アリスはディズニーアニメが日本では一番有名だと思いますが原作のほうが面白いですよ。ディズニーアニメは不思議の国と鏡の国をちょっとまぜてますのでアニメの原作を読もうというひとは両方セットで買うことをお勧めします。値段も高くないですしね。 ブラックな児童書 児童書にしては随分「悪」的要素が強い作品。まあ外国と日本の考え方の相違というのも有るような気がしますが。日本の児童書と比べるといささか過激ですね。オトナが読むぶんには良いんじゃないでしょうか。子供に読ませる時には親御さんが一回読んで、子供に読ませるべきかどうかを判断したほうがいいと思います。
アニメは、ボスニアで父親が亡くなった直後から物語が始まり、16話分使ってフランスまでの道中を描いているが、原作では、フランスに辿り着くところから始まる。
これは恐らく、アニメでは『家なき娘』という邦題の通り、
長い旅の末に祖父に受け入れられるすべての過程を重視しているが、原作は『家族で』という直訳の通り、元々ペリーヌが祖父に家族として受け入れられる過程にのみ着眼点を置いているためだと思われる。そのため、物語が始まってすぐに訪れる母親との死別シーンや、パリカールとの別れも、アニメに比べて淡白な印象を受ける。
上巻の主な流れは、フランスでロバのパリカールを売り、母親が死に、ペリーヌはたった一人で旅の目的地である、祖父のいるマロクールへ向かう。苦難の末マロクールに辿り着くが、祖父は自分と母親をひどく恨んでおり、ペリーヌは追い返されるのを恐れて名乗り出ることができなかった。
そこで祖父の経営する紡績工場で働き、やがて英語の才能を買われて、祖父の側で通訳をするよう頼まれたところで終わる。
もう一つ、原作とアニメとで大きく違う点がある。それは、原作では、ペリーヌがヴュルフランの孫であることが最後まで語られないのだ。そのため、ペリーヌの、祖父に対する内面が一度として直接的には表現されず、
ひどく物足りない感じがする。
全体を通してアニメの方が楽しめるが、祖父に対すること以外はペリーヌの内面もしっかり描かれているし、マロクールへの道中やマロクールで一人で暮らしている光景の描写は細かく、読み応えがある。一小説として、アニメを知らない人にもオススメできる作品だ。 現代語版・家なき娘知ってる人は知ってる、アニメ・ペリーヌ物語の原作です。岩波文庫版を求めて20年、ようやく再販がなったその2年後に出版された本書は、旧仮名遣いでもすばらしい内容だった岩波文庫版に比しても、子供たちにも読みやすく、大人でもまっすぐにその内容に没頭できる、現在の日本語で書かれています。
エピソードは小説らしく、アニメとはまた違った楽しさが味わえます。本を読む対象と、アニメを見る対象の想定年齢が違うので、無論すべての伏線をナレーターが解説してしまったりもしません。どうぞ、ペリーヌの冒険をお楽しみください。ただし、この本には注意点が1つ。
それは、本書表紙の折り返しが、アニメのストーリーを知っている人を相手に、本小説最大の伏線を、スパッとネタバラシ!している点です。純粋に小説として楽しみたい方は、折り返しにご注意を。
まずざっと上巻のあらすじを書こう。少女ペリーヌは、両親と三人で、祖父ヴュルフランの住むマロクールを目指して旅をしていた。しかし父はボスニアで亡くなり、母もフランスで亡くなった。たった一人でマロクールに辿り着いたペリーヌだったが、
祖父は母親と自分をひどく恨んでおり、孫だと言い出すことができなかった。そこでペリーヌは、祖父の信頼を勝ち得るまでは名乗るまいと心に誓い、祖父の経営する紡績工場で働くことにする。
ヴュルフランは目が見えず、ずっと一人息子、つまりペリーヌの父親の帰りを待ち続けていた。わけあって自分で追い出したのだが、彼は息子を愛していたし、
工場の後継ぎは息子の他にないと思っていた。けれど息子は戻らず、彼の周囲では次期社長の座を狙う者たちが策をめぐらせて互いを牽制し合っていた。
下巻では、ペリーヌがそんな中に飛び込み、彼らの陰謀を上手くかわしながら、祖父の側で通訳として働き、少しずつ祖父の信頼を勝ち得ていく様が描かれている。
感想だが、アニメでは初めからペリーヌが孫だとわかっており、ペリーヌの祖父に対する内面が物語の中枢的に語られるのに対して、原作では孫であることは最後まで読者に対しても隠されている。そのため、ペリーヌの内面が見えてこないだけでなく、彼女の目的すら曖昧なまま物語が進むので、いまいちと言わざる得ない。
あと、小説の展開自体は面白いが、ペリーヌがあまりにも完璧すぎるのも残念。読者は少々欠点のあるキャラクターの方が感情移入しやすいものだ。
上巻の続きであり、上巻がオススメなのでこれも薦めるが、下巻単体としては上巻ほどは面白くない。 現代語版・家なき娘アニメと小説の違いも楽しい、ペリーヌ物語原作の下巻です。小さな子向けに、TVでは切られてしまったタルエル氏の深い描写。反対に影の薄い、ビルフラン様の"二人"の甥。TV製作の都合上、一人にまとめられてしまったペリーヌの家庭教師の先生と、工場主任技師。
TVではどうしても付いて回るマスコット動物の不在による、ペリーヌの文字どおりの孤軍奮闘。唯一人の友人の、TVとは大きく違う生い立ちと、不幸な事故の結末。そして、最後まで一切語られることの無い、ペリーヌとビルフラン氏の関係。etc.etc. ・・・TV版を知っている人は、2倍楽しい。知らない人は、より一層、小説として楽しめる。そんな下巻です。
た・だ・し・TVは知らない、小説で初めて読む、という方は、上巻ともども、決して表紙の折り返しは、読書前に読まないように、ご注意♪