人間がその頭で見る世界は、それぞれ違う。ましてや、その認識が同じであるはずはない。いかに既存の枠に、教えられてきた知識に雁字搦めになっているか、それがよく解る作品だと思う。 組む相手によって詩的世界も異なる2002年10月リリース。佐久間氏の絵とささきすばる氏の絵では大きく森博嗣の絵本の詩的世界は大きく違うなぁ、というのが一番の感想である。絵本の世界の詩的インスピレーションが組む相手によって大きく違ってくるというのは、まるでミュージシャンが組む相手によってまったく違った音楽を創り出すのに似ている。詩は絵の持つ世界を増幅させる役割のものなのかもしれない。
どこかノスタルジックな佐久間氏の絵にインスパイアーされた森的詩的頭脳は素晴らしいコトバをその絵に付加し、素晴らしい絵本が出来上がる。その作業はどこか『理系』である。(●^o^●) 理工系の詩 植物は感情だけで生きているのかもしれないという話を聞いたことがある。そうすると動物は欲望だけで生きているのだろうか。いずれにしてもそこにあるのは現在だけなのだろう。ところで猫は知覚で生きている。少なくとも森博嗣が書き、佐久間真人が描く猫は知覚で生きている。厳密にいえば、数覚と視覚で生きている。生まれながらの数学者にして純粋美学者としての猫。英訳で読むとなおいい理工系の詩。 哲学出来て、和める絵本。人気ミステリ作家の森博嗣と、新進気鋭の画家、佐久間真人のコラボレーション絵本です。
これは、先に佐久間氏の絵があり、それを並べ替え、森氏が文章をつける、という行程で作られたそうですが、佐久間氏のどこかノスタルジックな雰囲気が漂う暖かい絵と、森氏の哲学を感じさせる詩的な文章が見事にマッチしています。
佐久間氏の描く、愛らしい猫たちも魅力的です。
話は単調な航海日誌、、というカンジですすむ主人公が、偶然のりこむことになったノーチラス号で世界中の海をまわる
物語の佳境になると話は加速するかんじで盛り上がる
ディズニーでもおなじみの海底2万マイルですから、よんでみてよかった〜と思ったし、達成感(?)もありましたしかし、十五少年漂流記と同じ作者だったのか・・十五少年〜は、小さい頃 大好きだったのに知らなかった。。 原典ではないこの版を読む人は当然フランス語は読めるだろう。表紙を拡大すればわかることだが、簡略版としっかり記載されている。ヴェルヌ以外の第三者がリライトしている。大体半分ぐらいに縮んでいるのではないかと思う。ちゃんとした原典にあたりたければ、別の本を探すしかない。
とはいえ、原典は長くてしんどい。短いのも便利だ。字も大きくて読みやすく、挿絵も昔の銅版画風で、気分が出ている。フランス語学習にも適しているだろう。 素晴らしい夢のある作品。海の底の森を探検したり、未開の野蛮人が住む島、さらには海に沈んだ伝説のアトランティス大陸まで冒険します。
しかし、何より僕はジュールヴェルヌの描く人物が好きです。非常に生き生きとしていて、はっきりと人物像を思い浮かべることができます。