アングルス

万物に 分けること無き 祝福を
与え 喜ぶ白きもの
罪と穢れは 無に帰らん


<神話に見られるアングルス>

 善性を信じ、それゆえに他のものから愛される使徒。それが使徒アングルスである。 アングルスに限った話ではないが、物語や神話の存在する使徒は少ない。中でもアングルスは特に少ない。

 アルドールアダマスのような力強さ、解りやすさが無く、 オービスレクスフィニスファンタスマのように使命も無い。 かと言って、グラディウスクレアータステラのようなエピソードも無い。 そしてマーテルのように人として活躍した訳でもない。

 それでも残るのは人々… 星を見ていた頃のアルカイ達と深く接する機会が多かった為であろう。

 神話に残ることなく人々の心に住み着いた使徒。それが使徒アングルスである。

<職業としてのアングルス>

 アングルスは職業ではなく、性格と言うべきであろう。時折、容姿端麗な人物を指してアングルスと言ったり、 赤ん坊や幼い少年少女を指してアングルスと言うことがあるが、 それらは大きな間違いである。本来アングルスとは善性を信じて疑わない者を指す。 あえて悪く呼称するならば「考えの無い偽善者」が相応しいだろう。

 偽善者と表現したが、実際の所アングルスは世間一般から見れば、偽善者よりむしろ甘ちゃんの分類に入る。 純真で騙されやすく、時には自ら進んで騙される事もある。しかし、アングルスはどれだけ辛い目にあったとしても人を信じて疑う事が出来ないのだ。 怨む事も、怒る事も出来ない。それゆえに俗に言う徳を積んでおり自ら引き込んだ幸運を備えている。

 おおよそ醜悪と取れる性格が無い為嫌われる要素が無く、それゆえに多くの人から好かれていたりもする。 容姿端麗であるのは所詮派生的なもので、アングルスの美しさは内面からにじみ出る物である。

<逆位置>

 いつアングルスであったかによって分かれるだろう。過去にアングルスと呼ばれていたものであれば殺伐と殺戮を、 現在アングルスと呼ばれているものであればそれが祝福と信じて殺戮を行う。

 マーテルと若干にかよった部分があるが、大きな違いは神の意志の下ではなく、それが純粋に人々の為であると本人は思い込んでいることで、 悪気がない分たちが悪い。[殺戮者]であろうと無かろうと、アングルスにしてみれば普段どおり善性を信じ、祝福を与えているだけなのだ。

 結局、見る視点が変われば今まで悪いと思っていたことも、実は善い事だったというだけの話です。逃げなくてもいいんですよ…  私の刃は闇よりの祝福。そしてあなたの身体から吹き出る血は、あなたが私を好きになってくれる事を承諾してくれた証になるんです。 さぁ…