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                 ホメオパシーの謎を解く(パート17)

 パート17

 元素の周期律表とカバラの生命の樹
 このように、元素の周期律とは、人類の意識(進化)のレベルを表しており、あたかも「双六」のような構造になっているのを見た。われわれ人類は、霊的進化の双六を歩んでいる。だが、ときに障害が立ち塞がり、駒を進めることができないで、その状態で足踏みしてしまうことがある。そんなとき、まるで創造主がわれわれの進化を助けるために用意してくれていたかのように、その「駒」が表示する元素(のレメディ)を取り込むことで、障害が打破され、先に進むことができるのである。
 おそらく神は、自らのエネルギーを使い、電子を収納する軌道をひとつひとつ増やしながら物質(元素)を生み出していったのであろう。最初に水素、次にヘリウム、軌道をひとつ増やしてリチウム、ベリリウムといったように。
 すなわち、物質とは、神のエネルギーの物質化ということになる。神の意識エネルギーが物質化したもの、それが元素なのだ。地球上の存在は、すべて元素から成り立っているわけだから、森羅万象、すべてのものに、神の意識が刻印されていることになる。
 ところで、軌道を増やしながら元素を創造していったこと、そこに神の創造と進化の意識が込められていることは、神秘主義の象徴体系を思い起こさせる。その代表的なものが、ユダヤの神秘主義であるカバラだ。
 事実、世界創造と人類の進化についてのシンボルであるカバラの「生命の樹」と元素の周期表とは、必ずしも同じわけではないとしても、妙にうまく重なる部分が多い。
 カバラによれば、神とは絶対的な無(エインと呼ばれる)である。それは「存在すら超越したお方」であるといわれる。その神が絶対的な全(エイン・ソフ)となった。つまり、われわれ人間が「存在」という言葉で表現できるお方になった。数字でいえば0から1になったわけだ。その後、神は光によって世界を創造したといわれる。そのプロセスを象徴的に表現した図象が「生命の樹」である。
 その光は、最初にケテル(王冠)という光の中枢(セフィロトと呼ばれる)を配置して階層を形成した。次にビナー(理解)とホクマー(知恵)を配置して、ひとつ下の階層を形成していったとされる。このようにして、全部で7つの階層を形成していった。ただし、第1の階層と、最後の第7の階層は、音楽でいえば1オクターブの関係であり、内容的には相似的である。
 以上のカバラの体系と元素の周期表を対比させてみると、階層的には同じ7つで重なり、元素の第1階層が「本源からの流出」、最後の第7階層が「本源への回帰」といった点で、やはり相似的となって生命の樹と重なってくる。その他の、各階層とセフィロトとの詳細な関係に関しては今後の研究を待たなければならないが、おおまかな構成としては不思議に一致するといってもいいだろう。






 ホメオパシーが提示する新たなる科学パラダイム
 これまでの科学理論は、基本的に物質性を土台に構築されたもので、世界を物質的にとらえる世界観である。そこに貫かれているのは、物質と精神は別のものとする二元論だ。
 しかし、量子力学の登場により、物質とは、同時に波動的なエネルギーであることがあきらかになり、物質と意識との相互の影響の可能性も出てくるようになって、二元論の土台が揺るぎ始めた。
 森羅万象の本質が物質であると同時にエネルギーでもあるわけだから、この世界を包括的に説明する科学理論(パラダイム)は、世界をエネルギー的にもとらえないと、きわめて不備なものとなる。
 ホメオパシーの治療原理は、世界をエネルギー的に認識する世界観に基づいている。物質が局在的(ひとつの場所に存在する)であるのに対し、エネルギーは遍在的(あらゆる場所に同時に存在する)な性質をもっている。電波がそうであるように、われわれはどこにいてもラジオを受信したり携帯電話で通話することができる。エネルギーは遍く情報を伝達できる媒体なのだ。
 そして、ホメオパシーでは、そうした情報的エネルギーが、部分の中に全体が内在する(部分と全体は相似関係にある)というホロン・フラクタル構造をしていることを示唆する。
 この考え方でいえば、物質と精神の二元論的な壁は打ち破られ、ひとつの関係性で結ばれる。生物・無生物の別なく、あらゆる存在は密接に結ばれ、しかも世界という全体、さらには創造主という全体とも結ばれる。いわば横軸と縦軸とが交差するような図式となる。
 しかも、こうした空間的な広がりのみならず、時間的な広がり、すなわち「進化」という時系列の座標についても、新たな科学理論では包括的に扱われる。それは単純に人間の生物的な進化という枠組みを超え、人間の本質と考えられるスピリチュアルな部分の進化プロセスに焦点を当てるという意味で、きわめて宗教的であり、しかもその宗教性は、ここでは対立することなく融和される可能性がある。人間が肉体という物質的な存在であると同時に、スピリチュアルな存在であることを考えるなら、ホメオパシーが提示する新たなる科学理論は、きわめて人間的なものになると期待できる。

  おわり

 参考文献
・『新世紀の医学 ホメオパシー』
  ジョージ・ヴィソルカス著 白勢京子訳 国際語学社 2002年
・『ホメオパシー療法入門』
  ミシェル・ザラ著 高橋信子 長瀬真里 訳 文園社 2000年
・『予防接種は果たして有効か?』
  トレバー・ガン著 ホメオパシー出版 2003年
・『ジャン・ショートン 元素のレメディー』
  由井寅子 著 ホメオパシー出版 2001年

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