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 2008年10月の独想録


 10月24日  老いても健康であれば
 このところ、医師不足ということが、深刻な社会問題となっている。また、在宅介護のありかたもいろいろ問題となっている。ある調査によれば、老人のいる世帯のうち、68%もの世帯が在宅介護を必要としている、また必要になるといわれる。介護内容のサービスにしても、高齢少子化の影響で、どんどん質が落ちているという。今後、消費税を上げるなどの対策が練られるとしても、子供が少なければどうしようもない。若者、すなわち働く人がいなければ、消費税をあげても全体としての収入は少なくなるし、介護をする人も少なくなるから、サービスが向上することは期待できそうもない。外国人を雇うといっても、言葉の問題もあるから、そう簡単にはいかないだろう。そのうえ、医師が不足しているというのだから、これから老人となっていく40代以上の人の前途は、残念ながら、あまり明るいものとはいえそうもない。
 だが、たとえこういう厳しい状況であっても、健康で元気でありさえすれば、なにも問題はないわけだ。医者も必要ないし、介護ヘルパーも必要ない。元気であれば働くこともできるから、歳を取ってもお金を稼ぐこともできるかもしれない。
 したがって、個人レベルで対策を練るとしたならば、いかに医者や介護を受けられるかということを思い悩んだりするよりも、いかに医者や介護を受けないですむか、つまり、いかに健康で元気でいられるかを考えた方が、おそらくずっと有効で現実的な対策であるように思われる。
 もちろん、どんなに健康に気をつけていても、病気になるときはなるし、怪我をして障害者になってしまう可能性もある。だから、完全な対策というものはないのだが、しかし少なくても、今から健康に気をつけていれば、気をつけていない人より、医者や介護の世話になる可能性はずっと減ることは間違いないだろう。

 私はそのような目的もあり、またそれ以前に、健康であることは気持ちがいいし、健康であればいい仕事もできるという考えから、けっこう健康には気をつけている。
 具体的には、週に二、三度、スポーツジムに行って運動をしている。ヨガもしている。
 たばこはもちろん吸わないし、酒もあまり飲まない。肉もほとんど食べず、野菜をよく摂るようにしている。大豆製品をよく食べ、サプリメントも少し服用している。
 そして、食べ過ぎるということをしない。ある実験によれば、満腹まで食べさせたサルは早く老けてしまったが、腹七分目しかエサを与えていないサルは、同じ歳なのに元気で若々しかったという。その理由は、食事が少な目だと、若返りホルモンのようなものが出るためらしい。
 また、なるべく物事を楽観的に考えるように努めてストレスをためないようにしている。もっとも、ストレスに関しては、あまり合格点には達していないかもしれない。やはり仕事がうまくいかないときなどは、どうしてもストレスから逃れられないことも多い。しかし、睡眠時間は十分にとるようにし、規則正しい生活をするように心がけている。
 というわけで、私の健康管理は、まあ、おおむね合格点に達しているのではないかと思う。
 それはともかく、病気になったときのリスクを考え、健康であることの恩恵の偉大さを考えて、そのための具体的な方法を考えて実行することはとても大切だ。
 私が大学生のとき、体育の授業で、毎回毎回、必ず「運動の習慣は欠かすなよ、いいか、大学を卒業しても、運動の習慣は欠かすなよ」と、バカの一つ覚え(失礼!)のように繰り返し語っていた先生がいた。それが私にはまるで暗示のように脳にしみ通っていて、社会人になっても運動の習慣はけっこう続けていた。この先生には感謝している。
 今日では、優秀なビジネスマンほど、健康に気を使い、体を定期的に鍛え、スリムな肉体をしているという。よい仕事をするためには、当然、健康でなければできない。健康に気をつけることは、仕事のひとつでさえあり、プロフェッショナルの義務とさえいえるのではないだろうか。
 これから、世の中はますます厳しく、生きにくい時代になっていくだろう。しかし、健康で元気でさえあれば、たいていのことは何とか乗り越えていけるのではないだろうか。
 だから、健康には気をつけよう。真剣に健康を維持できるように考えよう。健康になるには、健康的な生活習慣をつけなければならない。三日くらい運動したり食事に気をつけてもダメだ。習慣とならなければ。それには、克己的な忍耐強さが求められるが、その努力は十分に報われることになるだろう。

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