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 栄養素・食品データ【ビタミン】 
ビタミンB1 (チアミン)
2013.05.25 (Sat) 12:25
【性質・事実】
水溶性。
硫黄を含む無色の化合物。
余分に摂取された分は体内に貯蔵されず、排泄される。
従って、毎日補充する必要がある。
【所要量】
1.1mg /day
【上限】
規定無し
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
神経系、精神に好影響を与える。
軽い利尿採用がある。
精神を促進する。
炭水化物の消化を助ける。
乗り物酔いを防ぐ。
帯状疱疹の治療を助ける。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
ウェルニッケ・コルサコフ症候群。
白内障。
下記欠乏症。
【供給源】
ビール酵母、米ぬか、未精製の穀物、小麦全粒粉
大豆、落花生、ほとんどの野菜、
ウナギ、カツオ、レバー、豚肉、ピーナッツ、殆どの野菜。
【欠乏症】
脚気、無食欲、消化不良、便秘、倦怠感、足のだるさと衰弱
ふくらはぎ筋肉の軟化、脚のしびれと”チクチク感”、脛骨周辺の感覚麻痺
首静脈の膨張、高血圧、尿量の減少
多発性神経炎の悪化、歩行困難、ウェルニッケ・コルサコフ症候群
心臓肥大、精神錯乱、浮腫、末梢神経障害、心悸亢進。
脳症の可能性
 ・短期記憶の喪失・失見当識・眼球痙攣・運動失調(歩調がふらつく)
乳児脚気
 急性〜・排尿量の減少・心不全
 慢性〜・便秘と嘔吐・緊張のない筋肉・血色悪化(チアノーゼ)
【毒性・過剰症】
知られていない。
過剰摂取分は排泄され、体内に貯蔵されることはない。
推奨量の100倍のチアミンを経静脈摂取して、
頭痛、痙攣、筋衰弱、不整脈、アレルギー反応が起こった例はあるが、
経口投与に関しては商業用の塩酸チアミンなどを大量摂取しない限り、
現実的には心配はないと思われる。
【サプリメント】
多いもので50〜100mg含んでいるものがある。
ビタミンB2、B6を等量含んでいるものが望ましい。
【他の栄養素との関係】
他のビタミンB群
B2(リボフラビン)、ナイアシン、パントテン酸、B6(ピリドキシン)、
葉酸、B12(コバラミン)と同時に摂取することが望ましい。
B1の供給過剰はB6の欠乏の原因となる。
【注意事項】
加熱によって容易く壊れる。
カフェイン、アルコール、空気、水、エストロゲン、
制酸剤、サルファ剤によっても壊れる。
以下の食物により働きが妨げられる。加熱により問題は解消する。
 ・ワラビ、ゼンマイなどのシダ類
 ・川魚、エビ、カニ、貝
【備考・補足事項】
喫煙、飲酒、砂糖の摂取により、このビタミンは消費される。
妊娠中、授乳期、避妊ピル服用中は大量に必要とされる。
食後に制酸剤を服用すると、食事で摂取したビタミンB1は失われる。
病気、不安、外傷、手術後など、あらゆるストレス下において多く消費される。
【吸収、輸送、貯蔵】
摂取量が少ない場合は上部小腸から能動輸送される。
能動輸送はアルコール摂取や、腸細胞の複製を妨げる
葉酸欠乏によって阻害される。
摂取量が多い場合は受動拡散で吸収される。

チアミンは粘膜に取り込まれるとリン酸化されて、活性型である
「チアミンピロリン酸(TPP)」となり、門脈によって肝臓へ運ばれる。
大部分の血中チアミンはTPPとして赤血球によって運ばれるが、
少量は有利チアミンやチアミン一リン酸として存在する。
チアミンを取り込んだ細胞組織は、リン酸エステルのまま残し、
その大部分がタンパク質と結合される。
組織別のチアミンレベルは様々だが、殆ど貯蔵されない。

ピルビン酸脱水素酵素複合体、α-ケトグルタル酸脱水素酵素複合体、
トランスケトラーゼなどの補酵素として働く。
いずれも糖の代謝に必要なものである。
また、TPPが欠如するとピルビン酸がアセチルCoAに変換されず、
TCA回路に入ることができなくなる。
【考察】
炭水化物の大量摂取の後、大量に飲酒する場面、激しい身体運動をする人は、
十分な量の摂取が望ましい栄養素であると言えよう。
参考文献
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所(第一出版)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修(東洋医学舎)
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄(産調出版)
◆ 各種ビタミン
ビタミンA (レチノイド)
ビタミンB1 (チアミン)
ビタミンB2 (リボフラビン)
ビタミンB3 (ナイアシン)
ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB6 (ピリドキシン)
ビタミンB8 (イノシトール)
ビタミンB9 (葉酸)
ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンC (アスコルビン酸)
ビタミンD (カルシフェロール)
ビタミンE (トコフェロール)
ビタミンF (不飽和脂肪酸)
ビタミンH (ビオチン)
ビタミンK (フィロキシン)
ビタミンP (フラボノール類)
ビタミンT
ビタミンU
コリン
PABA (パラアミノ安息香酸)