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2000.7.29. Sat. はがき60枚の恐怖。
 いつかもここで書きましたが、私は現在コンビニでバイトをしておりまして、それはもういろんなお客さんが来るということも以前書いた通りです。

 で。
 来たんですよ、今回も、変わったお客さんが。

 それは私がバイトに入ってすぐ、レジの金額の実差確認(レシートに記録された収支の合計とレジの中の金額が合っているかを確認する作業です。当然、ここでマイナスが出ると店長にしかられます。金額があまりにも大きかった場合は不足分を給料から天引き)をしていたときのことです。この作業をしている間はレジの操作ができないので、当然カウンターには「現在作業中です。隣のレジにおまわりください」とか何とかかかれてあるプラカードが置かれています。要は、「今取り込み中だから他へまわれ」ってコトなんです。

 で、大方のお客さんはそのプラカードを見て、ついで眉間にしわを寄せてお札の枚数を数えている私を見て隣のレジにまわるんですが、その日のお客さんはそもそもそこから違いました。



 お客さん 「すみません」
 氷河   「……はい?」
 お客さん 「あの、はがきありますか?」
 氷河   「はい、ありますよ」
 お客さん 「えっと……60枚、ありますか?」
 氷河   「あ、えーと………少々お待ちください」



 60枚ですよ、60枚! 5枚や10枚くらいなら実差確認を中断して、精算してもさほど影響は出ないんですが、60枚ともなるとそうもいきません。でも、1度返事してしまったものをいまさら「申し訳ありませんが隣のレジでお願いします」なんて言えやしませんよ。第一、その時間帯ってただでさえ客が多くて、隣のレジもフル稼働していたんです。

 で、どうしたかといいますと。
 数えましたよ、60枚。
 時間にしておよそ15分。
 最初にとりあえず60枚あるかどうか確認して、さらに本当に60枚取ったかどうか、2回にわたって確認したものですから、そりゃぁもう時間がかかってしようがない。
 で、ようやく数え終わったところへとどめとばかりに、

 「領収書ください

 うがー!
 はがき60枚なんてもとから尋常でない数ですから予想はしていましたが、まさか本当にくるとは!
 ええ、そりゃぁもう顔は引きつりっ放しでしたよ、はい。
 おかげで、いつもなら15分とかからないはずの実差確認が、今日ばっかりは40分もかかってしまいました。

 「ココには変な客ばかりやってくる

 とは同僚のコウモトさん(仮名;四十路)の言ですが、今日ばかりはその言葉がとっても身にしみた一日でした。
2000.7.23. Sun. 夏祭りレポート。
 今日は地元の夏祭りに行ってきました。

 大学受験の影響や一人暮らしをしていたこともあり、夏祭りに行ったのは3年ぶりだったのですが、やっぱり楽しかったです。この夏祭りは例年7月の第4土曜日と日曜日の二日間にわたって行われる祭で、小・中・高校生達にとっては、待ちに待った夏休みとともにやってくることで非常に楽しみな祭になっています。

 この夏祭り、一昨年だか昨年だかに「大蛇山祭り」としてリニューアル(?)された祭で、その起源は遠く江戸時代にまでさかのぼることができるといいます。地元には大蛇伝説とそれに基づく大蛇信仰があり、どうやらそれと結びついたのでは? というのが大方の見方です。

 で、この夏祭りの主役はなんと言っても市内六社の神社が所有する、「大蛇山」と呼ばれる山車。2トンあまりの木製の台車に大蛇をかたどった頭部と尾部を取り付けられ、氏子達がそれを2本のロープで引いて練り歩きます。台車の上には高さ60センチほどの鐘と大きな和太鼓が乗せられ、それを数人の男性が分担して囃しを紡ぎだしていく形になります。また、竹筒の先に指された花火を使って、大蛇が大きく裂けた口から火を吐いているように見せることもあり、大蛇山はどことなく危険な香りのする山車として観客を魅了していきます。

 さて、今回私が見ることができたのはメインイベントとして設定されている六山巡行(市内六社の大蛇山が一堂に会する、大蛇山パレード)でもなければ先ごろ再結成したゴダイゴのコンサート(どうやら彼らは大蛇山のテーマソングを作ったようなのです)でもなく、夏祭りのフィナーレとなる「山崩し」という行事でした。

 「山崩し」とは文字通り祭の主役である大蛇山を跡形もなく破壊する行事で、具体的には藁縄や竹、和紙で作られた頭部と尾部を氏子達がよってたかって破壊することになります。何でも六山巡行の前に入魂式を行い、御神体となった大蛇の魂が、祭が終わると悪霊になってしまうという言い伝えがあるとかで、普通は祭が終わると同時に、それぞれの神社で「山崩し」が行われます。

 しかし、この山崩しに向かう前に、最後のシメとばかりに大暴れをするをする大蛇山が2つ存在します。

 それは私のごひいきになっている「大正山」(私の母の実家がこの「大正山」をもっている神社の近くにあるのです)と、「銀座住吉山」。この2つの大蛇山が、山崩しに向かう前にすれ違い、その時に盛大な花火の打ち合いを行うのです。

 この花火の打ち合いは「競演」といって六山巡行の際も行われるのですが、この六山巡行が祭のメインイベントに据えられる前からこの2つの大蛇山は山崩しに向かう前に「競演」を行っていたため、囃し方や下で大蛇を引く氏子の人々の気合の入り方がまったく違いますし、まるで大蛇山の全身から炎が噴出しているかのように花火を使うものですから、使われる花火の量も半端ではありません。辺りは硝煙で真っ白になり、その中を2つの大蛇山がすれ違っていきます。そして、最後の「競演」を終えた大正山と銀座住吉山はそれぞれの神社へと戻り、断末魔の叫びとばかりに最後の最後まで残っていた花火を使い、山崩しが行わるのです。

 が、しかし。
 今年の大正山は、山崩しを行うことができませんでした。
 というのも、よりによって夏祭り前夜となった21日の金曜日の深夜に格納庫の中で原因不明の出火を起こし、頭部が焼失してしまうという事件が起こったためです。祭自体には観光プラザに展示されていた(らしい)アルミ製の頭部を借用して登場したということでしたが、借り物の、しかもアルミ製の頭部では山崩しのしようがない、ということで行われなかったようです。


 3年ぶりに行く夏祭りということもあり、わずかな時間しか過ごさなかったにもかかわらず、今年はとても楽しい夏祭りを経験することができました。そしてこの夏祭りの終わりとともに、私を含めた地元の人々(特に小・中・高校生)には、本格的な夏が訪れることになるのです。