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亜鉛 (Zn)
2013.06.13 (Thu) 21:45
【性質・事実】
ヒトの身体全体に分布しており、ミネラルの中では鉄に次いで多い。(約2〜3g)
腎臓、肝臓、膵臓、骨、筋肉の中に高濃度に存在する。
タンパク質の合成とコラーゲン・エラスチンの形成に不可欠。
SOD、インスリンなど生命維持に必要な300種類以上の酵素と連携して機能する。
DNAの合成に不可欠。
米国では「性のミネラル」と呼ばれている。
体内で利用されやすい亜鉛は、動物性のタンパク質に含まれている。
【所要量】
10mg
【上限】
30mg
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
※
その他の年齢・性別に関しては、こちらの
ビタミン摂取基準
を参照(PDF)
【働き】
補酵素として働く。
体内の傷と外傷の治りを早くする。
風邪の症状を和らげ、治りを早くする。
指の爪の白い斑点を消す。
失った味覚を取り戻す。
成長を促進する。 DNAの損傷を修復する補酵素として機能する。
筋肉の収縮性を左右する。
血液の状態の安定と、体内の酸・アルカリのバランスの維持をする。
コレステロールの血管壁への沈着を減らす。
インスリンの形成を助ける。
鉄と協働してヘモグロビンの合成に機能する。
カドミウムや鉛の毒性を弱める。
不妊治療の役割の一端を担う。
男性ホルモンの生成に必要。
前立腺の働きを正常化する作用がある。
全ての生殖器官の発達に関わる。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
下記欠乏症。
ウィルソン病。
栄養不良児童の下痢。
風邪の早期回復(トローチ、ドロップタイプで経口摂取)
摂食障害における鬱症状、体重増加。
味覚異常・減退。
にきび。
胃潰瘍予防。
亜鉛不足による鎌状赤血球貧血・筋痙攣予防・足の潰瘍。
火傷痕の回復。
l 注意欠陥多動性障害(ADHD)
【供給源】
肉、レバー、魚介類(特にカキ)、小麦胚芽、ビール酵母、かぼちゃの種
※ベジタリアンが不足しやすい。
【欠乏症】
味覚障害。
脱毛症。
動脈硬化。
前立腺肥大。
性機能低下。
【毒性・過剰症】
150mg/day以上の摂取で免疫機能が低下する。
1,000mg/day以上の摂取で毒性があらわれる。
胃腸の炎症。
免疫機能障害。
銅の欠乏。
【サプリメント】
硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、ピコリン酸亜鉛、モノメチオニン亜鉛などがある。
風邪の症状を和らげる目的のドロップは、口腔内で溶かさないと効果がない。
単体で摂取する場合は、銅が入っているものが望ましい。
【他の栄養素との関係】
銅の吸収を妨げる。
ビタミンB6不足、カルシウムにより吸収が妨げられる。
ビタミンB6を多量に摂る場合は、亜鉛も多く摂る必要がある。
逆に亜鉛を多く摂る場合もビタミンB6を多く必要とする。
【吸収】
門脈から肝臓に取り込まれて、他の組織に再分配される。
銅とカドミウムは亜鉛の吸収を妨げる。
グルコース、ラクトース、大豆タンパク、少量のアルコール(特に赤ワイン)は、
亜鉛の吸収効率を高める。
妊娠期、授乳期はわずかに吸収効率が高くなる。
【注意事項】
亜鉛単体で大量に摂取すると、鬱症状が増幅するリスクがある。
その症状を防ぐためにもビタミンB6を併用する必要がある。
【備考・補足事項】
汗を大量にかくと、1日に3mgもの亜鉛が排泄される。
亜鉛不足で月経不順となる場合がある。
鬱の典型的な原因として、亜鉛欠乏症が挙げられる。
参考文献
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄 (産調出版)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修 (東洋医学舎)
「ビタミンサバイバル」 牧瀬忠廣 著 (ビジネス社)
「ビタミン・ミネラル・植物栄養素の最新情報」 平畑徹幸 著 (素朴社)
「ビタミン伝説の真実」 生田哲 著 (祥伝社)
「ワイル博士の医食同源」 アンドルー・ワイル, 上野圭一 訳 (角川書店)
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
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