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 2023年12月の独想録


 12月19日 霊的な知識ばかりを蓄積するのは無駄
 
まずはお知らせから。
 今月のイデア ライフ アカデミー瞑想教室は「真のグルの見分け方」というテーマで行いました。霊性向上の修行にとって、グル(導師)は必要不可欠の存在ですが、グルと呼ばれる人がすべて真のグルとは限りません。というより、現実には自称「グル」のほとんどはニセモノだと私は考えています。偽のグルでは霊性向上は望めませんし、それどころか、堕落したり、最悪の場合、人生を棒に振ってしまうこともあります。ですから、真のグルかどうかを見分ける智慧というものが必要なのです。そのためのヒントをまとめてみました。ぜひダイジェスト版をご覧になってみてください。

 
では、本題に入ります。
 今年も、もうすぐ終わりです。本当に時間がたつのは早いものです。ちょっとまえに「明けましておめでとう」と言った感覚があるのですが、いつのまにか一年がたってしまいました。歳を重ねるごとに、時間の経過が加速されていきます。今の私にとって、一年間は、若い頃の四ヶ月くらいの感覚です。
 果たして、この一年、どれだけ実りあることができたかと反省しますと、情けなくなります。もしこのまま時間の経過が加速されていき、ますます時間が短くなっていったらと思うと、怖ろしくなります。特に老境の域に達しつつある、つまり、先行きがそう長くない私にとっては、まさに死活問題です。
 ですから、無駄なことはしないように気をつけなければなりません。若い頃は、無駄と思えることでも、体験を広めていくという意味がありますが、そうした体験をそこそこ積んできた年齢になったら、もはやそうしたことをする余裕はないのです。

 人生を振り返って、無駄だなあと思うことは山ほどありますが、現在、「これは無駄だから捨てよう」と思っていることがあります。
 それは、「考えてもわからないことは、考えるのはやめよう」ということです。
 以前は、霊的な世界に関することをいろいろ知りたいと願っていました。たとえば、霊界のしくみだとか、死んだらどうなるのか、輪廻転生はあるのか、あるのならどのようなものなのか、神とはどのような存在なのか、究極の真理とはどのようなものなのか、非二元とは、悟った境地とは、などなど、たくさんありました。いわゆる「形而上学」という領域ということになるかなと思いますが、そうした本をたくさん読んできました。また、そうして学んできたことを、このブログで書いてきたわけです。


 
しかし、こうしたことを学ぶのは、とても面白いのですが、決して本当のことは、わからないのです。頭で考えてわかるものではありません。体験しなければわからないわけです。
 ですから、こうした本ばかり読んだり、考えたりしても、無駄ということになります。娯楽や趣味として楽しむならいいかもしれませんが、霊性修行の道は、娯楽や趣味ではありません。
 こうした霊的な知識を学ぶことは、修行のおおまかな道筋をつかむという意味では、初心者にとっては有益だと思いますが、そういう知識を学んでもきりがなく、それだけで一生が終わってしまうでしょう。ですから、ほどほどのところでやめておくのが賢明だと思っているのです。

 それよりも、瞑想や祈りといったことに時間を費やしていった方がよいと思っています。
 瞑想とは、ただ無念無想で意識を内面に向けるだけ、という空虚な印象があるかもしれませんが、無念無想になると、さまざまなすばらしい閃きや思いつきが湧いてくるのです。まるで高い領域から教えを授けてくれるような感じです(実際、そうなのだと思います)。そして、そのように得たものは、奥が深く、実践的であり、単に霊的な本を読む以上に有益なのです。
 今後は、霊的な知識を蓄積するよりも、瞑想に時間を費やしていくようにしたいと思っています。

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