Admiral | 海軍大将 |
・通称は提督。
・1805年までは Admiral の中でも3つのクラスに分かれていて、下から "Admiral of the Blue" , "Admiral of the White" がそれぞれ複数、そして最上位は "Admiral of the Red" の代わりに全艦隊を統括する "Admiral of the Fleet" が1人いた。
・1805年以降はクラスが4つに増加。全てを統括するのはやはり"Admiral of the Fleet"1人だったが、この時代には"Admiral of the Red"も加わって3色の艦隊にそれぞれの提督が複数存在するようになった。
・"Admiral of the Fleet" は日本語では海軍元帥になる。
・実在人物であるサー・エドワード・ペリューは、最終的には "Admiral of the Red" になったようだ。(そのうちドラマにも出てくる…はず?)
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Vice admiral | 海軍中将 |
・通称はこちらも提督。
・やはり "Red","White","Blue" の3つのクラスに分かれていて、それぞれ複数存在していた。
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Rear admiral | 海軍少将 |
・通称はやっぱり提督。
・"Red","White","Blue" の3つのクラスに分かれていて、それぞれ複数存在していたのも "Vice admiral" と同じである。
・第3部でのサー・エドワード・ペリューがこの階級。旗艦トナント号の旗の色から青色艦隊の海軍少将であることがわかる。
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Commodore | 戦隊司令官 |
・いわゆる准将クラス。
・本当は正式な階級ではなく、提督にはまだなれないが戦隊指揮をとるに足ると認められた艦長が、戦隊指揮を任された時に与えられる肩書きである。
・日本ではこの肩書きも“提督”と呼ぶことがあるが、本当は "Commodore" を提督と呼ぶのは誤りであるそうだ。
・准将、代将とも訳される。
・第2部でのサー・エドワード・ペリューの肩書きがこれ。吹き替え版では、"Commodore" の訳に提督を採用している。
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Post Captain | 勅任艦長 または 海佐 |
・いわゆる大佐あるいは中佐クラスで、1等〜6等級艦の艦長を勤める。
・キャプテンになって3年未満の者と3年以上の者では待遇が変わり、3年を超えてやっと完全なキャプテンとなる。前者が中佐クラスで、後者が大佐クラスにあたる。
・通常は艦長(キャプテン)と呼ばれるが、階級ではなく職務上の“艦船の長”に対してもこの言葉は使われるので、少々ややこしい。これは現代も同じである。
・勅任艦長になれば、それより先は先任順位に従って自動的に提督へ昇進する事が出来る。
・第1部のペリュー艦長は3年未満、また第1部第2話登場のフォスター艦長やハモンド艦長は3年以上のキャプテンである。
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Commander | 海尉艦長 または 准海佐 |
・いわゆる少佐クラス。
・スループ艦(等外艦)の艦長を務めるが、彼らの数に比べて圧倒的にスループ艦の方が少なかったので、実際には自分の艦を持てないコマンダーもかなりいたようだ。おかげで、半給で待機などという不遇の暮らしをする事も。なお(スループ艦の不足を補うためか)コマンダーが指揮する艦は、本当はスループ艦でなくても形式上スループ艦と呼ばれるそうである。
・職務上は“艦の長”であるので、通常はコマンダーも艦長(キャプテン)と呼ばれる。
・この階級には“マスター・アンド・コマンダー”という呼び名もあるが、これは廃止された古い呼び方である。だが現場では廃止後も使われていたとか。
・第3部での、ホレイショの階級がこれ。なんとか無事に自分の艦をもらえたようで、めでたしめでたし。
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Lieutenant | 海尉 |
・今で言う尉官クラス。
・大尉,中尉,少尉などの区別はなく、ひとまとめに“海尉”である。
・その艦内での先任順位(海尉に昇進した順番)にしたがって、最先任から順に"First Lieutenant","Second Lieutenant"…と呼ばれる。日本語では一等海尉,二等海尉あるいは一席,二席などと訳されている。
・1st Lt.が、その艦の副長の役目につく。第1部のエクレストンやブレイスガードル、第2部のバックランド、第3部のブッシュがそうである。
・海尉には、士官候補生や海尉心得あるいは航海士が艦長3人の面接による任官試験を受け、パスする事によって昇進する。ホレイショが第2話で受けているのが、この海尉任官試験。
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Acting Lieutenant | 海尉心得 |
・士官候補生に対して、艦長によって任命される階級。
・正式な任官を受けておらず給金などは士官候補生のままであるが、生活の場は見習士官室から士官室へ移り、海尉としての任務をこなす。第2話ではホレイショが、第4話ではアーチーが、海尉心得に昇進して海尉と一緒に士官室に出入りしている姿を観ることが出来る。
・海尉心得には先任特権が与えられ、海尉任官試験に合格すると、海尉心得に昇進した日=海尉に昇進した日として扱われる(士官候補生の場合はあくまでも海尉に昇進した日)。給金もさかのぼって昇給されるそうな。逆に試験に落ちると、全て無効になってただの士官候補生に逆戻りする事も。
・第1話で初めの頃にシンプソンが見習士官室にいなかったのは、彼が海尉心得として士官室で生活していたから。だが誰にとっても残念な事に、試験に落ちて見習士官室に戻ってきてしまったわけだ。
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Midshipman | 士官候補生 |
・准士官で、艦の下層甲板にある見習士官室が彼らの生活の場。誰もが海尉に昇進できるわけではないので、年齢もピン(10代前半)からキリ(上限は?)までいる。
・10代前半で士官候補生としてのキャリアをスタートさせるのが、当時の海軍ではごく普通である。ホレイショが17歳で士官候補生になったのは、かなり異例の遅さになる。第1話ではその事でからかいを受けるシーンが出てくる。
・士官候補生は、実際に実務に着きながらなすべき事を学ぶが、余裕がある状況では、艦上で開かれる勉強会などで学問的な教育を施される。ドラマでは第1話のジャスティニアン号で、バウルズ航海長による勉強会の様子が出てくる。
・士官候補生から、海尉にならずに航海士・航海長になる事もある。
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Master | 航海長 |
・准士官だが海尉に次ぐ階級であり、士官室で生活する。
・待遇は海尉とほとんど同列で、時には航海長の方がいい事もある。
・士官候補生よりは上位になるが、指揮系統には属さないためか、TVではバウルズ航海長とホーンブロワー士官候補生がいる状況で、ホーンブロワー士官候補生の方が指揮を取っていた。
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Surgeon | 軍医 |
・准士官待遇。
・当時の海戦では大砲で吹っ飛ばされたりする事が多いため、治療の多くは手足の切断という極端なものだった。そのため、乗艦する軍医は通常外科医である。内々でのあだ名は“骨挽き”だったそうな。
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Chaplain | 従軍牧師 |
・准士官待遇。
・必ず乗艦するという決まりはなく、牧師がいない艦もかなりあった。インディもレナウン号も、水葬を取り仕切っているのは副長であることから、牧師は乗艦していないようだ。
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Bosun (Boatswain) | 掌帆長 |
・准士官。下士官経験1年以上の水兵の中から任命される。
・帆やボート類の管理などの他、艦上で様々な合図に使う号笛を吹くのも掌帆長の役目である。
・マシューズは第2部でこのボースンに昇進した。おかげで、ソーヤー艦長からもきちんと“ミスター”付きで名前を呼ばれている。
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Gunner | 掌砲長 |
・准士官。下士官経験1年以上の水兵の中から任命される。掌帆長とは同格になる。
・砲術試験に合格している事が、任官の必須条件。
・第2部登場のホッブスはこの階級。劇中で何度もマシューズとぶつかっているが、准士官として同格の立場なので、一線を守ればとりあえず問題にはならないのだろう。
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Purser | 主計長 |
・准士官待遇。
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Carpenter | 船匠 |
・准士官待遇。
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Master's mate | 航海士 |
・准士官で、航海長の直属の部下。
・海尉任官試験を受ける資格を持ち、待遇は士官候補生よりもたいてい良い。
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Bosun's Mate (Boatswain's Mate) | 掌帆員 |
・水兵の中から任命される下士官で、掌帆長の直属の部下になる。
・第2部のスタイルズはこれに昇進しているので、マシューズの横で号笛を吹いている姿が見られる。
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Gunner's mate | 掌砲員 |
・水兵の中から任命される下士官で、掌砲長の直属の部下。
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(一部下士官省略)
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Seaman | 水兵 |
・志願の場合もあるが、人手不足の為に強制徴募(つまり誰かを無理矢理つかまえて水兵にする事)されて水兵になる者もいた。ドラマでは第1話で、ホレイショとシンプソンが強制徴募隊に参加する場面が出てくる。あの場面では、商船から船員を一網打尽で強制徴募しようとしていた。
・スネに傷を持つ者が、世間から離れる為に水兵になる事もあった。最低限衣食住が保証されているという事で、水兵になる者もいたとか。
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