軍刀

 帝国陸海軍では軍刀は士官あるいは下士官が佩刀し、その刀身は日本刀となります。そのうち、士官の軍刀は官給品ではなく士官の支度金あるいは自費で購入することになっており、これを支援するため偕行社では陸軍刀が、水交社では海軍刀・短剣がそれぞれ販売されていました。
 また、当時は刀の持つ意味を重んじる人も多く、家に伝わる刀や気に入った刀で作成を依頼したり柄に家紋を入れたりすることなどもありました。
 日本刀は一振り一振りその刀身に合わせて拵が作成されますが、士官用の軍刀も同様でそのため同じ型式の軍刀でも寸法や反りなどに差異があります。
 また、使用する金具類も規定された物であれば好みや都合などに合わせて用いることができるため、既製のものから特注品までやはり様々でした。
 なお、下士官および装備として軍刀を必要とする兵科の兵には軍刀は支給され、この軍刀には機械打ちで作刀された刀身が仕込まれておりました。