探求の光(第8話)
人は独りのときにこそ独りではない
私は今日もまた、独りで歩き続けた。私の道はこれでいいのか、いったいこれから先、どうなってしまうのかという、不安の重みに堪え忍びながら。日は暮れて道もよく見えなくなり、どうしたらいいのか途方に暮れた。だれか私を導いてくれたらいいのに、せめて、道連れがいてくれたら、どんなにか心強いのに。
すると、暗い空の中にもいくつか光る星の間隙から、二人の天使が舞い降りてきた。
右の天使がいった。
「人間は、生まれてくるときも独り、死ぬときも独りです。そして生きているときも、独りで生きているのです。なぜなら、どんなに親しい人がいてくれたとしても、完全にお互いの気持ちの奥底まで共鳴し理解しあうことはできないからです。最後には、自分の気持ちは自分自身で抱えていかなければなりません。人生は孤独です。人間は孤独に人生を歩んでいく宿命を担っているのです」
今度は左の天使がいった。
「人間は、孤独を感じるとき、たった独りで道を歩いているように思うかもしれませんが、実は孤独なときにこそ、神様があなたの横にいて、一緒に歩いていてくださるのです。なぜなら、孤独を感じるということは、自分以外の存在を強く求めていることだからです。神様は、その呼びかけに応えてくださるのです。だから、安心して歩みなさい。あなたは、独りのときにこそ独りではなく、神様と歩んでいるのです。いかなる暗闇であろうと、あなたの隣で神様が進むべき方向をささやいてくださる声を耳にすることでしょう」