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 栄養素・食品データ【ミネラル】 
マグネシウム (Mg)
2013.06.04 (Tue) 21:05
【性質・事実】
細胞外に比べて細胞内に多く存在する。
カルシウム同様、骨に集積する。
計量単位はミリグラム。
成人男子の体にはおよそ20〜28gのマグネシウムが存在する。
体内でカリウムに次いで二番目に多く存在するカチオン(陽イオン)である。
生体内のマグネシウムの半分以上は、リン酸塩として骨や歯に存在する。
残りは血液、筋肉、神経組織に分布している。
血漿中のマグネシウムの半分は遊離しており、
およそ1/3がアルブミンと結合し、残りはクエン酸塩、リン酸塩、
その他のアニオン(陰イオン)と複合体を形成している。
マグネシウムの大部分は細胞内に存在し、細胞の外の体液(血液など)には
全体のわずか1%にしか過ぎない。
血中マグネシウム濃度が低下しても、骨や筋肉の中から
マグネシウムが動員されるため、滅多なことでは血中では欠乏しない。
ホメオスタシス(恒常性)は、腎臓による排泄と腸吸収により制御されている。
カルシウム、ビタミンC、リン、ナトリウム、カリウムの代謝に必要。
神経と筋肉が効果的に機能するために必須。
運動神経末端からのアセチルコリン放出を抑制する。
血液中の糖がエネルギーに転換されるために重要。
飲酒により欠乏しやすくなる。
食事においてカルシウム、リン、タンパク質が過剰だと吸収率が低下する。
生理的カルシウムチャネルの自然なブロッカーである。
全ての細胞の中でエネルギーを消費してカリウムを取り込み、
ナトリウムを排出するポンプの役割の一翼を担う。
【所要量】
320mg
【上限】 700mg
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
脂肪の代謝を促しエネルギーを生み出す助けをする。
HDL比率を高め、LDLを下げる。
循環器系の健康増進、動脈硬化、心臓発作、脳卒中の予防。
カルシウム拮抗剤と似た働きをして血圧を下げる。
血小板凝集傾向を弱くする。
歯をより健康に保つ。
リンパ球の成長を促す。
カルシウムの沈着、腎臓結石、胆石を防ぐ。
消化不良を緩和する。
月経前症候群(PMS)の症状を緩和する。
鬱病の治療に役立つ。
神経、筋肉の機能維持。
300種類以上の酵素の協働因子である。(補酵素)

 ・タンパク質の合成。
 ・血中グルコースからグリコーゲンへの代謝。
 ・ATP依存性酵素反応でATPの構造の安定化。
 ・脂肪酸およびタンパク質の合成。
 ・解糖経路におけるグルコースとその誘導体のリン酸化。
 ・トランスケトラーゼ反応など。
※丸元淑生著「最新ミネラル読本」によれば325種類と記載されている。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
下記欠乏症。
妊娠高血圧腎症。
寝室頻拍。
群発頭痛、偏頭痛。
月経前症候群(PMS)
骨粗鬆症。
高血圧。
高脂血症。
動脈疾患。
腎臓結石。
騒音による難聴。
ガンによる神経痛。
子宮摘出手術後の痛み。
脳卒中予防。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
【供給源】
未精製の穀物、いちじく、アーモンド、ナッツ類、種子
濃緑色野菜、バナナ
【欠乏症】
神経過敏、神経質、震え、痙攣
錯乱、無気力、集中力低下、性格変化
  貧血、不整脈、疲労、同期、無食欲、吐き気、嘔吐
【毒性・過剰症】
一過性の下痢。
多量のカルシウム、リンと共にマグネシウムを過剰摂取すると、
腎機能に悪影響を及ぼす。
【サプリメント】
カルシウムが含有されているものが望ましい。
比率は1:2か1:1(Ma:Ca)
キレートされたものならなお良い。
マグネシウム単独なら酸化マグネシウムが多い。
【他の栄養素との関係】
ビタミンDを活性化させる。
カルシウムと併用すれば精神安定剤(トランスキライザー)として働く。
【吸収、輸送】
マグネシウムの吸収率は35〜45%の幅がある。
小腸全体で吸収されるが、大部分は十二指腸でおこる。
他の2価カチオンミネラル同様、消化管腔からの2つの機構により摂取される。
管腔内濃度が低い時は、十二指腸において飽和する可能性のある促進機構が稼働。
高い時には小腸が優勢となり、粘膜を通過する傍細胞移動が起こり吸収される。
吸収効率は個人のマグネシウム保持量、状態、食事中のマグネシウム量、
食事全体の構成成分によって変化する。
【注意事項】
マグネシウム単独のサプリメントは、胃酸を中和するので食後は避ける。
野菜を煮ると、マグネシウムのほぼ半分が溶出する。
血圧低下目的の利尿剤は、マグネシウムの排泄を促進する。
【備考・補足事項】
正常な筋肉収縮では、カルシウムは興奮剤として働き、
マグネシウムは弛緩剤として働く。(アセチルコリン放出に関与するため)
以下はマグネシウムの損失量を多くする
 ・飲酒習慣 ・激しい運動 ・避妊ピル ・エストロゲン ・加工食品
カルシウムと違い、吸収においてビタミンDは全く影響しない。
癌治療の一環として用いるのなら、アスパラギン酸マグネシウム、
クエン酸マグネシウム、オロチン酸マグネシウムのいずれかを400〜800mg/day。
参考文献
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄 (産調出版)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所 (第一出版)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修 (東洋医学舎)
「ビタミンサバイバル」 牧瀬忠廣 著 (ビジネス社)
「酸化ストレスから身体を守る」 嵯峨井勝 著 (岩波書店)
「ビタミン・ミネラル・植物栄養素の最新情報」 平畑徹幸 著 (素朴社)
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「ビタミン・ミネラル革命」 山田豊史 著 (総合法令)
「ビタミン伝説の真実」 生田哲 著 (祥伝社)
「最新ミネラル読本」 丸元淑生 著 (新潮文庫)
「ガンは栄養療法で治る」 パトリック・クイリン著, 今村光一 訳 (中央アート出版)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
◆ 各種ミネラル
カルシウム (Ca)
マグネシウム (Mg)
カリウム (K)
ナトリウム (Na)
リン (P)
硫黄 (S)
塩素 (Cl)
鉄 (Fe)
亜鉛 (Zn)
銅 (Cu)
クロム (Cr)
セレン (Se)
マンガン (Mn)
ヨウ素 (I)
モリブデン (Mo)
バナジウム (V)
コバルト (Co)
フッ素 (F)
ケイ素 (Si)
ホウ素 (B)
ニッケル (Ni)
リチウム (Li)