カスタマー平均評価: 5
妙味あふれる作品。 デブとガリガリ、正反対の体格をもつ兄弟がそれぞれ、地底世界にあるデブ王国とノッポ共和国を訪れ、それぞれの国の人々とともに暮らし、両国間の戦争も経験するという話。
この二人は一応主人公格であるが、物語中ではたいした役割をもたない。
作者の意図がどうであったのかはともかくとして、この作品は東西冷戦を綺麗に揶揄している。
デブ王国はのんびり屋で気の優しい太っちょの人々が住む国。ノッポ共和国は几帳面で勤勉で気性の荒いやせ型のっぽの人々が住む国である。
両国は戦争し、デブ王国のほうが敗れるのだが、奇妙なことに文化的にはデブがノッポを併呑する。
敗戦国であるはずのデブ王国の雰囲気を、勝者であるノッポ共和国が取り入れ、デブ王国化して、しまいにはデブ王国と連合王国を形成してしまう。
どの国がどの陣営の比喩となっているかは明瞭であろう。
この物語の重要な点は、「デブ」と「ノッポ」が対をなす言葉として書かれていることである。じつはデブとノッポは対立する要素ではない。
デブであってノッポのひとも当然いていいわけだ。物語中のノッポの国はガリガリの人が住む国なのだが、それを何故「デブの国ノッポの国」というタイトルにしたのか。
「デブの国ガリガリの国」では何故いけなかったのかを考えてみると面白い。
なつかしの、、、 この本は私が小学生の時にプレゼントでもらって読みました。人種差別や戦争という大きなテーマを子供にも童話という形で教えてくれる大変いい本です。私は今回知人の出産祝いに送りました。
デブの国ノッポの国 長男が小学3年の時「とっても面白かったよ。今度はお布団の中で、お母さんが読んで。」と、この本を渡された。弟にも聞かせてあげたいからと。はじめ、とても面白くて笑いながら読んでいった。しかし、二つの国の戦争の所で、長男がぽろぽろと涙をこぼした。私も、ぐっときた。このようなことに感動できる長男にも感動したし、久々に読み聞かせをさせてくれたこの本に感謝した。 子供はもちろん楽しめる本だと思うし、できたら、ぜひ親も読んで一緒にこの本の事をお話しをしてほしいな〜。 彼は、4年になって、また本棚から取り出して読んでいる。
デブの国ノッポの国 子供の頃、寝床に入り ワクワクしながら何度も読み返した本。 児童文学、「デブの国ノッポの国」 は子供心をとてもくすぐる。 デブのお兄ちゃんとのっぽの弟が、 お父さんとピクニックに来た事から始まる。 お父さんは気持ちよく、くつろいで、 兄弟達は近くを探検しにいく。 そこに、穴(隙間?)を見つける。 なんとそこには・・! 地底世界に続くなが〜い、なが〜いエスカレータが・・。 心配したおとうさんが兄弟を探して 「お〜い、お〜い」 というのも聞かず、子供達は遙か下の地底に探検に向かってしまう。 なが〜いエスカレータの終点には、 デブの国とノッポの国の2つの入り口が・・。 この2つの国はとても仲が悪いのです。 そこで、兄弟は別れ別れになってしまいます! ノッポの国では家も動物も人も、ドアもノッポ。 働き者だけれどイジワルなのです。 デブの国では家も動物も人も、ドアもはば広〜いのです。 そして、怠け者でくいしん坊なのです。 ・・というような話で、この兄弟の役割が 重要な鍵になるのですが、読み終わった時の爽快感と、 未知の地底世界という設定。 又、地下への入り口がエスカレーターを使っているという ”アンバランスさ”が子供だけではなく、 大人も想像を膨らませて楽しめる物語です。
|