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リン (P)
2013.06.05 (Wed) 00:54
【性質・事実】
体の全ての細胞の中に存在している。
体重の約1%を占め、炭素、窒素、カルシウムに次いで多い元素。
85%がリン酸カルシウム結晶体として、骨や歯の成分となっている。
適切に機能するには、カルシウムとの比率「Ca/P比」が1/2に保たれねばならない。
核酸やリン脂質の構成成分として機能している。
殆ど全ての生理学的化学反応に関わっている。
日本における一般的な食生活において、欠乏することは殆どない。
【所要量】
700mg
【上限】
4,000mg
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
※
その他の年齢・性別に関しては、こちらの
ビタミン摂取基準
を参照(PDF)
【働き】
細胞内液・外液の浸透圧、酸塩基平衡の調節に関わる。
成長と体の修復を助ける。
糖質と脂質の腸からの吸収を助ける。
ATP(アデノシン三リン酸)などリン酸化合物としてエネルギーを産生する。
正常な骨や歯をつくるために不可欠。
心臓が正常に動くために重要な役割を果たす。
腎臓を正常に機能させる。
関節炎の痛みを減らす。
【供給源】
魚、家禽類、肉、無精製の穀類、卵、ナッツ類、種子
加工食品、インスタント食品(リン酸塩として)
【欠乏症】
くる病、歯槽膿漏
【毒性・過剰症】
毒性は知られていない。
過剰摂取すると体内のカルシウムが減少する。
(血清カルシウムのホメオスタシス調節により、リン酸イオンを供給する)
副甲状腺機能亢進をきたす。
【サプリメント】
不要
【他の栄養素との関係】
ナイアシンの吸収に不可欠。
適切に機能を果たすためにはビタミンDとカルシウムが必要。
【吸収】
殆どのリン酸塩は無機の状態で吸収される。
有機結合したリン酸塩は、膵液と腸のホスフォターゼの作用により、
腸管腔内で加水分解されて、無機リン酸塩として切り離される。
菜食ではリン酸塩の大部分がフィチン酸ゆえ消化されづらい。
ヒトはフィチン酸からリンを切断する酵素「フィターゼ」を持っていないが、
腸内細菌はリン酸塩を加水分解できる酵素を持っている。
一般にリン酸塩吸収効率は60〜70%とかなり高い。
吸収のピークは食事摂取後およそ1時間である。
【排泄】
排泄の主要経路は腎臓である。
尿への排泄量は、リン酸塩の摂取量・吸収量の増加ならびに結晶リン濃度で決まる。
PTH(パラソルモン:副甲状腺ホルモン)レベルが高い場合も排出量は増える。
【注意事項】
鉄、アルミニウム、マグネシウムの過剰はリンの効力を失わせる。
殆どの食品にはリンが含まれており過剰に摂取しやすい。
現代の食生活ではカルシウムの欠乏が起きやすい。
参考文献
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄 (産調出版)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所 (第一出版)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修 (東洋医学舎)
「ビタミン・ミネラル・植物栄養素の最新情報」 平畑徹幸 著 (素朴社)
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