演歌イベント観戦記2002
 
2001年 2003年

9.銀座演歌まつり2002年4月6日編  10.銀座演歌まつり2002年4月13日編  11.銀座演歌まつり2002年4月14日編
12.嶋三喜夫さんキャンペーン2002年4月29日編  13.バップ演歌まつり2002年5月3・4日編  14.銀座演歌コンサート2002年9月8日編
15.川越演歌の宴2002年9月15日編  16.銀座演歌コンサート2002年9月16日編  17.銀座演歌コンサート2002年9月23日編
18.小櫻舞子さんin平塚競輪2002年9月30日編  19.銀座演歌まつり2002年10月10・11日編   20.浅草バップ演歌祭典2002年10月27日編

銀座演歌まつり・2002年4月14日 Click Here!

 

2002年4月14日、私は、銀座演歌まつりに行ってまいりました。
以下は、私のその時の様子の記録です。

 

4月14日の出演は、11時から千葉山貴公さん、12時から西山ひとみさん、
13時から葉山香京さん、14時から石上久美子さん、
15時から 小峰あずささん、16時からKAORIさんでした。

 

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千葉山貴公(ちばやま たかひろ)さん

 今年の3月21日にデビューしたばかりの新人歌手、という触れ込みで、宣伝文句は「演歌新時代」(期待の星)です。というのも、インターネットやHPで自分を売り込む (私も同様に、インターネットで演歌の宣伝をしているのですが)という新しい手法を取り入れて、現実にデビューを果たす、というストーリーを展開したからです。司会者の方も、 「時代が生んだニューヒーロー」という表現をされていました。これからの時代、このような手法で名前を売り出す歌手の方が多く出ることが期待されます。
 去年の秋だったと思いますが、私事なのですが、千葉山さんには客席でお目にかかったことがあります。そして(同日だったかどうかは分からなかったのですが)、その当時の 葉山香京さんのステージでも、葉山さん自身「春には観客でしかなかったのに、秋はこのようにステージで歌うことができて感激しています」とおっしゃっていたのを思い出し ました。今回の千葉山さんが、まさに前回秋の葉山さんと同じ心境だったのではないでしょうか。そのせいもあってか、今回はかなり緊張していたというのは、会場の皆様が感じた と思います。喉がガラガラに渇いた、とも本人がおっしゃっていたのですが、途中で司会者から水を補給するところもありました。でも、このステージでは他の歌手の方々も同じ ことだと思います。
 自分を売り込むぞ!という意気込みは、「雪国」1曲(フルコーラス)の時、広い会場を全部回って皆さんに握手を求めるシーンで感じました。他の歌手の場合は、2曲で全体を ゆったり回るところでした。
 今回は、新曲「はまなす哀歌」「ふたたびの愛(CW)」と、他には「夢芝居」も熱唱されました。新曲は、どちらも女性の愛する気持ちを歌ったもので、千葉山さん自身では、 「はまなす哀歌」は繊細さを、「ふたたびの愛」はスケールの大きさを出した詩、と紹介されました。

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西山ひとみさん

 15年前、この庭園劇場が「森の劇場」といわれていたころにデビューしたそうですが、今回のステージでは、その当時のことを思い出して歌っていました。ただ、その日は雨で、 お客さんが少なかったのが残念だったという話をされていました。それだけに、今回、さわやかな天候で、お客さんの熱気も伝わってきたのを喜んでいらっしゃいました。
 デビューして15年、で、女性ということもあり、体の手入れにはかなり気を遣っていらっしゃるそうです。エステ、温泉などもよく利用されるそうで、司会者の方(もちろん女性) も、肌を触っているシーンも見られました。それと関係あるかどうかは別として、今年5月22日にリリースされる新曲「小島の女」も今回のステージで、初公開となりましたが、 西山さんは「こ・じ・ま・のおんな」と紹介されていました。というのは、「決して、こじ”わ”のおんな、とは言わないように」とのことだからです。
 今回は、現段階での新曲「ひとりごと」、CWの「こころ盗まれて」、デビュー曲の「難波女の演歌やねン」(「ン」は実際は半角ですが、PCでは出ません)「私の連絡船」 「庄内平野」も熱唱されました。ムード歌謡、シャンソン系の声ですが、最近、テレビではこの系統の演歌歌手は、お目にかかることが少ないので、貴重な存在だと思います。
 

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葉山香京さん

 司会者の紹介ですと、「中性的ユニセックスエンカ」ですが、葉山さん自身も「よく女性に間違えられる」という話がありました。「ポスターを見て、女性だと思って来場された 方は?」との質問もされていましたが、ちらほら、会場でも「YES」の方がいたようです。葉山さんの場合、一番衝撃を受けたのは、公衆男子トイレで女性に間違われた経験が あったことだそうです。昨年、11月21日にデビューして約半年なのですが、デビュー前に前回のこの会場で歌った時は、心臓バクバクだったそうです(今回の千葉山さんの 心情がよく分かります)。で、
本日も一生懸命歌います、と元気におっしゃっていましたが、それでも緊張感を感じました。
 本日は、新曲「待ちぼうけ岬」、CW「港のつくり話」、「硝子坂」(=高田みずえさん)、「北酒場」の熱唱でした。今回のオリジナル以外の熱唱に関しては、葉山さんの初めて 見たコンサートが、地元(富山)での「細川たかし・高田みずえジョイントコンサート」で、その当時の思い出を再現するという意味でした。千葉山さんに触発されたのでしょうか? 千葉山さんと同じように、「北酒場」1曲で会場全部のお客様に握手を求めるシーンがありました。でも、1曲では全部回りきれず、少し時間をとって残りの客席も回っていました。
 司会者は、「葉山さんは、腰がよく曲がりますね〜礼儀正しいですね〜」と、まるで母親と息子のような感じでになっていたのも印象に残りました。
 

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石上久美子さん

 本日の中では、一番多くの来客がありました。かなり有名な経歴があるということで、お目当ての方が多かったのだと思います。そのこともあってか、本日は曲数も多く、盛り だくさんで熱唱されました。デビュー曲の「津軽のじょっぱり」「なみだの海峡」「人生双六おとこの旅路」、現段階の新曲「津軽のおとこ前」とCWの「ひとり淋しくて」、 4月22日発売新曲「こころ揺れて」、とCWの「ばってんよか男」で、最後に「北海暴れん坊」の熱唱でした。(ただし。。。ちょっと歌詞を間違えたのは残念・・・)
 さて、自己紹介の「こんにちは〜」の声が歌手バージョンになっていたところは、私は印象に残っています。岩本公水さんの印象も残っていたのですが、このような元気のよい声 というのは、特にこの世界だからこそ、大きな武器だと思います。それもそのはず、デビュー当時は、坂本冬美さん、島津亜矢さん(ともに紅白出場歌手)とともにNHKはつらつ 3人娘、として期待されていたからです。しかし、石上さんは、その後一時体調を崩し、一時休業していた時期があったので、意外と知らない方もいらっしゃるかと思います。今回 も、このステージで歌うのは久々だそうで、かなり緊張していたのかもしれません。
 ステージで必ず言われるのが、「小さいですね〜」(「かわいいですね〜ではなくて」)という話をされていました。でも、私が遠目に見ると、そんなに小さいという印象は ないのです。声のスケールが大きいせいか、大きく見えるのかもしれません。この声のスケールは、民謡で鍛えたそうで、母の手を引いて習った民謡で、地方のコンテストを 受けたところ、見事優勝、そして、この世界に入るきっかけとなったそうです。
 本日は、津軽民謡を交えて「津軽のおとこ前」を歌唱されましたが、本曲は、楽曲としても、スペイン風タンゴ、トランペットに津軽三味線を入れた、新しい試みがされて いて、演歌としても面白さを感じました。

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小峰あずささん

 司会者は、「異色の経歴の持ち主」という紹介をされていました。というのは、山一證券でOLとして営業の仕事をしていた経験があるそうです。そして、山田年秋先生に スカウトされて、歌手の世界に入り、7年前に「脱サラ」デビューとなったわけです。山一破綻は5年前ですから、デビュー当時は、小峰さん自身も「自分の会社は危ない」 ということは、うすうす感じていたのだと思います。ですから、意外に歌手の世界に入る踏ん切りはついたのではないでしょうか?で、現在も、この世界で生きるにおいて、 「営業の仕事が役に立っている」そうです。
 今回熱唱されたのは、4月22日発売新曲の「しあわせ夢椿」と、そのCWの「あずさ川」、現在の新曲「水芭蕉」、デビュー曲の「海峡みれん」でした。また、今年は、 元旦から北海道で仕事をしたということで、「石狩挽歌」の歌唱もありました。さらに、6月には「演歌ほんのり」という題名のオリジナルアルバムもリリースされる、と 紹介されました。出身が群馬県で、「からっ風と女性のか弱い???」という紹介もありました。

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KAORIさん

 あまり聞きなれない名前だと思う方もいるかもしれません。私も、当初はよくは分からなかったのですが、実は、私がKAORIさんのステージを見るのは初めてではなかった のです。気づいたのは、見た覚えのある顔と、徳間ジャパンというレコード会社で、あ、吉幾三さんの弟子で、「原かおり」という名前の演歌歌手がいたことを思い出しました。 で、新宿コマ劇場の吉幾三さんの公演を2度見たことがあり、歌のコーナーで、原かおりさんが歌っていたシーンを思い出しながら観戦しました。
 KAORIさん(津軽の五所川原出身)が吉幾三さん(五所川原の隣町、金木出身)に出会った際、同郷の出身だからということで、挨拶したところ、吉さんは、名前を聞いた ことがあったそうで、吉さん自身も、「会ってみたい」ということでした。当時、原かおり、として歌手活動はしていたのですが、改めて弟子入りしたそうです。
 そして、今回、KAORIさん自身も念願だったという、吉幾三さんの作詞・作曲・プロデュースによる「津軽のおんな」(カップリングの「酒場唄」も、吉さんの作詞・作曲) をリリースすることに至ったそうです。その際、吉さんからは、「”はら”を取って新たな気持ちで再デビュー」という話になり、「ローマ字の名前で歌う演歌歌手もいてもいい のではないか」ということで、現在のように「KAORI」として活動しているそうです。でも、まだ「KAORI」としては半年くらいしか活動していないせいか、「自己紹介 で、まだ”原かおり”とつい言ってしまうことがある」ということもおっしゃっていました。
 今回は、会場には、津軽の五所川原、金木出身の方もいて、「探せば同郷の人もいるのですね〜」と喜んでいたところも印象に残りました。やはり、津軽の人は演歌が好きです から、この会場ですと、他の場所より津軽出身者のいる確率が高いということだと思います。
 今回は、シングル両面のほか、「演歌みち」「風に立つ」を熱唱されました。やはり、風が少し冷たくなり、また時間的に、帰ってしまった人も多かったのですが、逆に、残った 客の目が温かく感じた、という話もありました。

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全体印象

 本日は、最後のKAORIさん以外はバップレコード所属ということで、さしずめバップ演歌まつり、といった雰囲気になりました。実際、2002年5月3日 (川越)、5月4日(飯能) の両日、今回のバップ出演者5人が総勢で「バップ演歌まつり」に出演されます。私は、その埼玉開催も楽しみにしているので、機会があれば行きたいと思います。
 ただ、今年の「ぎんざ演歌まつり」の中では、客の出足は今ひとつかな、という感じはしました。私は三越開店直後に来たのですが、半分くらいは席が空いていました。 「バップレコード」というレコード会社が意外に知られていないというのと、どちらかといえば、今回の出演メンバーが新進気鋭のラインナップだったというのもあるの かもしれません。でも、このような新人が、数年後、あるいは、十数年後に大物になっている、という可能性もあるのです。その意味では、今回の観覧は非常に貴重な時間 だったと思います。このような名前は聞いたことがない、という方々もいらっしゃるかと思いますが、それだけに逆に見所も多いと思えるところでもあります。
 本日は、その中では石上久美子さんのステージに多くの来客がありました。やはり、名前が売れているというところもあったと思うのです。その意味では、名前を売る、という こともこの世界では重要である、というのを感じる次第です。
 本日も、16時になると帰宅の途につく客の方もいらっしゃったようで、KAORIさんについては、唯一バップレコード以外からの出演となったということが響いたのか、 あるいは、時間的に余裕がない客の方々も多いのかもしれません。でも、吉幾三さんの作詞・作曲・プロデュースということもあり、非常に注目して聞いていました。吉幾三 さんの声を重ねて想像して聞いてもいました。

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