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 栄養素・食品データ【ミネラル】 
セレン (Se)
2013.06.13 (Thu) 00:10
【性質・事実】
1957年までは有害作用しか認識されていなかった。
ガン予防・治療において特筆すべきミネラルである。
ビタミンEと協働して相乗効果を発揮する。
男性の方が女性よりもセレンを多く必要とする。
セレンの半分は睾丸と前立腺に繋がる精管に集中している。
食品中のセレンは競れのメチオニンやセレノシステインなど、
アミノ酸が主要な形態と考えられている。
セレンの血中濃度が低いとガンのリスクが高まる。
エイズ患者のセレン血中濃度は際立って低い。
セレン自体には抗酸化能力はないが、
グルタチオンペルオキシターゼの産出に必要不可欠。
※グルタチオンペルオキシターゼ(GSH-Px)
 体内で産出される脂溶性の抗酸化物質。
 細胞内セレンの主要活性型であるセレン結合酵素。
 セレンタンパク質としてのみ細胞内で機能する。
 細胞膜の脂質の酸化を抑える力が強い。
【所要量】
55mcg
【上限】
250mcg
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
免疫力の強化。
細胞膜をフリーラジカルから守る抗酸化作用。
様々なタイプのガンから細胞、DNAを守る。
ヒ素、水銀、鉛、銅、カドミウムといった有害金属の解毒。
心臓病、脳卒中のリスクを下げる。
組織の若々しい柔軟性を保つ。
閉経後の女性の顔面紅潮を和らげる。
フケの予防・治療の助けとなる。
精子数を増加させ、男性の受精能を高める。
成長の抑制を失ったガン細胞の増殖を遅くする。
免疫細胞由来の活性酸素の害を和らげる。
プロスタグランディンの生成をする。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
前立腺がん予防。
【供給源】
ブラジリアンナッツ、鯛、オヒョウ、鮭、ホタテ貝、アサリ、カキ、
玄米、小麦胚芽、ブロッコリー、にんにく、ネギ
【欠乏症】
スタミナ喪失。
筋ジストロフィー。
免疫力低下。
ケシャン(克山)病。
※日本では、ほぼ心配はない
【毒性・過剰症】
胃腸障害。
下痢。
にんにくのような口臭。 頭髪が痛む。
皮膚が黄色くなる。
爪が剥がれる。
口腔内で金属のような味を感じるようになる。
骨の異常発達。
ガンのリスク増大。
【サプリメント】
ビタミンE(コハク酸トコフェロール)が含まれているものがある。
単体の場合はセレノメチオニンが望ましい。
【他の栄養素との関係】
ビタミンEとの相性が非常に良い。
ビタミンE200IUにつきセレン25mcgが適切とされている。
【吸収】
小腸上部で行われる。
吸収効率はミネラルの中でも高く、80%と言われている。
摂取量が増えると尿への排泄量が増えることが多い。
最初はアルブミンと、次にa2グロブリンと結合して輸送される。
【注意事項】
過剰摂取による毒性が強いので、単体のサプリメントを使用する場合は
必ず専門家に相談する。
妊娠中は、医師の指導を受けない限り避けた方が無難。
【備考・補足事項】
世界的に見ても、セレンが少ない土壌の地域は
多い地域よりもがんの発生率が高い。
動物実験では、脾臓の細胞中のナチュラルキラー細胞、T・リンパ球の
外敵殺傷能力その他のがんに有効な免疫機能の指標などが向上した。
グルタチオンペルオキシターゼが欠乏した脳では、セロトニン、ドーパミン、
エピネフリンの活動が混乱し、脳に重大なダメージや機能不全を起こしやすい。
参考文献
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄 (産調出版)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所 (第一出版)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修 (東洋医学舎)
「ビタミンサバイバル」 牧瀬忠廣 著 (ビジネス社)
「アンチオキシダントミラクル」 レスター・パッカー, 井上正康 訳 (講談社サイエンティフィク)
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「奇跡の脳をつくる食事とサプリメント」 ジーン・カーパー 著, 丸元淑生 訳 (角川春樹事務所)
「ガンは栄養療法で治る」 パトリック・クイリン著, 今村光一 訳 (中央アート出版)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
◆ 各種ミネラル
カルシウム (Ca)
マグネシウム (Mg)
カリウム (K)
ナトリウム (Na)
リン (P)
硫黄 (S)
塩素 (Cl)
鉄 (Fe)
亜鉛 (Zn)
銅 (Cu)
クロム (Cr)
セレン (Se)
マンガン (Mn)
ヨウ素 (I)
モリブデン (Mo)
バナジウム (V)
コバルト (Co)
フッ素 (F)
ケイ素 (Si)
ホウ素 (B)
ニッケル (Ni)
リチウム (Li)