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真・Water Gate Cafe

外法帖放遊記

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第拾六話「異端」
悪夢。
牢から引きずり出され、悲惨な拷問を受ける女性。
「こいつは、どこで死ぬかな……」
悪魔に例えると悪魔に怒られそうな、責め手の言葉。
何かを吐かせるためではない――ただ苦しめ、殺すことが目的なのだ。
「前の奴よりは保ってくれると、楽しいんですがね」
否、それは拷問でさえない。単なる、淫靡な殺人道楽だ。
目の前で、それを見せつけられる、夢の主。
もちろん、自分も、「それ」を受けるのを待つ、牢の中なのだ――。

「う……うわああああ!」
真夜中の鬼哭村に響き渡る、魂をえぐるような、恐ろしい悲鳴。
思わず飛び起きる遼次郎
「おや、起こされちまったかい。アレは……御神槌(みかづち)の声だよ。
心配いらないよ、いつものことさ。いつもの――ね」
悲しげに目を伏せる桔梗

その悲鳴の主、御神槌と引き合わされる遼次郎
子供たちを相手に、神の教えを説く御神槌
優しげな笑顔で神の愛を語るその姿からは、とてもあんな悲鳴をあげるなど想像できない。
桔梗にうながされ、説法の後片付けを手伝う遼次郎

それで心証を良くしたのか、
自分の信じる神の存在と、悲惨な現実とのギャップに苦しんでいる――
――と、いうような悩み事を打ち明けられる。
おいおい、懺悔を聞くのはそっちの役目じゃないのかい(笑)?
だが、相談を受けるのはなぜだか慣れっこな遼次郎は、黙って聞く。
特に、「汝の隣人を愛せよ」――敵でさえも、憎しみではなく、愛をもって対するべし――
というくだりが、トゲになって、心に深々と刺さっているようだ。
まあ、幕府への復讐を目的とする「鬼道衆」に身を投じている者としては、当然か。
「それ」ができないから、ここにいるわけだし。

のち、九角屋敷にて、その御神槌や、今回は嵐王も交えて、「今回の任務」。
その前に、嵐王から「式神のもと」を貰う。
これで、「こっち」でも式神システムが使えるわけだ。
――シナリオ消化に追われて、使ってないけど。
で、本題。
「神隠し」の真実――その背後に居ると思われる「井上重久」との関係――を暴き、
必要とあれば、これを処断せよ!
命を受け、江戸に向かう一行。思い詰めた様子の御神槌を気にした、嵐王もいっしょ。
とりあえず二手に分かれ、九桐御神槌の班に同行。
だって、御神槌シナリオなんだし。それにカレ、なんだかほっとけないし。

と、小石川療養所にて、偉そうなでぶ侍が、
「お偉方が『遊び』に行くのに、『おもちゃ』が足りんとは、なにごとだ――」
などと、療養所の留守居にむかって、吠えている。
そして、浪人風の連中に、「おもちゃ」の調達を命ずる。
その隠語の意味がわかろうハズのない遼次郎だが、なぜだかふつふつと怒りが……。
ないはずの記憶の中で、ヤツが最低の「隣人」であると、覚えているからだ。
この「隣人」はちょっと、愛せないよなぁ。
が、その「怒りのオーラ」を感じ取られてしまったのか、浪人どもがこちらにやってきた。
なんのことはない、御神槌を見咎めたらしい。
そーいえば神父姿だもんな。考えてみりゃ江戸じゃ目立つ。
もめた末、戦闘に――。

勝てるワケのない雑魚ども。
御神槌の詰問に、大した情報を持っていないことが明らかになる。
でぶ侍の隠語の意味も、神隠しの真実も聞き出せず。
本命の「人攫い」チームは、どうやら桔梗澳継クンのチームが出会ったらしい。
こっちも弱かった――と、澳継クンは言っていたが。

翌日――。
嵐王は、「大蛇の呪い」を使った咒方で、江戸の撹乱を。
他の一行は、引き続き井上重久がらみの調査を、仰せつかる。
集合に来ない御神槌を気にして見に行ってみると――、
大蛇の呪いを放ち、虐げられた切支丹の恨みを晴らせと、嵐王にそそのかされている。
なんだか、いつもと別人のように邪悪な雰囲気の嵐王
すると、御神槌の持つ<珠>が、妖しく光を放つ。
その<珠>は、かつて切支丹狩りに捕まり、あわやという彼を救い出してくれた、
「御屋方様」に貰ったものだという。
違うぞ、御神槌! お前は、騙されている。勘違いしている。
だが、今の遼次郎に、ソレを口にできるだけの確固たる記憶はなく、
ただ漠然とした不安を胸に、「出撃の時間」を告げることしかできなかった――。

小石川へ。
井上重久のコトを訊いてみたが、まあ当然まともな答は返って来ない。
と、前回のようなことがあってはややこしいからと、
御神槌が人目を避けて隠れていた木陰にて、
療養所の「代理の先生」に、なにやら脅しを入れてる浪人風のオトコどもが。
それは、昨日のあの連中のように見えた。
その繋がりを探るべく、「代理の先生」に詰め寄る一行。

すると、かつての「切支丹狩り」の真相――
幕府の方針を隠れ蓑に、単に改宗を求めるものではなく、
人を責めさいなみ、殺す「愉悦」に狂ったヤツらがいた、
それはまさに、「切支丹狩り」などではなく、「人間狩り」であった――
という話をし始める。
御神槌の悲鳴の源は、この時のもののようだ。

そして、その「人間狩り」を、重久が現代に復活させた――。
それも、「死んでも不審に思われず、訴え出ることも叶わない」という弱みにつけこみ、
「入院している重病人」を狙って!

かつてはまだしも、「幕府禁制の切支丹」を責める、というきっかけがあり、
ヒトがヒトを責め殺す(「改宗」しようとした者は少なかったようだし)ことの罪悪感を、
快感にすりかえることで正気を賄っていたのが、暴走したのだろうが、
この行為には、なんの言い訳もきかない。
弱い立場の人間を「おもちゃ」にして、最低最悪の「遊び」をしているだけに過ぎない。

しかも、重久に脅されてとはいえ、
自分の患者を、その「おもちゃ」として差し出したという、「代理の先生」。
これを聞いた遼次郎澳継は、「それが、医者のすることかよ!」
と、気色ばんで食ってかかるが、
「そんなことをしてもどうにもならない」と、放り出す桔梗
あまりにもひどい話に、神を信ずる心さえ失いつつある御神槌は、
遼次郎の説得にも耳を貸さず、嵐王に聞いたらしい「大蛇の呪いの屋敷」へ――。

先走り、「大蛇の呪い」を放った御神槌に、少々苦り顔の天戒
確かに、江戸の町は混乱したし、気脈も乱れた。
しかし、多くの病人が出て、苦しんだのだ。死者も少なくなかったらしい。
それは、天戒の望むところではなかった。

ともあれ、改めて井上重久討伐の命を下す天戒
今回は天戒自らも共に出撃。
御神槌重久討伐、他は囚われた病人たちを救出に向かうことに。
しかし、御神槌の様子に危惧を覚えた遼次郎は、彼を追う。

「なぜ私を追ってきたのです? 私は、怒りに任せて呪いを放ち、
多くの人を苦しめるのに手を貸した男ですよ?
こんな私に、何が残っていると――」
御神槌の、深い悲しみを湛えた自嘲の言葉に、遼次郎は答える。
「愛」

――人を憎むことしかできなくなったわけではあるまい。
鬼哭村では、子供たちに、心の平安を大切に思うことを説いていたではないか。
人を愛し、未来を創る心が、おまえにはまだ、あるはずだ――。

目を伏せ、しばしの沈黙ののち。
「……ありがとう。私は、一人で大丈夫です。心は、完全に決まりましたから――」
顔を上げ、きっぱりと言った御神槌の瞳から、惑いの影は消えていた。
――なるほど、これなら大丈夫だろう。

御神槌と別れ、先行している天戒たちに合流する。
「振り向いて、お前がいないと気付いた時は、ひどく驚いたぞ――」
と、言われてしまったが。
だが、御神槌の「ケア」にたいする礼の言葉もいただけた。
「俺には言えないことだから――」
と。

ともあれ、捕らわれ人がいるらしい地下牢に下りるや――
「百鬼(なきり)妖堂」なる、一つ目の仮面を被った「用心棒」に出迎えられる。
「陰」編の敵って、なんでこんな変人が多いんだ(笑)?
鬼哭村襲撃隊の隊長といい……。
ともあれ、これが、牢番の浪人たち=仲間はぶち殺すは、ゴーモンはしたがるは、
不愉快極まりないシロモノ。
アキレる澳継クンとともに、戦闘に――。

敗れたナキリ、なんと式神の裸写紙に。
桔梗の解説によれば、
「呪禁(じゅごん)」という、陰陽道に似つつも、より即物的な呪術があるそうで、
ソレによって作られた「式」だったらしい。
檻を開き、逃げ出す捕らわれ人たちのドサクサに紛れて、脱出。御神槌も合流。

――結局、御神槌は、重久を殺せなかった……いや、殺さなかったようだ。
天戒の命に反したことにもなるし、うつむく御神槌
そんな彼に、「愛」を入力する遼次郎
「どうしてあなたは、そんな……神の御言葉のようなことばかり言うのです?」
泣かんばかりの表情の御神槌
さらに、天戒も、叱責するどころか、彼の無事を喜ぶのみ。

そして――
自分の弱さと……しかし、たくさんの人の「愛」に支えられていること。
今回のことで、それを思い知らされたという御神槌
少し、吹っ切れたようだ。
「呪い」を使って犯してしまった「罪」は心に刺さっているようだが、
それを償うには、より多くの人を救うしかない。
それも、わかっている。
「そのために――共に、戦わせてください。あなたと――」

このあと、彼が夜中にあの「悲鳴」を上げることは、
めっきり少なくなったようである――。


うわ、今回、長っ!
そして、今回は御神槌にべったり(笑)。
なんだかカレ、前作での葵姫を思い出して、ほっとけないんですよね。

こんなふうに、苦しみ、惑い、助けを求めてきょろきょろして、
でも誰もいないので、必死に歩き出そうとするけれど、
真っ暗闇の中で立ちすくむしかなく、悲鳴すらあげられない――
そんなヒトを見ると、助けてあげたくなる。
「さあ、道はこっちだよ。正しいという保証はできないけど、いっしょに行こう!」
――てなふうに。

ただ、そこで「ダメ、歩けない」とダダをこねられると、
とたんに見捨てるんですが……。
その点、葵姫御神槌も、一生懸命いっしょに歩こうとしてくれる。
こんなんに、弱い自分。

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