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                 ホメオパシーの謎を解く(パート15)

 パート15

 物質をレメディにする想念の根源は何か?
 レメディの薬効は、人類の集合意識的想念によって決定される。これが事実だとすると、新しく発見された植物など、ほとんど誰も知らないような珍種の鉱物や生物といったものでも、それを原料にレメディを作ると効いてしまうのは、どう解釈するべきなのか?
 可能性として考えられるのは、われわれにはすでに、生まれながらにして、その植物に対するイメージ(情報)が備わっているということである。
 ここで、再びホロン・フラクタル構造を思い出していただきたい。
 世界が全体なら、われわれは部分である。そして、エネルギー的にいえば、部分の中に全体の情報が入っている。ということは、世界のすべての情報、森羅万象の情報が、われわれの内部(無意識層のレベル)に存在していることになるわけだ。
 そのため、自分も知らず、人類も知らなかったような植物であっても、それをレメディにして服用すると、そのイメージのイメージと心の中のイメージとがマッチングし、共鳴を起こして症状が癒されるということになる。
 ならば、われわれが生まれながらにして、森羅万象に対するイメージをもっているとしたら、そのイメージの根源はどこにあるのだろうか?
 つまり、そのイメージは、いつ、誰によって形成されたのかということである。
 長い歴史の中で祖先が積み重ねていった知識が潜在意識(脳の古い皮質)に蓄積された結果なのだろうか?
 それもあるだろう。だが、それだけではない。人類がいまだ知り得ない事物に対しても、われわれの深層には独自のイメージをもっているからだ。
 むしろ、人類の創成以前に、そのイメージは形成された可能性が高いといえるだろう。
 人類の創成以前にイメージを形成した存在、それは創造主ということになる。

 神と人間の関係
 創造主、つまりは、神ということになる。
 これまで科学的にホメオパシーの謎に言及してきた流れが、突然、神という宗教的な支流が注ぎ込むことに、違和感を覚える読者もおられるかもしれない。
 もちろん、神をもちだしてすべてを片付けてしまうつもりはない。だが、ホメオパシーが暗示する新しい科学理論は、従来の科学理論のように宗教と対立するものではなく、むしろ宗教と融和する内容をもっているともいえる。人間に霊性が存在することを認めるホメオパシーであれば、当然、霊性の根源である神についても総括的に考慮していかなければならない。
 さて、神は、全世界を包含する究極の「全体」であり、その視点からいえば、人間は「部分」である。これまで考察してきたように、エネルギー的に全体と部分がホロン・フラクタル構造の関係で結ばれているとすると、人間(という部分)の中には、(全体である)神の情報がすべて含まれていることになる。
 多くの宗教は、このことを「人間は神の属性を内部に宿している」と表現しているが、人間は創造主である神の情報を内在していることになる。神がこの世界の森羅万象あらゆる存在を創造したときの理念やイメージといったものが、われわれの内部に含まれていることになるわけだ。
 すなわち、それが、われわれが万物に対して生得的に抱いているイメージの源泉ではないのだろうか?
 したがって、原料からレメディを製造する作業とは、そこに宿る神の理念やイメージを抽出している作業であるといえるかもしれない。希釈・震盪とは、物質から純粋な「精髄」あるいはハーネマンのいう「霊」を抽出している作業なのである。

 元素に隠された人類進化のメッセージとは?
 ところで、大半の宗教が共通して説いているように、世界と人間を創造した神は、再び人間を神の領域に帰還させようとしている。
 だとするなら、これまで考察した文脈から推測すると、その理念が地上の被造物の中に込められているはずである。
 とりわけ、「人間の神への帰還」は、神にとって非常に重要かつ根源的な目的であろうから、地上の存在の中に必ず刻印されているはずである。この考え方は、人間を癒すものを神は地上に用意してくれたとする「特徴表示説」の延長である。神は、肉体のみならず、精神を、そして「魂」を、癒すものを地上に用意してくれたはずである。
 いうまでもなく、人間の魂の究極の癒しとは、神のもとへ帰還し、神とひとつになることである。
 ならば、神は人間を自らのもとに帰還させるために必要な情報なりメッセージを、地上の森羅万象の中に用意してくれているはずである。つまり、それを原料にすれば、われわれの魂の進化を促進させてくれるようなレメディを作ることができるはずなのだ。
 いったい、それはどのような原料なのだろうか?
 人類の魂の癒しである「神への帰還」は、神にとって最重要課題であるはずだから、絶滅の可能性があるような動物や植物を原料にするとは考えにくい(絶滅したらレメディを作ることができずに人類の魂が癒せなくなる)。決して地上から消滅することのない何かでなければならない。しかも「神への帰還」は、神にとって本質的で根本的な目的であろうから、やはり原料となるものも、おそらく本質的で根本的なものの中に刻み込んでいるに違いない。
 そう考えていくと、鉱物・植物・動物の中で、より根本的なもの、しかも決して消滅することのないものといえば、「元素」ということになるだろう。
 この元素の中に、神が刻印した人類進化の重大なメッセージが隠されているのである。

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