした忘れ物に気づいて引き返し、銀座到着が予定より15分遅れました。。。その15分が痛恨で、席を確保できず、結局イベントのすべて、 7時間立席での観覧となりました。。。(TT)!! 本日の出演者を考えると、かなり人気の高い歌手が揃っていただけに、遅れればまずいかなぁ?とは予想してたのですが、 正直ここまでの混雑になるとは予想してなかった、と思ったので・・・でも、それだけ客が入った、ということで、主催者側にとってみれば良かったと思います。ちなみに、 気候的には、翌日の冷たい雨の直前日だったためもあってか、先週よりも暖かく、後半の出演歌手のときも先週ほどは寒くはなりませんでした。
 本日の出演は、デビュー間もない若手と、紅白実績のある歌手とに色分けされたようなメンバー構成でした。まきのめぐみさん、井上由美子さん、椎名佐千子さん、永井裕子 さんは前者、大泉逸郎さん、岩本公水さんは後者になりますが、上杉香緒里さんだけは、キャリアがあって、紅白出場経験がない、という意味で両方の部類にも属さないのですが、 根強いファンが力強い声援をかけていたのが印象に残ります。今回は、まきのめぐみさんの段階で席を確保できなかったのですが、まきのさんのステージが一番空いていた (といっても、先週土曜日行った時と比べると、平均的に混んでいた)くらいで、普段なら席が開くこともある、17時からのステージでも、紅白実績のある岩本さんだけに、 かなりの混雑ぶりでした。その意味では、一日の歌手出演順というのもかなり重要な意味を持っている(歌手本人の一日の都合もありますが)というのを感じるところです。
 あと、本日の後半は、キングレコードの女性歌手が4人続けての出演だったのですが、新人歌手の方が、キングの先輩が後々出演される、という紹介をされたところも、やはり 人との付き合いが(特に演歌業界では)重要なこの世界の特徴を如実に表す場面だったと思います。

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