第二期創造期

アルカイは闇との接触を望んだ。
アルカイは無との接触を望もうとした。
故に、アーは創造を行った。

来るべき戦いに備えて剣と盾を。
来るべき災いに対して正義の教えを。
長い冬の為に、強靭なる精神を。
彼らの創造の為に、基本的な知識と技術を。
今有るもの達の為に、新たな生命を。
今あるもの達の為に、良い装備品を。

全ては自由なる者達の為に。
全てはアーの望みの為に。


 第二期に創造された者は、アルドールアダマスレクスアクアアクシスフルキフェル、 そしてディアボルスの7名である。第一期創造期との違いは、使徒の性質である。 第一期が内面的な精神や、肉体に直接かかわる物であるのに対して、第二期は直接的で、 攻撃的かつ表面的な精神を表している事が多い。特に、レクスアクアは内面的であり、 第三者にその精神を強制させることを連想させる物である。

 彼らは全て、アルカイの為に与えられた。 より効率よく地上の管理を行うために、道具を与えた。 アルカイたちは自由なる者達である。故に、同族を殺しあう事も有るだろう。 或いは、自由であるが故に、未知との遭遇を恐れ武器を持つ事もあるだろう。 なんにせよ、それらを使うのはアルカイである。 使徒はその使い方を教えたに過ぎない。

 使徒達は、使い方と同時に、他人から評価をされる側の精神も教えた。 剣とは即ち、相手を傷つける勇気と代償である。盾とは即ち、忠誠心である。 正義とは即ち、信念である。強靭なる精神とは即ち、忍耐である。 基本的な技術と知識とは即ち、勤勉である。新たな生命とは即ち、友愛である。 そして、良い装備品とは、資格である。

 例えどのような道具を装備したとしても、所詮は扱う側の問題である。 使い方さえ誤まらなければ、問題は起こりえない。その指針として、例を彼らは示したのである。 理性と言う名前の精神のあり方を。

「大皆触」のとき、彼らが地上に降りてきた理由は、第一期の使徒と大差ない。 全ては、幼子を護る為。彼らの精神は、地上が罪に満ちたとき、意識レベルでは忘れ去られてしまった。 が、「立派な人間とは?」その答えとして全ての使徒を例にあげる事は、現在でも生き続けている証拠と言えよう。