|
[ 単行本 ]
|
影との戦い―ゲド戦記 1
・アーシュラ・K. ル・グウィン ・清水 真砂子 ・Ursula K. Le Guin
【岩波書店】
発売日: 2000
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
中古価格: 121円〜
|
・アーシュラ・K. ル・グウィン ・清水 真砂子 ・Ursula K. Le Guin
|
カスタマー平均評価: 5
深くて暗いファンタジー。 魔法使いとして才能を開花させた青年ゲドは、自分の能力を誇るあまり高慢になり、修行中に「影」を呼び出してしまう。何とか一命は取り留めたものの、以来「影」に執拗に追われるゲドは、逆に自分から「影」を追いかけて戦うことを決意するが…。
アースシーという空想の世界を舞台に、青年の心の成長を描く傑作ファンタジー。細部まで精巧に描きこまれ、文章を読みながら目の前にその世界が広がっていくようだ。
テーマが「影」との戦いというだけあって、戦記といってもゲドの個人的な戦いという意味合いが強い。全体的にわくわくするような冒険というより、陰鬱な色合いを感じたが、それも子供から大人へ変わりゆく思春期に特有の心理を反映しているのだろうか。「影」とは結局何だったのか…そこには筆者の深い洞察がありそうだ。
魅力的な Ursula K Le Guin の世界 ゲド戦記の映画が公開されてから、この本を手に取りました。作者の Ursula K Le Guin は1929年生まれなので、もう77歳近くになっています。彼女はSF界で最高の栄誉となるヒューゴー賞を5回、ネビュラ賞を4回受賞しています。これはSF界ではすばらしい業績です。しかし、このゲド戦記の原作本は、ファンタジー小説です。SFとの共通点は仮想世界をリアルに描くという事かな、と思います。SFでは何の制限もなく自由な世界を作り出せますが、ファンタジーの世界にはある一定のルールがあり、どのファンタジー小説もその範囲内で記述しているように思えます。たまに「ハウルの動く城」のように、現代世界との接点があり、魔法を使うハウルがゲーム機でゲームする甥達に会いに行くシーンもあるような小説もあります。しかし、このゲド戦記は純粋なファンタジー小説で、しかも魔法を扱っています。魔法を扱うファンタジー小説のベストセラーはたくさんありますが、Magic のとらえ方が小説ごとに異なる点がこれらの本のベストセラーたるゆえんなんでしょう。例えば、Terry Goodkind は、additive magic、subtractive magic という世界を作り、ハリーポッターは、魔法学校で魔法を学ぶ世界を作っています。Ursula Le Guin の世界では、「もの」に付属する true name が分かりさえすれば、魔法でその「もの」をコントロールできるという概念が特徴的です。豪華な料理などを魔法で目の前に展開できますが、すべて虚構の世界の産物であり、食べる事ができませんし、豪華なドレスも目の錯覚といった感じです。しかし、動物などに変身はできるようであり、この点は T.H.White の"The Once and Future King"に出てくる偉大な魔法使いのマーリンの技と同じです。ゲド戦記の魔法使いゲドは、魔法の杖を象徴として用い、船を操る風を制御し、いろんなものにspellをかける小技も駆使します。大技、小技を使い分け、Dragonと戦う強さで読者を魅せながら、自分の影(shadow)との戦いに力を消耗する弱さも併せ持っている、実に人間的なキャラクターになっています。この原作を読んでゲドの人間性を理解して映画を見れば、更に映画は楽しいものとなるでしょう。どちらが先でも構わないという人もいますが、私は原作を先に読む事をお勧めします。
星∞ 「あなたが今まで読んだ本の中で、もっともお薦めできる本は?」
と問われたら、間違いなく候補に入る一冊です。
初めに読んだのは小学校6年生のときでしたが、
それ以降何10回と読み返しています。
読むたびに違うことが見える。
「ゲド戦記」シリーズ全て読んでいますが、
個人的にはこの一巻が一番好きです。
内容は「魔法使いの冒険とその成長」
といったところですが、そこから語られることは無限です。
このファンタジー、「娯楽」として読んでも100点ですが、
同時に「ファンタジーでしか描けないこと」が
ギッシリと詰まっていることにも気づかされます。
清水真砂子さんの美しい翻訳も最高。
原著と読み比べても「さすが!」の一言です。
奥深い世界観を、非常に質の良い日本語で描き切っています。
色々と難しい理屈を持ち出して解釈するより、
まずはこの圧倒的な世界に触れてみることをお薦めします。
文字通り「本物」のファンタジー。
とくとご堪能ください!
「今の自分」に迷った時に読みたくなる本。
この本を「所詮ファンタジー」と侮ってはいけない。
全世代必読の1冊だと思う。
描かれているのは魔法使いが普通に居る「ファンタジー」な世界だが、人間の内面性を非常に深く描き込んでいる作品で、大人が読んでも十分楽しめる、かなり手ごたえのある内容になっている。
「ゲド戦記ー影との戦い」は、主人公ゲドの幼年期から青年期までを描いた話であるが、
彼は類まれな魔法使いの資質と思春期特有の(!?)過ぎた虚栄心から、大いなる災いである「影」を招いてしまう。
正体の知れない「影」と戦い、敗れ、逃げ、恐れ、大いに迷い苦しむのだが、そうした紆余曲折を経るうちに次第に「影」と「自分」について、この関係の本質が「何」なのかを深く考えるようになる。
平たく言えば己の葛藤、様々な人間関係などを通じて、自身も成長するといった内容だが、読まれた方は誰しもゲドの心情、行動に共感を持つと思う。
地位、名誉、金、何でもいいが、ある種の「力」を手にした時、高慢になりがちなのは、主人公ゲドに限ったことではないと思う。
力ある、と思うからこそ陥りがちな驕慢、妬み、自尊、または虚飾に踊らされる自分、そういった日常をご体験の方も多いのではないだろうか。
そして苦い失敗。
心のバランスとは難しい。この本を読む度に、主人公ゲドと共に自身も深く内省する部分がある。
中学の時に初めて読んで以降、私も何度と無く読み返した。
今の自分を振り返ってみても、この本の影響は大きかったと思う。
大人になってからも楽しめるが、大人になる前の「中高生」には特に、是非、一度目を通しておいて欲しいと思う1冊だ。
是非息子に読ませたい! 以前新聞の読書欄で高い評価を受けいていたので読んでみました。力が如何に高慢な人間をたやすく作ってしまうか、またそのことに気づくのに如何に高い代償を払わなければならないか。更には、そこから立ち直るのには深い絆と信頼に基づく友や恩師が必要かを、テンポの良い語りと、絶妙な描写で、飽きさせず一気に読み進ませてくれました。小学校高学年以上の年齢であれば、きっと何かを感じてくれるはず。むしろ、大人向けのファンタジーかもしれません。指輪物語、ナルニア国物語と子供向け?ファンタジーを読み進んで来ましたが、一人の人間の内面とその成長を描いた作品としては、ベスト1でしょう。是非続編も読んでみたいと思います。
|
|
[ 単行本(ソフトカバー) ]
|
馬と少年 (岩波少年文庫―ナルニア国ものがたり)
・C.S. ルイス
【岩波書店】
発売日: 2000-11
参考価格: 756 円(税込)
販売価格: 756 円(税込)
中古価格: 77円〜
|
・C.S. ルイス
|
カスタマー平均評価: 4.5
中世の戦記ものを読んでいるようで楽しめます ナルニア王国の周辺に位置するカロールメン国のラバダンがスーザン王女に振られたのを根に持って攻め入ろうとしたのに対して、出生が謎に包まれた少年シャスタと貴族の娘ながら継母に辛く当たられていたアラビスが2頭のしゃべる馬と共にナルニア王国とアーケン国に、その攻撃を伝える冒険が話の中心です。物語の端はしにライオンが現れ、ストリーを後押ししていく。そして戦いのシーン。ナルニア軍は猫族を先頭に巨人族までが参加、勝利を収める。
敵将のラバダンが今後の非戦を誓わないためにロバにされてしまうのも魔法の国ナル二アらしい落ちである。そしてシャスタの出生の秘密があきらかになり、めでたしめでたしとなり心安らかな気持ちになれます。
挿絵の雰囲気が変わりました。 今までは外の世界からナルニアに来た子供達が主人公でしたが、
今作の主人公は元々ナルニア(に近い所にある国)に住んでいる
少年です。
ペペンジー兄弟もピーター以外は登場しますが、
王や王女としてなので今までの作品で見られた子供っぽさはなく、
驚かされました。
作品としては前作までとは傾向が異なり、違った面白さがあります。
今作も主人公達が成長して行く様子がとてもよく書かれているので、
最後まで飽きずに読めるかと思います。
ただ、アスランが・・・都合のいい時にだけ出て来る事に
少々違和感を覚えました。
大事な役割や複線もあったりするんですが、どうも・・・。
結局は全てアスランの示した事が正しいのだ、という事になるので
キリスト教の信者ではない私からすると、
少し反発したくなってしまいます。
他人を思いやる優しい心 「ナルニア国ものがたり」のシリーズ第5作と言うよりは、外伝と言った方が良いかも知れない。
物語は、「ライオンと魔女」から数年後、ピーター、エドマンド、スーザン、ルーシィの4人が、それぞれ王、女王になってナルニア国を治めていた時代である。友好国アーケン国を敵対国カロールメン国に侵略戦争を仕掛けるという事件が起き、エドモンド、ルーシィの二人が出撃し解決するというものである。ただ、物語の主役は、シャスタ、アラビスの二人と物言う馬ブレーとフインである。
内容的には、侵略であり、後継であるが、他人を思いやる優しい心と、他人の言うことを聞かず、すべてを自分の思いとおりにしようとする頑なな心の対決である。
だから、作者の狙い通り、この児童書を読んで、多くの優しい子供たちが生まれたらいいなあと思う。
前巻の「銀のいす」と同じくらい良い作品です。 我々が住んでいる世を「こちらの世」とするとナルニア物語では「あちらの世」があります。あちらの世は、日本語の「あの世」ではなく別の時空に存在する世界です。
この巻では、あちらの世に登場するのはカロールメン国、アーケン国そしてナルニア国です。カロールメン国は強国ですが粗野で暴力的で人種も白人ではありません。
そこにシャスタという白人の男の子がいます。他国からさらわれて養父の漁師と住んでいますが虐待をうけています。また、カロールメンの貴族の娘ながら継母に邪険にされて嫌な貴族に嫁がされそうなアラビスという女の子がいます。
二人にはそれぞれ言葉の話せるナルニア国生まれの馬がいます。そして、人と馬からなる二つの組は別個に希望のあるナルニア国に行くために砂漠を旅していたのですがその途中で二つの組は遭遇します。でも貧しい漁師の息子と貴族の娘ですのでアラビスはシャスタを見下しています。
それでも長い旅の試練とある出来事でアラビスはシャスタに好意を持つようになります。この物語はハッピーエンディングですから楽しく読めました。
ナルニアの第五巻。 本書は貧と富、人間と動物(人間ではないけれども、人間の言葉を話すことが出来る動物)、強と弱、力と権力、愛と友情と憎しみ・・・などなど社会にいて、人が体験しうる人との問題が全て埋め込まれているような印象の物語でした。街と街が砂漠で区切られている事によって、それぞれが別個の意識を持ったものである事が明確にされているようにも思えますし、シャスタとアラビスとそれぞれの馬の四人の人物像の設定は一見わざとらしいくらいによく考えられていると思います。 貧しい者でも富んでいる者と本質的には対等である様子、臆病な者でも勇気を出さなければいけない時がある事、自分の力を出し切っているつもりでもまだ出せる力があるという事など、ひとつの本の中で本当に多くの教訓が描かれています。このような意味では本書の対象として、子どもだけでなく、大人が読んでも大いに意味深いものとなるでしょう。結果的にそれをアスランが知らせる結果となっていますが、実際の世の中にアスランがいないのは明らかです。だからこそ信仰があるのであり、本書のような素晴らしい児童書が評価されているのではないでしょうか。 またラバダシが最終的に殺されなかったのも印象的でした。ロバになる呪いをかけられ、自分の街の中だけ本来の姿に戻れる事をアスランに許可されたラバダシは、もう戦争を起こすことはなくなったのです。傷つける事だけが罰ではない事を教えてくれているのではないでしょうか。 児童書として気になった点をあげるとすれば、冒険の最中に日の出の場面が美しく描写されており、日の出を実際に眺めたことのない(最近の統計で半分以上という結果もある)現代っ子にとって大いに興味をそそられた事でしょう。また図書館をさりげなく物語とリンクさせて登場させているあたり、子どもの生きる力を伸ばそうとする作者の意図が窺えました。 本当に素晴らしい作品でした。
|
|
[ 単行本 ]
|
トム・ソーヤの冒険
・マーク・トウェイン ・亀山 龍樹 ・Mark Twain
【集英社】
発売日: 1994-03
参考価格: 893 円(税込)
販売価格: 893 円(税込)
中古価格: 1円〜
|
・マーク・トウェイン ・亀山 龍樹 ・Mark Twain
|
カスタマー平均評価: 5
ギャングエイジの男の子に 息子の、確か9歳のバースデイプレゼントにしました。
この本をきっかけに、読書好きの人間に育ちましたよ。ギャングエイジの少年が、空想の翼を羽ばたかせて読むのに、最適の本だと思います。
|
|
[ 大型本 ]
|
蜘蛛の糸 (日本の童話名作選)
・芥川 龍之介 ・遠山 繁年
【偕成社】
発売日: 1994-10
参考価格: 1,680 円(税込)
販売価格: 1,680 円(税込)
中古価格: 1,200円〜
|
・芥川 龍之介 ・遠山 繁年
|
カスタマー平均評価: 5
良い作品を読ませたい 本当に良い作品は、小さな子どもの心にも届きます。
ルビがふってありますので、小学1年生でも読むことができます。
挿絵もすばらしく、自分一人で読むことができない子でも
読み聞かせてあげれば、物語の世界に自然に入り込んでいきます。
多少難しい言葉も出てきますが、文章にリズムがありますので
すんなり耳に入っていくところにも作品の力を感じます。
ぜひぜひおすすめの一冊です。
心に残る一冊を息子にも 小さい頃テレビで見た「蜘蛛の糸」。強烈な印象を受けて本を探しましたが当時は絵本はありませんでした。母となり子供に紹介したいと思い探すとこの本を発見。なまなましすぎない絵に思いやりを感じました。
こんな絵本があったなんて! 「蜘蛛の糸」・・・・童話として大正7年に書かれた芥川作品がこんなにすばらしい絵本になるなんて! 「純日本文学」というカチカチ、コチコチのいかにもとっつきにくそうなジャンルもこんな絵本になったらずいぶん親しみやすく、身近なものになることまちがいなしです。 遠山繁年氏の絵が奇術師のように、物語の中に引き込んでいってくれます。おどろおどろしい地獄の様子が、なぜかしら笑みながら通り過ぎ、極悪非道の=陀多も憎めぬ、あわれな主人公として目に入ってくる。 今、この絵本を小学1年の息子に手渡した。・・・・小学生の児童にも「純日本文学」にふれることのできるすばらしい絵本です。 今後、この絵本<偕成社の「日本の童話名作選シリーズ」>を少しずつ息子に手渡していこうと思っている。
|
|
[ 単行本 ]
|
ガリバー旅行記 (子どものための世界文学の森)
・ジョナサン スウィフト
【集英社】
発売日: 1994-03
参考価格: 893 円(税込)
販売価格: 893 円(税込)
中古価格: 79円〜
|
・ジョナサン スウィフト
|
カスタマー平均評価: 0
|
|
[ 単行本 ]
|
おんなのこのめいさくたからばこ―かわいいプリンセスがいっぱい!全12話
・山本 和子 ・水森 亜土 ・永田 萠 ・田村 セツコ
【学習研究社】
発売日: 2006-10
参考価格: 1,155 円(税込)
販売価格: 1,155 円(税込)
|
・山本 和子 ・水森 亜土 ・永田 萠 ・田村 セツコ
|
カスタマー平均評価: 5
ママも大好き♪ 同じシリーズのものも大変気に入っています
何と言っても大好きな水森亜土さんのイラストがあるので即買いだったのですが開いてみるとなつかしのレモンちゃんも登場♪
48?50年代生れのママにとっては必見ではないでしょうか☆
昔話は絵本によって内容が若干ことなるので選ぶのに困っていましたがこのシリーズはどれも気に入りました
|
|
[ 単行本 ]
|
シルバー・レイクの岸辺で―インガルス一家の物語〈4〉 (福音館文庫)
・ローラ・インガルス ワイルダー ・ガース ウィリアムズ
【福音館書店】
発売日: 2003-02
参考価格: 788 円(税込)
販売価格: 788 円(税込)
|
・ローラ・インガルス ワイルダー ・ガース ウィリアムズ
|
カスタマー平均評価: 5
フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が拡がる 荒らくれた流浪人や保安官は登場しないけれど、アメリカの西部開拓らしい雰囲気が高まる。プラム・クリークから西へ移動し落ち着くデ・スメット(現サウス・ダコタ州東部の街)は、農業開拓の最前線というだけでなく鉄道敷設の最前線に近い。鉄道工事の現場を経験し、越冬用に借りた測量技師の家は即興ホテルにもなる。父さんは、払い下げ農地の場所を確保し開拓の足場を固める。春になると、開拓民のラッシュが始まる。開拓小屋ができる。その近くにたまたま赤ん坊のグレイスが見つけたスミレ咲く窪地は、スミレの香りが漂う素晴らしい場所、続巻でもしばしば登場することとなる。
「大きな森」、プラム・クリーク、シルバー・レイクはほぼ同緯度なので、気候、自然などはとても類似している。ローラは12歳。フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が急速に拡がってゆく。娘時代のローラの物語は、ここシルバー・レイクを舞台に次巻以降に続いてゆくこととなる。
ローラのこども時代との別れ この本の始まりでは、インガルス一家はまさに経済的にも精神的にもどん底の状態です。
農地からは収穫があげられず、借金を抱えたとうさん。一家はしょう紅熱に襲われ、メアリイは失明する。
愛犬ジャックも年をとって死ぬ。
メアリイの失明によってローラは実質的にこの一家の長女となり、こども時代に別れを告げる。
この本の最後では、インガルス一家はデ・スメットに定住することになり、一家の開拓生活も終わりを告げます。
ローラにとって、どうにもなじめない町での生活。その中でかあさんがローラに、妹キャリーのところに遊びに来る近所の女の子たちに勉強を教えることを強要する場面があります。
ローラはいやいやながらも教え始める。遊びに来た女の子たちも、これから勉強をするのだといわれてびっくりし、初めはおとなしくしていたが日に日にいやそうな様子を隠さなくなる。かあさんは女の子たちに「おかあさんに、この小さな学校のことをお話しにちょっとおたずねします」といい、とうとう女の子たちがやってこなくなると「それにしても母親がどういう気でいるのかしらね?」といぶかる。
いつもは知的で論理的なかあさんの思考が、この場面ばかりはちょっと理解できませんでした。とにかく、現代の日本の常識とはだいぶ違っていますね。
大人になるって、どういうことだろう。 プラム川の農地で失敗し、借金を抱えた父さん。 忙しい母さん。失明したメアリー。幼い妹。「私にできることはなんだろう」 この巻のローラは、常に自分に問うている気がしてなりません。 自分ではどうにもできない「辛さ」や「時代」と向き合うにはどうすればよいのか。 「大人になるって、こういうことだよ」 100年前のローラは、逃げずに考え、現代の子供達に教えてくれます。 他の巻同様、楽しいクリスマスの風景は健在です。 湯気をたてる牡蠣のスープにクラッカー。 ももの缶詰、真っ赤なクランベリーソースにこんがり焼けた野鳥・・・。 辛い時代だからこそ、小さな幸せが嬉しい。 そういうことなのかもしれません。
|
|
[ 単行本 ]
|
かいけつゾロリとなぞのまほう少女 (ポプラ社の新・小さな童話)
・原 ゆたか
【ポプラ社】
発売日: 2003-11
参考価格: 945 円(税込)
販売価格: 945 円(税込)
中古価格: 1円〜
|
・原 ゆたか
|
カスタマー平均評価: 4
子供がはまってます 子供がテレビのアニメを見て、かいけつゾロリシリーズにはまっています。 ちょっと間の抜けたヒーロー?ゾロリとお供のイシシ・ノシシの活躍!まるで水戸黄門のようでもあります。 オヤジギャグが随所にちりばめられ、それでいて、ホロリとくる場面あり、いい話です。 子供の成長には、心のヒーローが必要なのかも知れません。 是非、読んでほしい一冊です。
|
|
[ 単行本 ]
|
ハイジ〈上〉 (福音館文庫)
・J. シュピーリ ・パウル ハイ
【福音館書店】
発売日: 2003-03
参考価格: 735 円(税込)
販売価格: 735 円(税込)
中古価格: 218円〜
|
・J. シュピーリ ・パウル ハイ
|
カスタマー平均評価: 4.5
奥が深い作品 岩波のものか福音館のものかどちらを買おうか迷っている方。
原作に忠実な翻訳で読みたいという方は岩波を。ただ、挿絵がちょっと…。
挿絵を見てイメージしながら読みたいという方は福音館を。福音館は確かに詳しく訳されていますが、意訳しすぎだと思います。
アニメと原作とでは特に宗教的な点でかなり違います。第二部(原作は二部構成。第一部:Heidis Lehr- und Wanderjahre. 第二部:Heidi kann brauchen, was es gelernt hat.)は信仰をすすめる傾向がかなり強いのが少し気になるところですが、それ程複雑な信仰ではないので、キリスト教の知識が必要ということはありません。
夕日で燃え上がる山を見てハイディが「感動」していることの意味、フランクフルトでのハイジの病、クララはどうして立てたのか。『ハイジ』を通して考えるべきことは、特に現代の我々にとってはたくさんあり、奥は深いと思います。
アニメしか見たことがない方、ぜひ原作を読んでください!!
ほんとうの貧しさとは? 「大自然」と「平和」と「銀行」の国スイス。今でこそ、「豊か」なイメージが定着しているこの国も、 ハイジが生きた時代には、これといった産業も無い「貧しく不毛な国」でした。 しかし、大人以上にくっきりと“物事の本質を見抜く”ハイジは、 この国にある「ほんとうのしあわせ」に気づきます。 貧しいけれど素朴な人々。粗末だけれど美味しい食事。そして豊かな山々。 クララの暮らす「豊かなドイツ」と、ハイジの暮らす「貧しいスイス」 果たしてどちらの暮らしのほうが「豊か」で「しあわせ」なのでしょう? ほんとうに「貧しい」のは、一体どちらの国なのでしょう? ・・・「豊か」でありながら「貧しい」現代の日本。 今だからこそ、大人も読み返してみるべき物語だと思います。 (しかも、上下巻を通じて『詳しく』訳されたこの本で。)
ほんとうの貧しさとは? 「大自然」と「平和」と「銀行」の国スイス。 今でこそ、「豊か」なイメージが定着しているこの国も、 ハイジが生きた時代には、これといった産業も無い「貧しく不毛な国」でした。 しかし、大人以上にくっきりと“物事の本質を見抜く”ハイジは、 この国にある「ほんとうのしあわせ」に気づきます。 貧しいけれど素朴な人々。粗末だけれど美味しい食事。そして豊かな山々。 クララの暮らす「豊かなドイツ」と、ハイジの暮らす「貧しいスイス」 果たしてどちらの暮らしのほうが「豊か」で「しあわせ」なのでしょう? ほんとうに「貧しい」のは、一体どちらの国なのでしょう? ・・・「豊か」でありながら「貧しい」現代の日本。 今だからこそ、大人も読み返してみるべき物語だと思います。 (しかも、上下巻を通じて『詳しく』訳されたこの本で。)
|
|
[ 単行本 ]
|
ティアラちゃんのバレエ・レッスン トウシューズ篇
・しめの ゆき ・小野 恵理
【新書館】
発売日: 2004-11
参考価格: 1,260 円(税込)
販売価格: 1,260 円(税込)
|
・しめの ゆき ・小野 恵理
|
カスタマー平均評価: 4
同じ気持ちで読めました バレエを習っている小学3年生の娘のために購入しました。
娘は届いてすぐに本を開き、夢中になって最後まで読みきってしまいました。
トゥシューズをはき始めた状況はもちろんのこと、学校でのできごと、
他の習い事に揺れる気持ちまで、主人公のティアラちゃんに自分を重ねて読んでいました。
バレエを習っている女の子には、ぴったりの本だと思います。
|
|