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 2021年5月の独想録


 5月20日 エゴからの攻撃
 まずはご報告とお知らせから。 
 今月5月15日/16日のイデア ライフ アカデミー瞑想教室は「エゴがしかける罠」というテーマで行いました。結局のところ、仏教でもキリスト教でも、あるいはスピリチュアルでも、めざしているのは「エゴの消滅」なのですが、残念なことに、こうした教え、とりわけスピリチュアルは、エゴを消滅させるどころか、増長させている場合が多いように思います。スピリチュアルはエゴの温床になりやすいのです。そのひとつのケースとして、不食者として有名なジャスムヒーンが、実際に何も食べないで生きられるかどうか、実験したことがあるので、それについて紹介しています。ぜひダイジェスト版をご覧になってください。
 動画視聴
 来月(6月19日/20日)は、哲学教室で、歴史上、キリスト教やさまざまな哲学思想に大きな影響を与えたギリシアの哲人「プロティノス」についてご紹介いたします。

 それでは本題にうつります。
 冒頭で述べたように、今回のイデア ライフ アカデミーの授業は、「エゴの消滅」がテーマでした。ダイジェスト版では収録されていませんが、授業では、エゴを消滅しようとするとき、エゴからの抵抗や攻撃を受けることを紹介しました。
 エゴを消滅しようとする自分に対する抵抗や攻撃だけでなく、エゴの消滅を説く人に対する抵抗や攻撃もあります。その結果、そういう人は人々(のエゴ)から迫害を受けることが多いのです。その最たる例が、ソクラテスやイエスでしょう。エゴの消滅を説いたがゆえに、人々のエゴの抵抗と攻撃に遭って死刑にされてしまったのです。聖者と呼ばれる人たちが、迫害を受けることが多い大きな理由のひとつがこれなのです。
 エゴはありとあらゆる手段を通して、自分の、あるいは他者のエゴを消滅しようとする人に攻撃をしかけて、その試みをだめにしようとします。ロシアの神秘家グルジェフは、こうした現象を「ツヴァルノハルノ」と呼んでいます。グルジェフも人々のエゴを消滅させるために活動したのですが、晩年、交通事故に遭うなどで、その志を果たすことができなくなりました。彼によれば、交通事故に遭ったのもツヴァルノハルノのせいだといいます。この記事の文脈で表現すれば、エゴの仕業ということになるでしょう。

 実は今回、私もエゴの攻撃を受けたと思われる現象に遭遇しました。
 今回の授業が終わった翌日、授業でスライドを映すために使っているノートパソコンが、急に壊れてしまったのです(画面がゆがんで表示されるようになった)。原因に、思い当たるものはありません。今まで10年以上使ってきてまったく問題なかったのに、急におかしくなってしまったのです。
 何とか直そうといろいろ試みましたがダメで、結局、すべてのデータを消去してOSを入れなおしました。そして、さまざまな設定をしなおし、失われたアプリを入れたりして、ようやく復旧できました。幸い、重要なデータはバックアップをとっていたので、大きな損害には至りませんでしたが。
 その後、授業を撮影した動画を編集して、それをYOUTUBEにアップロードしようとしました。ところが、いつもとまったく同じ作業をしたはずなのに、アップロードできないのです。結局、何回か再試行してようやくできたのですが、なぜうまくいかなかったのか、こちらも原因不明なのです。

 今まで何回も同じ作業をしてきましたが、こんなトラブルに見舞われることはありませんでした。ところが今回に限って、しかも、2つのトラブルに、同時に見舞われたのです。
 これは、果たして偶然なのかどうか? 偶然なのかもしれませんが、そうではない可能性もあるような気がします。「エゴの消滅」という動画を見せないように(そうしてエゴを消滅させようとする人が増えないように)、エゴが攻撃をしかけたのではないか?
 もちろん、真実はわかりませんが、グルジェフもツヴァルノハルノという名前でこういう現象があることを指摘していることを考えると、エゴから攻撃を受けた可能性もあるのかなと思ったりもします。
 もちろん、イデア ライフ アカデミーは、設立当初から「エゴの消滅」を掲げてきたのですが、今までは「エゴ」という言葉は使わず「人格の向上」だとか「魂の覚醒」という表現をしてきました。
 ところが今回は、あからさまに「エゴの消滅」という表現を掲げたために、エゴが警戒心を抱き、露骨に攻撃をしかけてきたのかもしれません。

 この地上における私たちの目的は、エゴを消滅させることです。しかし、それは生易しいことではありません。努力すればするほど、熾烈を極めた戦いとなるでしょう。内面的にも外面的にも、ありとあらゆる抵抗や攻撃をエゴから受けるでしょう。そのことをよく覚悟しておくことが大切です。
 しかし、エゴを消滅させた末に待ち受けている、地上とは比較にならない至福が手に入ることを思えば、エゴからいかなる攻撃を受けても、それに耐えて、戦い続けることができるに違いありません。
 この記事を読んでくださっている皆様、エゴという悪魔に負けることなく、頑張っていこうではありませんか。

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