演歌イベント観戦記2002
 
2001年 2003年

9.銀座演歌まつり2002年4月6日編  10.銀座演歌まつり2002年4月13日編  11.銀座演歌まつり2002年4月14日編
12.嶋三喜夫さんキャンペーン2002年4月29日編  13.バップ演歌まつり2002年5月3・4日編  14.銀座演歌コンサート2002年9月8日編
15.川越演歌の宴2002年9月15日編  16.銀座演歌コンサート2002年9月16日編  17.銀座演歌コンサート2002年9月23日編
18.小櫻舞子さんin平塚競輪2002年9月30日編  19.銀座演歌まつり2002年10月10・11日編   20.浅草バップ演歌祭典2002年10月27日編

銀座演歌コンサート・2002年9月16日 Click Here!

 

2002年9月16日、私は、「銀座で演歌・ふれあいコンサート」に行ってまいりました。
以下は、私のその時の様子の記録です。

 

9月16日の出演は、11時から長谷川千恵さん、12時から沢村玲子さん、
13時から松下里美さん、14時からチェウニさん、
15時から 山内惠介さん、16時から林あさ美さんでした。

 

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長谷川千恵さん

 曲目は、新曲「流れて港町」、「時の流れに身をまかせ」、「北の宿から」、前作「ザンザ岬」、新曲CW「漁師の女房」でした。
 本日で5回目の出演ですが、毎回芸名の紹介をされているそうです。由来は、名優の長谷川一夫さん、片岡千恵蔵さんから採ったそうで、誰からも親しまれるような歌手に、との 思いを込めてだそうです。本日は、トップバッター、ということで、出演まで時間が取れた(トップバッターの特権ですね)ということで、本番前のリハーサル、洋服姿も披露された のですが、意外にその姿で歌っても、絵になる、という感じはありました。
 新曲は、定番の「女性のせつなさ」の歌詞を、ニューミュージックと演歌系を組み合わせたようなメロディです。が、前作、3年前のリリース「ザンザ岬」が現在になって評価が 高まっているそうです。(歌詞の「ザンザ」と歌うところにこぶしの特徴がある、という評価が出てきたのでしょうか) 作曲家・新進歌手フェスティバルで、270人の中で見事 優勝、NHKBS2「新しい日本のうたフェスティバル」では、現在評価の高い「ザンザ岬」を歌うそうです。さらに、長谷川さん自身の曲で、一番好きな曲は新曲のCW「漁師の 女房」だそうです。実は、「漁師の女房」は、物語的には、「ザンザ岬」の続き、を歌っているそうです。

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沢村玲子さん

 曲目は、新曲「ふりむかないで」、新曲CW「フィールオブマスカレード」、「いい日旅立ち」、「プレイバック・Part2」でした。
 テレビ・雑誌等でモデルとしても活躍中だそうですが、私はよく知らなかったのです。で、2000年くらいから、歌手としても売り出すため、歌のレッスンもしてきたそうです。 で、2002年4月、ハニーシックスと同じ事務所に所属したことで、そこから3ヶ月という短い期間で、新曲をリリース、という慌しい運びになったのです。その意味もあり、 新曲は、ハニーシックスからのカバー版「ふりむかないで」となったそうです。現在では、ハニーシックスとラジオ番組で共演もされています。
 そのような道をたどっているので、今回のステージはもちろん、初舞台でした。ということもあり、緊張感が非常に感じられた、という感じがありありでした。もちろん、この業界 で売り出す方々、このような経験は、誰もが「通過点」として持つことになります。何を話せばいいのか、分からなくなってしまった、ということもありますし。私も、初めての舞台 に立てば、本当に緊張してしまうのでしょう・・・話も苦手ですし。そういえば、本日のトークでは、舞台の初仕事は、岐阜の刑務所だったそうで、そこで初めて歌った曲が「いい日 旅立ち」(受刑者にとっては、人生の再出発をこめた歌、というところでしょうか?)だったそうで、皆同じ服装で、少し怖くて不気味な感じもあった、という話もありました。
 尊敬するのが、山口百恵さん、という話もあり、アイドル系の元気さが売り物という方で、新曲も、J−ROCK系にアレンジされています。また、CWの曲は、意味が「モザイク 色の感じ」だそうです。これからは、ドラマ等にも挑戦していきたい、という目標を立てているそうです。

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松下里美さん

 曲目は前作「愚図で馬鹿でお人好し」、新曲CW「そんな女がいたことを」、「秋桜」、「時の流れに身をまかせ」、新曲「背中の氷河」でした。
 声質とボーカルの雰囲気の魅力を紹介されました。私も、前回の「ぎんざ演歌まつり」でも拝見しましたが、以前も記したと思いますが、16歳でデビューしたそうで、当時は 「こぶしを突き上げるノリ」だったそうで、今は洋服の似合う「大人の女性の歌謡曲」を歌う歌手に変身されたそうです。本日は、11時頃、沢村さんの出演のあたりから大雨の 天気になったのですが、「雨が降ると思い出す」ような女性の切ない心を歌う、そんな雰囲気が絵になる、という感じがあります。トップで長谷川千恵さんも「時の流れに身をまかせ」 を歌唱されたように、この年代の女性にとって、テレサ・テンさんは「あこがれ」、目標となる存在、というのだと思います。松下さん自身、もちろん持ち歌は自分で表現するのです が、他人の歌を歌う場合、少し本人に気を使ってという表現をされていました。
 松下さんの場合、新曲CW「そんな女がいたことを」のようなしっとりとした曲想が似合う、そんなイメージですが、「背中の氷河」は、何か女性的「怪しさ」(表現悪いかも しれませんが)というのを感じる(男性には、逆に自省を促すべく?)、そんな歌でもあります。
 来年には新曲もリリースされる予定で、また、最後のポーズも絵になる、そんな感じでした。

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チェウニさん

 本日は、ヒットナンバーの紹介歌唱、というナンバーでした。「トーキョー・トワイライト」「Tokyoに雪が降る」「星空のトーキョー」「最愛のひと」、そして新曲 「セピア色の雨」でした。さすがに、ここから3名は、皆様もおなじみの顔ぶれ、ということもあって、掛け声、シャッターの音も頻繁に、という流れになりました。
 「私の名前は、チェウニです。チュウニではありません、また、チェ・ウニでもありません」との紹介がありました。なかなか年輩の方々は、「チェウニ」とは言いづらいので しょうか?それとも、なまるのでしょうか?キャラクター的な魅力がいっぱいで、今までにないタイプの新しさを提供して下さいます。歌唱力、表現力はさることながら、その 「特徴」を見出した関係者の「目」のすごさを感じる、というところもありました。また、これだけテレビ出演も多い、ということもあり、カメラ慣れしていることもあって、 カメラのシャッターに自ら向って、というシーンもありました。(後述の山内惠介さんも同様のシーンがありました)
 その意味で、「トーキョーを舞台にした女心の切なさ」というテーマに絞って特化したのが大成功、ということだと思います。で、サードアルバム・タイトルが 「Tokyo・トーキョー・東京」で、東京を舞台にした1960年くらいからの名曲のカバーを中心にリリースされるそうですが、チェウニさん自身は、今回のアルバムの中では、 歌う前には「なごり雪」しか知らなかったそうで、あとの曲は、自身どのように表現するか迷った、という話もありました。担当者からは、「チェウニさん自身らしさを出して 歌ってほしい」との一言で、新しい感性の歌声で、という形になったそうです。
 また、ファーストコンサートも開かれるそうで、全国各地を回るそうです。それほどの人気になった、というのを改めて感じます。

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山内惠介さん

 新曲「海峡雨情」、「憧れのハワイ航路」、「あなたのブルース」、デビュー曲「霧情」を熱唱されました。
 今回歌唱された歌手の中で、林あさ美さんを置いて、一番ファンの来客が多く、大変な熱気でした。特に、10代から中高年にかけて、女性ファンが多く、追っかけ的なファンも 多く来ていました。その意味もあり、特に「海峡雨情」では、すでに応援のパターンが決まっています。それは、山内さんが出演する前、音声のテストを兼ねた「曲の宣伝放送」の 時点から、「応援の準備」としてメロディに合わせて行われていました。もちろん、「惠ちゃん」の掛け声も大きく響きました。応援パターンは、鈴と、拍手を使い、イントロとサビ 部分で、4拍子の中を「拍拍休休」のパターンで行います。
 本日歌唱された中では、「憧れのハワイ航路」は、福岡の高校時代に修学旅行で行く予定だったのに、上京のため転校して行けなかった「ハワイへの思い」で歌ったそうです。また、 「あなたのブルース」は、男性の歌った「女唄」なのですが、山内さん自身がミニアルバムで「女唄・名曲選」(女性が歌った名曲集)を歌っていることもあり、自身の歌の曲想に 似合う、という意味も込められていると思います。山内さんのデビューが17歳という若さで、人生経験も少ない、ということもあり、人生経験のある女性の心を歌う、というのは 非常に難しかった、とも語っていました。
 山内さんの場合、福岡出身ということもあり、氷川きよしさんとの比較や、あるいは、「第二の氷川きよし」的な言い方をされることもありますが(実際に、テレビのワイドショー で、追っかけ女性のテーマをしていたときに、氷川さんはもう人気が全国区になったので、氷川さん以外の新しい演歌界のスターを求める意味で、山内さんを追っかけ、という特集も あった)、今回拝見しての印象は、少なくとも「第二の氷川きよし」ではなく、「新しい若手演歌のスタイル」というものでした。氷川さんの「ポップス系演歌」とは違い、山内さん には、「正統派演歌」の継承、というのが求められている、という印象がありました。そのため、氷川さんとは、簡単に比較はできないと思います。むしろ、山内さんの場合、 「山内惠介さんらしさ」を前面に出せる、というキャラクターという印象ですので、氷川さんとは別の分野で活躍する、という感想です。

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林あさ美さん

 本日は、新曲「朝はきっと来る」、デビュー曲の「つんつん津軽」、「あばれ太鼓〜無法一代〜」、「東京ドドンパ娘」、「だいじな人だから」を熱唱されました。やはり、人気 歌手で、こぶしの入れ方も違う、という印象でした。会場の全体が盛り上がりました。
 有線大賞・有線放送大賞のいずれも新人賞を受賞された、ということもあり、山内さんに負けないくらいの拍手、掛け声もありました。(男性ファンが多いので、その分の掛け声の 大きさもあります)NHK「お江戸でござる」のレギュラー出演は、皆様もご存知だと思いますが、「朝はきっと来る」はそのテーマ曲でもあります。ノリの良さが特徴で、林さん のこぶしが入らなければ、まさしくJ−POPともいえる歌です。
 私は、成田でも拝見したことがあります。その時分にも紹介されたのですが、青森・六ヶ所村出身で(実際は、もっと詳しい地名まで紹介されたのですが、林さんの早口での紹介で、 私はよく聞こえませんでした。でも、「大字」という、現代で珍しい?地名もつくそうです)、当所では「麩入りラーメン」が有名だそうです。(林さんにとって、麩入りのほうが 常識だった、ということで、上京して「なぜラーメンに麩が入ってないんだ?」、との疑問もあったそうです)上京してすぐは、引っ込み思案だった、というところもあったのですが、 やはり、若い女性が青森からはるばると、というケースですから、もっとものような感想もあります。でも、上京してまもなく10年、ということもあり、今では大スター、という 風格も備わってきました。今年は「お江戸」レギュラーということもあり、「紅白」出場も期待できる、そんな地位まで上ってきたんだなぁ、という印象も持ちました。

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全体印象

 本日の関東地方は、あいにくの大雨模様でしたが、観客の多さはさすがでした。銀座三越開店前から、並びの客も多く(その時点では雨はまだ降ってなかった)本日、目当ての 歌手の多さを感じます。やはり、後半3歌手は、テレビでもよく見ることが多く、雨の中でしたが、声援も非常に大きかったですね。(海峡雨情、セピア色の雨、など、雨のイメージ の歌が呼んだのでしょうか?)
 その意味では、後半3人、という構成もグッドだったと思います。後半の歌手目当てにいい席を取るために、当然前半から席取りしていますので、長谷川千恵さん、沢村玲子さん、 松下里美さんのステージを見た方も多かったと思います。そんな場所で「思わぬ掘り出し物」を見つけるファンもいるのです。ひいては、業界全体の底上げ、またはイメージアップ にもつながっていきます。
 また、本日は、土曜、日曜でない「祝日」というのもよかったと思います。土曜日、日曜日の場合、近くの「ウインズ」に馬券を買いに行く人々が多い(特にこの年代の方)で、 演歌ファンがそのようなイメージで見られると、業界のマイナスイメージにもなる可能性もあるからです。
 ともかく、本日は、若手人気男性歌手の山内惠介さん、「お江戸でござる」で人気の林あさ美さん、「トーキョーシリーズ」で人気上昇のチェウニさんの出演ということもあり、 今回の「ふれあいコンサート」では最大の盛り上がりとなったわけですが、この熱気を、(特に好天の日は)今度の週末につなげてほしいと思います。

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